映画『モダン・ラブ』(MODERN LOVE)
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映画『モダン・ラブ』(MODERN LOVE)

この恋が終わるとき、新しい世界がはじまる。

第22回東京国際映画祭(TIFF)をはじめ世界各国の映画祭で絶賛、話題を呼んだ『アワ・ブリーフ・エタニティ / OUR BRIEF ETERNITY』(2010年)から8年。鬼才・俊英・インディペンデントの雄など、その独自の活動から様々な言葉で形容される福島拓哉監督の最新劇場用オリジナル長編映画『モダン・ラブ』がついに完成した。

常にテーマの軸にある都市としての東京を舞台にしつつも、独立問題で世界中の注目を集めているスペイン・カタルーニャ州でのロケを敢行。 かつてない奇想天外なストーリーが展開する、“サイコ・ファンタジー”作品が誕生した。

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STORY

東京。 太陽系内に生命体の存在する新惑星・エマノンを発見したという報道に湧く一方、異常気象が頻発していた 。

旅行代理店で、アルバイトをしながら大学で理論物理学を専攻している大学院生のミカ(稲村梓)は、5年前に失綜してしまった恋人・テル(高橋卓郎)のことを忘れられないでいる 。 出会い系アプリで男を漁りその孤独を埋めつつ、妄想でテルと会話する毎日 。 ある日、ミカは発作的に既視感を覚えるようになり、 「もう一人の自分」たちと出会ってしまう。それぞれのミカにはそれぞれに違った状況が存在していた。 理解に苦しみ混乱するミカだったが、やがて人生を変える選択を迫られる…

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CAST

主演はラジオドラマ「NISSAN あ、安部礼司 ~ BEYOND THE AVERAGE ~」で鞠谷アンジュとしてレギュラー出演中で、つかこうへい作品舞台の評価も高い稲村梓。失綜した恋人役には福島作品常連の高橋卓郎。川瀬陽太、草野康太ら日本映画に欠かせない俳優陣が脇を固め、ロックバンド・The John’s Guerrillaのボーカリスト今村怜央が重要なキャラクターを演じている。

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COMMENT

 

福島拓哉は普通の監督が描かない領域に踏み入っている。人間的な感情や苦悩の中に存在する、異質で、複雑かつ抽象的な世界の領域だ。

デビッド・ポウンテイン(Filmdoo 編集長)
 

『MODERN LOVE』。

「モダン」とは詩人ボードレールの「モデルニテ(現代性)」という言葉から始まったものだ。ボードレールによれば「モデルニテ」の定義とは、「一時的で、うつろい易く、偶発的で、これらが芸術の半分をなし、他の半分が、永遠なもの、不易なものである」と。(もちろんこの場合、L.カラックス『汚れた血』の挿入歌であるD.ボウイの『Modern Love』と解釈するのが正解であろうが、、、)

劇中登場する三つの世界は、通常はけっして交わらずパラレルワールドとして存在している。しかし、そのうつろい易い薄膜的な世界に裂目が生じ、互いに干渉してしまったならば、、、そのときはじめて永遠性というものを獲得できるのかもしれない。

惑星は定められた速度と軌道を保っている。人工衛星も同様である。しかし、その速度と軌道が重なったときに「ランデブー」が起きる。ふたりの人間の速度と軌道が重なったときに(=ランデブー状態)、「恋愛」という化学変化が生ずるとするならば、人間もまたある種の惑星であり、本来は「孤独な惑星」なのかもしれない。

うつろいやすい「恋愛」のランデブー状態や絶頂を永遠に留めるその方法とは、、、現代における永遠性の問題を真正面から捉えた力作である。

ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン/美術家)
 

終末的世界観を表現し続けてきた福島拓哉は、その絶望をテーマにしているわけではない。
立ち向かう強さと魂の再生をもたらす真実として、何度も何度も(本当に)、愛を描き続けているのだ。

マーク・サン・シール(映画評論家)
 

