タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント レポート
【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里、林 裕太、岸本加世子、大沢一菜、照井野々花、中川龍太郎監督、小宮山菜子監督、長島 翔監督)

タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント

久保史緒里、林裕太、岸本加世子、大沢一菜、照井野々花らが登壇!
日本初のタクシー映画祭「TAXIATER」が開幕!!

1912年(大正元年)8月5日に東京・有楽町で日本初のタクシー営業が始まったことに由来し、1984年に制定された「タクシーの日」。その記念日である8月5日(水)、東京23区を中心に走行する100台のタクシーと連携したサイネージメディアで短編映画3作品を上映する日本初のタクシー映画祭「TAXIATER」(タクシアター)公開記念イベントがTOKYO FMホールで開催された。

【画像】タクシー映画祭「TAXIATER」メインビジュアル

イベントには、短編映画『世界は美しいと誰かが言った』から主演の久保史緒里中川龍太郎監督短編映画『まるくてしかく』から主演の大沢一菜、共演の照井野々花小宮山菜子監督短編映画『Parallel Parking』から主演の林 裕太岸本加世子長島翔監督ら豪華出演者・監督陣が集結。さらに、主催である株式会社ENGINE代表取締役の久保田徹朗プロデューサー、メインスポンサーである花王株式会社の簑部敏彦氏(作成センター 第1ブランドクリエイティブ部 部長)も登壇し、新たな移動・映画体験の幕開けを華やかに飾った。

“走る映画館”が創出する新たな映画体験
久保田プロデューサー&花王・簑部氏が語る「TAXIATER」の挑戦

イベント冒頭、企画・プロデュースを手掛けた株式会社ENGINEの久保田徹朗氏が登壇。「劇場上映に先駆けてタクシー上映を行う点」「映画作品と企業タイアップの新たなあり方に挑戦するブランドプレスメント形式」という本映画祭の2大特徴を解説。「タクシーは乗客の年齢や性別を問わず、同一のコンテンツをじっくりご覧いただける非常にユニークなメディアでありスクリーンです」と語り、平均乗車時間約18分というタクシー空間を“走る映画館”に変貌させ、タクシーアプリ「S.RIDE」での指定配車や乗車証明書QRコードを通じた視聴など、乗客のライフスタイルに寄り添う新たな映画プロモーションの可能性を熱く語った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (株式会社ENGINE代表取締役 久保田徹朗)

続いて、メインスポンサーとして参加した花王株式会社の簑部敏彦氏が挨拶。単なる商品露出(プロダクトプレイスメント)ではなく、ブランドが大切にする「パーパス(存在意義)」を映画の物語や登場人物の関係性に織り込んだ取り組みであることを説明。「アタックは『すべての人の明日に向かう一歩を支えたい』、ハミングは『いつもご機嫌でいてほしい』、キュキュットは『ちょっとした負担を楽にしてハッピーを広げたい』という想いを込めています。映画という素晴らしい力を通して、ブランドの想いも一緒に感じていただけたら嬉しいです」と期待を込めた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (花王株式会社 簑部敏彦)

久保史緒里、乃木坂46卒業後初の主演で“母親役”に深く向き合う
「観る方の“明日”に色や温度をプラスできるような作品に」

トークセッションの第1部では、短編映画『世界は美しいと誰かが言った』(協賛:アタック)より、主演の久保史緒里と中川龍太郎監督が登場。

久保を起用した理由について中川監督は、「映画『恒星の向こう側』でもご一緒させていただいたのですが、非常に作品への向き合い方がストイックで。自分が求めていることに真剣に取り組んでくださる方なんです。いつか久保さん主演で映画を撮りたいとずっと思っていたので、今回お声がけさせていただきました」と明かした。

さらに撮影現場について、「2歳の娘(律)をずっと連れ歩く役柄で、言葉のコミュニケーションが難しい中とても大変なんです。でも久保さんは撮影前や合間の時間も休みなく、ミニーちゃんのカチューシャを付けて踊ってあやしたりして、本当の母親としてりちゃんと過ごしてくれた。その姿勢が座長として本当に素晴らしく、尊敬できました」と惜しみない賛辞を送った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (中川龍太郎監督)

