映画『PLAN 75』第75回カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール スペシャル・メンション受賞!
【写真】第75回カンヌ国際映画祭 レッドカーペット 映画『PLAN 75』早川千絵監督、磯村勇斗、

映画『PLAN 75』

第75回 カンヌ国際映画祭 
カメラ・ドール スペシャル・メンション受賞🏆

倍賞千恵子から「これからもどんどん映画を作って!」と祝福の声

倍賞千恵子主演最新作となる映画『PLAN 75』が現地時間5月17日(火)から28日(土)に開催された第75回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品され、新人監督に与えられるカメラ・ドール スペシャルメンション(特別表彰)を受賞した。

長編映画デビュー作で第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品という快挙を成し遂げた早川千絵監督。映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』(2018年)の一篇『PLAN75』から新たに構築、キャストを一新し、超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自らの生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。

主人公・角谷ミチを演じるのは9年ぶりの単独主演作となる倍賞千恵子。<プラン75>に携わる側には磯村勇斗河合優実を配し、他にたかお鷹ステファニー・アリアン大方斐紗子串田和美らが顔を揃えている。

現地時間5月20日(金)14時に行われた公式上映には、磯村勇斗ステファニー・アリアン早川千絵監督の3名が登場し、上映後に5分以上にわたるスタンディングオベーションを受けた後、感激した観客がそばに駆け寄り、「素晴らしい映画だった」と監督をハグする姿も見られた。

【写真】第75回 カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 映画『PLAN 75』公式上映 (早川千絵監督)

現地メディアや映画評論家等からは「表面上は穏やかに見えるが、不必要と見なされた人々を見捨てる社会に対してしっかりとメッセージを伝え、観る者の心をざわつかせる」、「倍賞千恵子の演技は、間違いなく観る人の琴線に触れるだろう」、「繊細な脚本と、それを見事に体現したすばらしい演技で、日本映画として今年のカンヌ映画祭に立派な足跡を残した」、「強烈な余韻を残すが、何よりも物質主義的な現代において、いかに生死と向き合うべきか、疑問を投げかけてくる」と監督の手腕や役者たちの演技へ絶賛の声が多く寄せられた。

そして、現地時間5月28日(土)に、第75回カンヌ国際映画祭の授賞式が開催され、カメラ・ドール スペシャル・メンションの受賞者として名前を呼ばれた早川監督は緊張の面持ちで舞台に上がると、まず「メルシーボークー」とフランス語で挨拶をし、「誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。さらに、「『PLAN 75』という映画は今を生きる私たちに必要な映画であると言ってくれた方がいました。その言葉が心に深く響いています」と万感の表情で本作への反響を語った。

【写真】第75回 カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 映画『PLAN 75』公式上映 (早川千絵監督、ステファニー・アリアン)

日本で、受賞の一報を受けた倍賞千恵子からは「この作品で「生きるということ」を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。本当におめでとうございます」と祝福のコメントが届いた。

また、公式上映に参加した磯村勇斗は「受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです」と語り、<プラン75>に携わる瑶子を演じた河合優実は「ひとりひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています」とコメントを寄せた。

【写真】第75回カンヌ国際映画祭 レッドカーペット 映画『PLAN 75』早川千絵監督、磯村勇斗

 

日本人監督の作品が「ある視点」部門に出品されるのは、黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年)以来5年ぶり。日本人女性監督としては、河瀨直美監督の『あん』(2015年)以来2人目となる。

イベント情報

第75回カンヌ国際映画祭 「ある視点」部門
映画『PLAN 75』公式上映

■開催日: 2022年5月20日(土)※現地時間 
■会場: Théâtre Claude Debussy
■登壇者: 早川千絵監督、磯村勇斗、ステファニー・アリアン

【写真】第75回カンヌ国際映画祭 レッドカーペット 映画『PLAN 75』早川千絵監督、磯村勇斗、ステファニー・アリアン

第75回カンヌ国際映画祭 授賞式

■開催日: 2022年5月28日(土)※現地時間 
■会場: Palais des Festivals et des Congrès

映画『PLAN 75』予告篇🎞

映画作品情報

【画像】映画『PLAN 75』ポスタービジュアル

《ストーリー》

少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。

夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチは78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。

一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。

また、フィリピンから単身来日した介護職のマリアは幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは―。

 
出演: 倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
 
脚本・監督: 早川千絵
脚本協力: Jason Gray
エグゼクティブ・プロデューサー: 小西啓介、水野詠子、國實瑞惠、石垣裕之、Frédéric Corvez、Wilfredo C. Manalang
プロデューサー: 水野詠子、Jason Gray、Frédéric Corvez、Maéva Savinien
企画・制作: ローデッド・フィルムズ
製作: ハピネットファントム・スタジオ、ローデッド・フィルムズ、鈍牛俱楽部、WOWOW、Urban Factory、Fusee
配給・宣伝: ハピネットファントム・スタジオ
 
© 2022『PLAN 75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
 
2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @PLAN75movie
公式ハッシュタグ: #PLAN75
 

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