気が付いていませんが、もしかしたら、私にも私の私がいるのかも知れません。
後悔ばかりしてる私は「あの頃に戻れたら」脳がたまに発動します。壁の向こうに行ってみたい、様な気がします。自分と対峙するの、怖いけど。新しいものを選ぶの、怖いけど。
ミカさん、幸せになってください。学食、学食、学食ダンス。

後藤まりこ(ミュージシャン)
 

新しい物語と映像美を生み出す才能に恵まれた福島拓哉を堪能できる、ものすごい作品である。

ピーテル・ヤン・ヴァン・ヘッケ(映画評論家)
 

この映画は哲学的な映画でもあるが、その哲学を呈示する福島拓哉の映像世界はあまりに美しい。この映画を見たあとではあなたの生きている世界はこれまでとは全く違うものになっているだろうが、しかしその世界をこれまで以上に愛していることに気づくだろう。

大河内泰樹(哲学者)
 

『MODERN LOVE』。最初は何故、こんなベタな題名をつけたのかと疑問に思った。が、しかし観終わった後、腑に落ちた。『LOVE』恋愛映画というフォルムを使いながら、『MODERN』現代における映画表現の可能性を模索し、挑戦していた。何よりベタと思ったのは大いなる勘違い、それどころか本作は(バジェットや公開規模ではなく)メインストリームに連なる映画だった。

中村高寛(映画監督)

DIRECTOR’S PROFILE

 
福島 拓哉 (Takuya Fukushima)
www.p-kraft.com
 

【写真】福島拓哉監督 (Takuya Fukushima)1992年名古屋大学文学部在学中より多数の映像作品を発表。
石井岳龍(聰亙)監督に師事した後、クリエイターユニット「P-kraft」を設立、以後活動の拠点とする。

TV、CM、PVなど幅広く演出を手掛け映画監督としても国内外で高く評価されている。
劇場デビュー作『PRISM』(2001年)は公開劇場での動員記録を樹立。『アワ・ブリーフ・エタニティ / OUR BRIEF ETERNITY』(2010年)は第22回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門への出品を皮切りに世界各国の映画祭で正式上映され、全国公開。

2016年にはオリジナル短編『LEGACY TIME』の公開を記念し、「ESCAPE FROM THIS FUCKIN WORLD 福島拓哉特集」と題した傑作選特集上映が開催され、好評を博す。

またプロデューサー、俳優、文筆家、ミュージシャン、ラジオパーソナリティなど、マルチクリエイターとしても幅広く活動中。

FILM FESTIVAL

第6回ニース国際映画祭 コンペティション部門 4部門ノミネート&最優秀音響賞受賞!

『モダン・ラブ』は、第6回ニース国際映画祭(NICE IFF)コンペティション部門に正式出品され、最優秀外国語映画賞、最優秀音響賞(田中秀樹)、最優秀ヘアメイク賞(榎本愛子)、最優秀 VFX 賞(菊地実幸)の 4部門でノミネート。最優秀音響賞を受賞した。

ニース国際映画祭は、フランス南東部に位置する世界的に有名なリゾート都市であるニースで2013年より毎年開催されている国際映画祭。毎年、世界各国からインディペンデント系の個性的かつ将来性のある作品が選出されている。第6回ニース国際映画祭は現地時間の2018年5月5日から5月12日にかけて開催され、『モダン・ラブ』は5月11日上映。各部門授賞式は5月12日に行われた

 

第19回ハンブルク日本映画祭「特別芸術賞」福島拓哉監督が初代受賞!

2018年5月23日から5月27日にかけてドイツ・ハンブルクで開催された第19回ハンブルク日本映画祭で正式上映され、同映画祭にて今回新設された「特別芸術賞」を福島拓哉監督が受賞した。

 

第7回マドリード国際映画祭 コンペティション部門 2部門ノミネート&最優秀VFX賞受賞!