これを受けた久保は、「撮影期間中は、お母様から伺った『言葉が通じないことによる孤独』を少しでも疑似体験できるよう、外部との連絡を控えたりして自分なりに役と向き合いました」と告白。会場客席にはこの日、劇中で娘役を演じた律ちゃんが来場しており、トークの合間に久保が客席へ優しく手を振る微笑ましい一幕も。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里、中川龍太郎監督)

「撮影中もずっと『母は、母は』って呼んでくれていて。今でもお母様と話す時に『母とシャボン玉した』って覚えていてくれるみたいで、すごく嬉しいです」と目尻を下げた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里)

一方で中川監督が「律ちゃんは僕のことは大嫌いで、俺が近寄ると『うわ〜ん』って泣いちゃうんです(笑)。“オッケー”の手振りだけは真似してくれるようになったんですけどね」と自虐交じりに明かすと、会場は温かな笑いに包まれた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里、中川龍太郎監督)

乃木坂46を卒業して約半年、節目となる本作について久保は「卒業という人生の大きな節目の直後に、役者としてこれほど貴重で深い経験をさせていただけたことが本当にありがたいです。自分の人生や人間性が役柄に顕著に表れるということを中川監督に教えていただいたので、もっと人として深みのある人間になりたいと思うきっかけになりました」と真っ直ぐな瞳で振り返った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里)

最後に作品が観客へ届けるメッセージについて問われると、中川監督は「この作品をタクシーであれ映画館であれ観ていただいて、ご自身の生きている人生や世界が少しでも変わることがあったら本当に嬉しいなと思っています。子供だった瞬間がない人はいないはずなので、そういうことに思いを寄せて観ていただけたら」とコメント。

久保も「移動の合間に新しい映画や物語に出会えるって、なんて素敵な体験なんだろうと思いました。この作品を通して観てくださる方の『明日』という存在にも、何かひとつ色や温度をプラスできるような作品になっていたら嬉しいなと思いますし、ぜひ移動のひと時にこの作品に出会っていただけたら嬉しいです」と心を込めてメッセージを送った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里)

大沢一菜&照井野々花、等身大の素顔をのぞかせる
小宮山菜子監督「多様な性や愛の形を肯定し、寄り添う作品に」

第2部には、短編映画『まるくてしかく』(協賛:ハミング)より、主演の大沢一菜、照井野々花、小宮山菜子監督が登壇。

作品の着想について小宮山監督は、「男性と女性だけでは括れないノンバイナリーやクィアの存在が日本映画であまり描かれてこなかったことや、LGBTQIA+の子供たちが悲劇的な死を遂げてしまうなど、そういう物語の展開が多いことに疑問がありました。そうではなく、その子たちをエンパワーメントできる物語を作りたいと思ったのが出発点です。『まるくてしかく』というタイトルには、本来は共存しない形や割り切れない矛盾、そして多様な愛や家族の形をそのまま肯定して包み込みたいという想いを込めています」と温かな意図を語った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (小宮山菜子監督)

10代で作品を牽引する大沢と照井。学業と俳優業の切り替えについて聞かれると、大沢は「自分的には特に意識はしていないんですけど、学校生活での出来事やその時の気持ちが、お仕事での演技に自然とつながっているなと感じる瞬間はあります」と回答。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (大沢一菜)

照井も「お仕事のときはすごく集中するようにしているんですけど、学校では逆にあまり深く考えずに友達と全力で楽しんでいます。だから自分の中で『切り替えるぞ』って特別に意識していることはあまりないです」と、等身大で自然体な素顔を見せた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (照井野々花)

作品に込めたメッセージについて照井は、「ふじとう(二藤)としおり(詩織)のように、自分の『好き』という気持ちをうまく表現できないもどかしさは誰にでもあると思うんです。でもこの映画を観たあとに、身近な大切な人と少しでも素直な気持ちで話してみたくなってもらえたらすごく嬉しいです」と心を込めて言葉を紡いだ。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (照井野々花)

