第31回 東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミアレポート
【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア レッドカーペットセレモニー

第31回 東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング
映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア

衝撃と感涙のヒューマンミステリーがここに誕生!!
究極の選択の先にあるものとは――。

小説「白夜行」、「容疑者Xの献身」、「新参者」など多くの話題作を世に送り出してきた東野圭吾が作家デビュー30周年を記念して執筆したミステリー小説「人魚の眠る家」。発表後その衝撃的な内容が話題を呼び、累計発行部数100万部を越えたベストセラー小説が、ついに実写映画化!監督は映画『トリック劇場版』(2002年)、『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年)、『イニシエーション・ラブ』(2015年)など数多くの話題作のメガホンをとった堤幸彦監督。そんな堤幸彦監督の元に集まったのは篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、松坂慶子、田中泯など、各世代を代表する実力派の俳優陣たち。観る者すべてに衝撃と感涙を与えるミステリー超大作がここに誕生した。

【画像】映画『人魚の眠る家』メインカット

10月29日(月)、第31回東京国際映画祭(TIFF)のGALAスクリーニング作品『人魚の眠る家』のレッドカーペットセレモニーと完成披露舞台挨拶が東京・六本木ヒルズで行われ、主演の篠原涼子、共演の西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中泯、そして堤幸彦監督が出席。観客との交流を楽しみながら、映画の見どころや撮影秘話を語った。

レッドカーペットセレモニー

予告編映像が大型LEDパネルで上映後、レッドカーペットが敷かれた六本木ヒルズアリーナに、篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、堤幸彦監督が一列に並んで姿を現すと、会場からは割れんばかりの歓声が沸き起こった。その歓声の大きさはMCが「一回静かにしていただいてもいいですか」とお願いするほどのものであり、作品の注目度の高さが伺えた。

主演を務めた篠原は「今回は東野圭吾さんのミステリー小説が原作ということで、すごく謎めいていて、ハラハラドキドキするような、最後まで緊張感漂う見ごたえのある作品になっています」とコメント、西島は「深い深い母の愛、凶器をも帯びる母の愛がテーマの素晴らしい感動作で、期待を超える素晴らしい作品なので、是非楽しみにしてください」と続けた。

 

ひときわ大きな歓声を受けた坂口はワールドプレミアを迎えられたことへの喜びをあらわにし、「僕はこの作品を観た時いろんな感情が自分の中に残ったので、皆さんにもいろんな感情で観ていただけたら嬉しいなと思います」と話し、川栄は「私自身この映画を観て本当に号泣してしまって、こんな素晴らしい作品に自分が混じって皆さんと一緒にお芝居できたことを光栄に思います」と作品の出来栄えに太鼓判を押した。

 

最初にこの役のオファーをもらった時に受けるかどうか躊躇していたという篠原は、出演を決めたきっかけとして夫である市村正親からの後押しがあったことを明かした。「『こんなに素晴らしい作品は読んだことがない、この作品をやらないのはすごく損だよ』と言われて、その一言で心が揺れ動かされて、やってみようと思いました。たった二時間の中でこんなに人物がいろんな感情になれる作品はないので、自分がこういうお仕事に携わらせていただくのにあたり、本当にいいチャンスだな、出会いだなと思って、(受けると決めてからは)ぜひやらせていただきたいですというような想いでやらせていただきました」と話した。

そんな篠原の迫真の演技が話題の衝撃のクライマックスシーンについて西島は「最初の段取りの段階で篠原さんが号泣していて、2日間くらいこのシーンの撮影があったので、これ続くのかなと思っていたんですけど、篠原さんをはじめみんな集中がすさまじくて。子役の子は二人くらいカットがかかっても戻れなくなっちゃって、みんなで抱いて慰めるくらい、異様にのめりこんだ現場になっていました」と壮絶な撮影の舞台裏を明かした。続く山口は「溜めに溜めこんだ感情の爆発を見て、ちょっと息ができなくなった瞬間があって。クラクラして、めまいすら起こしてしまうような感じで、その日の夜はぐったりして大変でした。今思い出しても目頭が熱くなります」と熱い現場の様子を語った。

 

