第49回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀助演男優賞 レポート
【写真】第49回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀助演男優賞 (佐藤二朗、田中泯、松村北斗、横浜流星、渡辺謙)

第49回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀助演男優賞 

最優秀助演男優賞は初受賞の佐藤二朗🏆
スピーチでは「何つう器の小さい男だ」と自虐の過去を明かす

3月13日(金)、「第49回 日本アカデミー賞 授賞式」が、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」で開催。昨年『あんのこと』で第48回最優秀主演女優賞受賞した河合優実と、第43回~第48回授賞式に続き7回目となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が司会を務め、各部門の最優秀賞受賞者および最優秀作品などが発表された。

【写真】第49回 日本アカデミー賞 授賞式 司会 (羽鳥慎一、河合優実)

優秀助演男優賞を受賞したのは、佐藤二朗(『爆弾』)、田中泯(『国宝』)、松村北斗(『ファーストキス 1ST KISS』)、横浜流星(『国宝』)、渡辺謙(『国宝』)。受賞者は各自撮影時の思い出を披露した。

昨年に続く優秀助演男優賞受賞の佐藤二朗 
演じたスズキとは「びっくりするぐらい共通点が多い」

『爆弾』で爆弾犯を疑われるスズキタゴサク役を演じた佐藤二朗は、「本当にびっくりするぐらい共通点が多くて」と語り、自身と役柄の共通点として「冴えない風貌の中年親父」「小太り」「メタボ」「中日ドラゴンズファン」を挙げて会場の笑いを誘った。また、同作の舞台が野方警察署であることに触れて「僕が東京で初めて住んだ街が野方なんです」と明かし、「ちょっと運命的なものを感じました」と語った。

【写真】第49回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀助演男優賞 (佐藤二朗、田中泯、松村北斗、横浜流星、渡辺謙/司会:羽鳥慎一、河合優実)

取調べ室での緊迫したやり取りについては「すごかったですね」と振り返った。山田裕貴をはじめ、最初に取調べを行う染谷将太、渡部篤郎ら「いずれも超一線級の俳優」が自身の前に代わる代わる現れたことが「夢のように楽しかった」と笑顔。さらに「彼らの芝居を一番特等席で観られるし、セッションできる。本当に毎日家で晩酌しながら妻に『俺ちょっと今楽しいわ』とずっと言ってました」と役者としての醍醐味について熱弁した。

同作で主演を務めた山田は佐藤について、「目の前に立っているタゴサクってキャラクターが、本当に空間を支配していて、そこに存在している力がものすごかった。芝居と感じない領域というか、『生きてるんじゃないか、この人は』って(思った)」と絶賛。また、そんな手触りのある芝居ができる佐藤に対し、「二朗さんの心の奥底がものすごく興味深く、僕は見つめたいと思っていましたし、人間としても俳優としても恐ろしい存在」と思わされたと振り返った。

【画像】映画『爆弾』佐藤二郎

横浜流星は壮絶な稽古の日々を思い返し、
「歌舞伎役者として生きることは難易度が高い」

歌舞伎界の御曹司役を演じた横浜は、「歌舞伎役者として生きることの難易度が高く、身体になじませるしかないと思った」と思い返した。中村鴈治郎の指導の下、女形とは何かを追求したと述べ「僕がやったのは、踊りと曽根崎心中の芝居を覚えることでした」と語った。

デビュー作が親友役、かつ十数年ぶりの親友役で共演した吉沢亮についてきかれると「運命的なものを感じた。言葉を交わさずとも通わせられたのは非常に稀有な経験」とコメント。これに対し吉沢も「トータルで1年半の稽古期間。一つの役にそれだけの時間を使うのは苦しくなることもあったけれど、横で流星がつま先から髪の毛一本まで歌舞伎役者になろうとしている気概に刺激をもらった。流星が隣にいたからやれた」と互いの信頼を確認し合った。

【画像】映画『国宝』横浜流星

渡辺謙も「身を浸してやっていた」と歌舞伎の難しさを語る

渡辺謙は、そんな横浜流星と吉沢亮について「本当に死に物狂いでやってるのを近くでずっと観させてもらった。俳優が俳優を演じるってすごく難しいと思う。しかも歌舞伎っていう特殊な世界、とにかく身を浸してやってた感じですね」とコメント。横浜はこれに対し「本当にそうですね。もう本当に皆さんに感謝したいなと思っております」と謙虚に伝えた。

【画像】映画『国宝』渡辺謙

人間国宝役の田中泯は「連れて行かれると思った」

人間国宝の女形・小野川万菊役の田中泯は本作での体験について「巻き込まれました」と一言。「僕は、言ってみれば自分勝手な踊りをずっと踊り続けてきたので、まさか、まさかのまさか、伝統芸能の表現に引きずり込まれるとは、思ってもおりませんでした」と長年踊りを続けてきた自身にとっても、予想外の体験だったことを伝えた。