撮影のエピソードとして、大沢が「ロケット花火をあげるシーンで、風があってなかなか上がらなかったのがなぜかすごく印象に残っています(笑)」、照井が「山の中のすごい雪道を歩いていく撮影が大変だったけれど、すごく思い出深いです」と和気あいあいと語ると、小宮山監督も「二人ともすごく真摯に作品に向き合ってくれて、等身大の魅力あふれる撮影現場でした」と目を見張っていた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (大沢一菜、照井野々花、小宮山菜子監督)

林 裕太&岸本加世子、ひと晩の不思議な出会いを情感豊かに表現
極寒の撮影現場で「カップ麺を3人で分け合った」心温まる裏話も

第3部には、短編映画『Parallel Parking』(協賛:キュキュット)より、W主演の林 裕太、岸本加世子、長島 翔監督が登場。

車上生活者を題材にした背景について長島監督は、「車上生活者と一口に言っても、住む場所を失った方もいれば自ら選択している方もいて背景は様々です。深夜の撮影時にも、すぐ隣の駐車場で高齢の親子らしき方々が車の中で寝ていらっしゃって。この作品を通して、そういった人々の存在や人生に少しでも想像力を向けるきっかけになればという思いで描きました」と語った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (長島翔監督)

映画『愚か者の身分』(2025年)に続く向井康介脚本作品への出演となった林は、「また向井さんの脚本で映画を撮れることが本当に嬉しかったです。何気ない会話の中に生きる上で大切なことが散りばめられていて、お芝居をしながら『あ、ここは実はこう繋がっていたんだ』と伏線を回収していくような感覚があって感動しました。長島監督や岸本さんと丁寧に読み解きながら撮影できました」と手応えを口にした。

さらに第30回釜山国際映画祭での最優秀俳優賞を受賞するなど注目の集まる現状について、「賞をいただけたことは本当にありがたいですが、作品への向き合い方は今まで通り変わらず、巡り会えた役に対して真摯に向き合っていくことが自分のできる精一杯だと思っています」と凛とした表情で語った。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (林 裕太)

自身も要介護の父を在宅介護しているという岸本は、「私も今、88歳の父を在宅で介護しているのですが、車にお母さんを乗せて幸せそうに車中泊をしている姿や、林くん演じる悠生とのやり取りを見ていて、自分自身の人生とすごく重なりました。私自身、生きていく中で『出会い』や『ご縁』を一番大切にしたいと思っているので、この一瞬の出会いで心が通じ合う様子にすごく共鳴しました」と深く頷いた。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (岸本加世子)

初共演となった現場の裏話として、林が「待ち時間の時に岸本さんから『本読みしようか』と声をかけてくださってすごく嬉しかったです」と感謝を述べると、岸本は「私がセリフを覚えているか不安で付き合ってもらったのよ(笑)。終わった瞬間に『相手があなたで良かった!』って言いました」と明かし相思相愛の様子。

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (林 裕太、岸本加世子)

さらに「深夜の極寒撮影の中、プロデューサーが持ってきた1個のチゲカップヌードルを紙コップ3つに分け合って食べたのが本当に美味しかったね」と微笑ましいエピソードを披露し、会場を温かな笑いに包んだ。

[取材・文・スチール撮影: Cinema Art Online 編集部]

フォトギャラリー📸

スライドショーには JavaScript が必要です。

イベント情報

タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント

■開催日: 2026年8月5日(水)
■会場: TOKYO FMホール
■登壇者: 久保史緒里、林裕太、岸本加世子、大沢一菜、照井野々花、中川龍太郎監督、小宮山菜子監督、長島翔監督、簑部敏彦(花王株式会社)、久保田徹朗(株式会社ENGINE)
■MC: 東紗友美(映画ソムリエ)

【写真】タクシー映画祭「TAXIATER」公開記念イベント (久保史緒里、林 裕太、岸本加世子、大沢一菜、照井野々花、中川龍太郎監督、小宮山菜子監督、長島 翔監督、簑部敏彦、久保田徹朗)