2018年7月21日(土)から7月28日(土)にスペイン・マドリードで開催された第7回マドリード国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、最優秀外国語映画賞、最優秀VFX賞の2部門にノミネート)。最優秀VFX賞(菊地実幸)を受賞した。

 

また、『モダン・ラブ』は、8月12日(日)から8月18日(土)にオランダ・アムステルダムで開催されるアムステルダム国際フィルムメーカー映画祭においては、最優秀外国語映画主演女優賞(稲村梓)、最優秀外国語映画賞、最優秀VFX賞の3部門にノミネート。

さらには、9月5日(水)~9月8日(土)にアメリカ・テキサス州エディンバーグで開催されるサウステキサス国際映画祭(STXIFF)ほか、9月にインドネシア・ジャカルタで開催されるジャカルタ国際フィルム&アートフェスティバル(JIFAF)、フィリピン・セブ島で開催される第7回セブ国際映画祭で正式上映されるなど、海外各地の映画祭で注目を集めている。

映画『モダン・ラブ』特報映像

映画『モダン・ラブ』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『モダン・ラブ』(MORDEN LOVE) ポスタービジュアル

第19回 ハンブルク日本映画祭 正式招待作品 特別芸術賞(福島拓哉監督)受賞!
第6回 ニース国際映画祭(NICE IFF) コンペティション部門 4部門ノミネート&最優秀音響賞(田中秀樹)受賞!
第7回 マドリード国際映画祭 コンペティション部門 2部門ノミネート&最優秀VFX賞(菊地実幸)受賞
アムステルダム国際フィルムメーカー映画祭 3部門ノミネート
サウステキサス国際映画祭(STXIFF) コンペティション部門正式出品
ジャカルタ国際フィルム&アートフェスティバル正式出品
第7回 セブ国際映画祭コンペティション部門正式出品
 
邦題: モダン・ラブ
英題: MODERN LOVE
 
キャスト: 稲村梓、高橋卓郎
芳野正朝、今村怜央、佐藤睦、ヤン・イメリック、川瀬陽太、町山博彦、大木雄高、園部貴一、草野康太
 
脚本・監督: 福島拓哉
プロテューサー: 本井貞成、岩本光弘、福島拓哉
撮影監督: 木村和行
撮影: 難波俊三、川口紘
照明: 高橋拓
サウンドディレクター: 田中秀樹
美術: 安藤秀俊、菊地実幸
衣装: 森美幸、増淵麻衣
へアメイク: 榎本愛子
VFX: 菊地実幸
助監督: 渡辺イチ
制作主任: 板部文
音楽: トルコ石、河原弘幸(floating mosque)
協賛: メディックメディア、 PARIBAR
製作: P-kraft、ラフター
2018年 / 115 min / カラー / 4K / 日本語、英語、スペイン語
 
2018年6月30日(土)より新宿K’s cinema他 全国順次公開!
2018年9月15日(土)より下北沢トリウッドにて「凱旋公開」決定!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @MODERNLOVE_FILM
公式Facebook: @modernlove.agartha
 

短編映画『LEGACY TIME』“リバース”ロードショー決定!

9月15日(土)から下北沢トリウッドでの『モダン・ラブ』”欧州三冠”凱旋上映の併映作品として、2016年に劇場公開された福島拓哉監督のタイムトラベル短編映画『LEGACY TIME』が2年ぶりに“リバース”ロードショーされる。

下北沢トリウッド
 

映画『モダン・ラブ』公開記念福島拓哉監督特集

青山シアターにて、福島拓哉監督の旧作6本が期間限定でオンライン上映が決定!
https://aoyama-theater.jp/feature/if_sp_fukushima

上映作品: 
『LEGACY TIME』(2016年)
『ゴージャス・プリンセス!(ヴァージン)』(2012年)
『アワ・ブリーフ・エタニティ』(2009年)
『自由』(2003年)
『PRISM』(2001年)
『JAM』(1999年)
 
上映期間: 2018年6月29日(金)~2018年7月31日(火) ※配信中の『ヴァージン』を除く
 

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