横浜流星、吉沢亮という若い世代との共演については「稽古をみたんですよ。やばい。間に合わないかもしれないと思いました」と語り、会場を沸かせた。田中の言葉を受けた横浜は「こちらがやばいですよ。泯さんの万菊の踊りを観た時に、本当に心が持っていかれるような」と述べ、「指先の動きも本当に素晴らしかったです」と絶賛した。

【画像】映画『国宝』田中泯

「40代ってどうなんですか」
松村北斗は松たか子への質問で“解き放たれた”

『ファーストキス 1ST KISS』で29歳と15年後の45歳という2つの年代を演じ分けた松村北斗。松たか子からアドバイスがあったかと問われると、「40代ってどうなんですか?って松村さんから聞かれた」と明かされた。松村は「聞きましたね」と認めつつ、「どんな回答だったか忘れちゃった」と苦笑まじりに呟いて会場の笑いを誘った。

松たか子から「変わんないよって言ったんです」と明かされ、松村は「道標としては、松さんに追いつく気持ちというか、時間だったりとか、っていう気持ちでいた分、松さんがそんなに変わらないよって言ってくれたことで解き放たれて、こう、わっと追いつけた部分もたくさんあって」と語った。

【画像】映画『ファーストキス 1ST KISS』松村北斗

プレゼンターは大沢たかお。大沢は、優秀助演男優賞受賞者たちに向けて、一人づつ激励。佐藤には「いつも見た目がインパクトがあるけど、それだけではない。実はその中に、役作りとか役に対する造詣みたいなものをいつも深く掘り下げた芝居を観させていただいて感嘆しております」。田中には「本当に身体と動きですべてを表現されてて、作品を何度も観させていただき身体表現の神髄など実は学ばせていただいています」。松村には「本当に普通の人間の演じるのは役者としても難しく、分かりやすい方へ行きやすいんですけども、それを丁寧に演じるその姿に本当に素晴らしい才能を感じさせていただきました」。横浜には「本当に素晴らしかった。本当にキャラクター以上に人間になっていて、痛みや、怒りやそういうものが前面に伝わって本当に素晴らしい」と絶賛。最後は渡辺に対し、「我々の先導者であり大先輩であり、舞台でもすべての事において背中を追わせていただいている。今回もこの指導者としてのあるべき姿を見せてく様子に、僕も謙さんと僕の関係を見るような感じがして、ちょっとビビりましたけども」と語った。

最優秀主演男優賞はの佐藤二朗 
渾身の“爆弾”で、自身初の最優秀賞を受賞 

最優秀主演男優賞は佐藤二朗。受賞スピーチでは「泣くなあ、これ!」との第一声で会場の笑いを誘うと、モニターには佐藤よりも号泣する山田の顔が映し出され、観客からは温かなまなざしが注がれた。続けて佐藤は「爆弾チームの皆さんに感謝。個人的なことを言うと、正直僕はここ最近日本映画をあんまり観てなくて、その理由はとっても恥ずかしいものです。僕が嫉妬を感じる、悔しいと思うからです」と率直に吐露した。

【写真】第49回 日本アカデミー賞 授賞式 最優秀助演男優賞 (佐藤二朗)

 

しかし昨年初めて日本アカデミー賞の席に出席し、綾野剛、安藤サクラ、石原さとみ、満島ひかり、山田孝之らが日本映画を応援している姿を見て「なんつう器の小さい男なんだ」と思ったといい、今日まで1年間、毎日日本映画を観たと明かした。 

【写真】第49回 日本アカデミー賞 授賞式 最優秀助演男優賞 (佐藤二朗)

 

さらに、(日本映画界は)「なんて戦う価値がある場所なんだろう」と心から思ったと述べ、最後に「日本映画に携わるすべてのみんな、日本映画を愛して観てくれるすべてのみんな、愛してるってわけではないけど、たまに日本映画観るぜって言うすべてのみんな、みんな愛してるぜ」と締めくくり、会場を感動と笑顔に包んだ。

[記者: 深海 ワタル / 写真提供: © 日本アカデミー賞]

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イベント情報

第49回 日本アカデミー賞 授賞式

■開催日: 2026年3月13日(金)
 
■会場: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」
 
■司会: 羽鳥慎一(アナウンサー)、河合優実(女優)

■副賞協力: TASAKI
 
■協賛: 大東建託、Dolby Japan
 
【画像】日本アカデミー賞 (JAPAN ACADEMY FILM PRIZE)
 

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Cinema Art Online編集部

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