映画祭/映画作品情報

【画像】タクシー映画祭「TAXIATER」キービジュアル

日本初のタクシー映画祭「TAXIATER」

「LIFE IS MOVEMENTS. 人生は、移動の連続である。」をコンセプトに掲げる「TAXIATER」は、8月5日「タクシーの日」を記念して2026年8月3日(月)から1週間にわたり、東京23区内を走行する100台のタクシーと連携したサイネージメディアで、アカデミー賞級の豪華制作陣が手掛ける撮り下ろしの短編映画を上映し、新たな映画体験、移動体験を創出する、日本初のタクシー映画祭。

記念すべき第1回となる「TAXIATER」のメインスポンサーには、花王株式会社が展開する衣料用洗剤「アタック」、柔軟剤「ハミング」、食器用洗剤「キュキュット」の3ブランドが決定。花王を代表する各ブランドが、短編映画3作品それぞれとタイアップしている。

 

短編映画『世界は美しいと誰かが言った』

【画像】短編映画『世界は美しいと誰かが言った』場面カット

《ストーリー》

重い病を抱える史花(久保史緒里)は、2歳の娘を抱き抱えて、行く宛もなくタクシーに飛び乗る。辿り着いたのは木々が生い茂り、風がそよぎ、光が溢れる湖のほとりの集落。そこで、幼い娘を亡くした経験を持つ光世(中尾幸世)と出会う。史花と律は彼女が営む民宿に、一晩だけ泊まることに。その一晩を通して、史花・律・光世、3人の女性の人生が交差する。その先に待っているものとは―――――。

 
出演: 久保史緒里、中尾幸世、三浦貴大
 
監督・脚本: 中川龍太郎
制作: 株式会社青火舎
協賛: 花王株式会社 衣料用洗剤「アタック」
 
© TAXIATER
 

短編映画『まるくてしかく』

【画像】短編映画『まるくてしかく』場面カット

《ストーリー》

中学生の二藤(大沢一菜)と詩織(照井野々花)は、両親の離婚後、母・芽衣子(田畑智子)と離れて暮らす詩織のために、かつて芽衣子と埋めたタイムカプセルを探しに行く。

しかし、思い出の場所を掘っても、タイムカプセルは見つからない。二人は直接、芽衣子に会いに向かうが、その道中、小さなレストランで芽衣子が見知らぬ男性と再婚式を挙げている場面に遭遇してしまう―――――。

 
出演: 大沢一菜、照井野々花、田畑智子、松田弘子
 
監督・脚本: 小宮山菜子
プロデューサー: 山本晃久
制作: 株式会社キアロスクロ
協賛: 花王株式会社 柔軟剤「ハミング」
 
© TAXIATER
 

短編映画『Parallel Parking』

【画像】短編映画『Parallel Parking』場面カット

《ストーリー》

行き場の無い不安と息苦しさの中で生きる青年・悠生(林 裕太)。ある夜、いつも通りアルバイトを終えて帰路についた悠生は、気が付くと、家とは違う方向にハンドルを切っていた。

あてもなく車を走らせるうち、辿り着いたのはとあるパーキング。そこで、同じく車の中で夜を過ごしていた女性・みどり(岸本加世子)と出会う。

ひょんなことから言葉を交わすようになった二人。みどりと過ごした不思議なひと晩を経て、立ち止まるしかなかった悠生の気持ちはゆっくりと動き始める―――――。

 
出演: 林 裕太、岸本加世子
 
監督: 長島 翔
脚本: 向井康介
プロデューサー: 五箇公貴
制作: 株式会社maroyaka
協賛: 花王株式会社 食器用洗剤「キュキュット」
 
© TAXIATER
 
2026年8月3日(月)〜8月9日(日) タクシー先行上映!
 
2026年8月15日(土)〜8月29日(土) 
都内3館(池袋HUMAXシネマズ、ユーロライブ、下北沢トリウッド)にて劇場上映!
 
公式リンク集: https://linktr.ee/taxiater
公式X: @taxiater_movie
公式Instagram: @taxiater
 
 

この記事の著者

Cinema Art Online編集部

本記事を読んでくださりありがとうございます。

この著者の最新の記事

関連記事

カテゴリー

アーカイブ

YouTube Channel

【バナー画像】日本アカデミー賞
ページ上部へ戻る