最後に堤監督は「クライマックスシーンは本当に素晴らしくて、通常はモニターを見ながら冷静でいなければいけないのにもうダメでしたね。スタッフすらも突き動かすお芝居をしていただいたと思っております。いろいろな生きること、死ぬことにまつわるテーマ、メッセージが詰まっておりますので、ぜひ劇場でご覧いただきたいと思います」と締めくくり、大歓声の中レッドカーペットセレモニーが終了した。

完成披露舞台挨拶

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア 完成披露舞台挨拶

今回の東京国際映画祭からオープニング作品、クロージング作品と並ぶ特別招待作品として新たに設けられた「GALAスクリーニング作品」としてワールドプレミア上映される『人魚の眠る家』だが、その上映に先立ち、完成披露舞台挨拶がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、レッドカーペットを歩き終えた篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、堤幸彦監督に加え、ここからは西島秀俊演じる和昌の父親・田津朗を演じた田中泯も登壇した。

田中はMCに役名と共に紹介されると、「紹介されて、いま映画の中の私の名前をやっと思い出しました」とコメントし、会場を笑わせた。そのうえで本作について「この映画で描かれる、本質的にもっている人間の喜怒哀楽の渦というんでしょうか、その影響を受けて、役名を忘れてもわたし個人の中で答えのない質問が頭の中ぐるぐるかけめぐっています。みんなが考えて、なにか答えをみつけなくてはならないんだなということをこの映画は提案してくれているのではないでしょうか」と本作のテーマでもある答えのない問いにどのように向き合うのかについてコメントした。

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア 完成披露舞台挨拶 (田中泯)

共演は3度目、映画では初共演となる篠原と西島だが、本作では離婚寸前のすれ違う夫婦を演じていることについて聞かれると、作品を通して2人の共演する作品は必ず「篠原が西島を振り回す」という共通点があることが発覚!しかし、本作ではお互いが実際にプライベートで家族を持ってから、初めての夫婦役ということで「内容が重なるところがあるので、すごくお互いいろんな話をしたし、考えさせられることがありましたよね」と感慨深げに語り、西島は実際に母になった篠原の母親の演技について「実人生で積み重ねて来た演技の重みというか、深さを感じられました。特に今回の作品は家族、子供についての物語なので篠原さんの実人生ごと役に向かっていったのかなと思う」と絶賛した。

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア 完成披露舞台挨拶 (西島秀俊)

篠原を筆頭に、出演者が全員圧倒的な迫力の演技を披露している本作だが、演出についてどう言った点に苦労したか聞かれた堤監督は「作品のストーリーにおける出演者の感情を順番に形作ることが大切だと思ったので、今回はほぼ順撮りといって物語の始まりから順番に撮っていく方法をとりました」と撮影でのこだわりを述べ、「だからこそ丁寧に感情を表現することができたと思います」と本作への自信をのぞかせた。

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア 完成披露舞台挨拶 (篠原涼子)

シビアなシーンがあるものの、和気藹々とした雰囲気で進んだという本作の撮影現場。各登壇者、楽しかった思い出を聞かれると、坂口は「播磨家に研究の説明をしに行くために家の撮影をしていると生人くんと瑞穂ちゃんがカットがかかると遊んでいて、それを篠原さんと西島さんが一緒に実の子供と遊ぶようにダンスをしたりはしゃいだりしていていた」と撮影現場での和気あいあいとした雰囲気のエピソード、山口は「回想のシーンでこどもたちと一緒に庭で鬼ごっこをしたんですが、服がびちょびちょになるくらい汗をかいて遊びました」と子役とたくさん遊んだ思い出、川栄は坂口とのデートシーンでもんじゃを食べていたシーンを挙げ、「坂口さんはカットがかかってもずっともんじゃ焼きを食べてました(笑)」というエピソードを披露し、会場も和やかな空気となった。

 

最後に「たくさん作品を撮って来ましたが、自信もってみなさんにお届けできる作品となっています。ただ、この作品の答えはひとつではありません。ご覧になった方によって作品の印象が変わってくるかと思いますが、ぜひそれぞれの立場でみていただきたいと思います」と堤監督が挨拶をすると、主演の篠原が「堤監督もおっしゃっていたようにほんとに答えがない作品かもしれません。この作品に携わらせていただいて約2時間の作品の中で人それぞれの心揺さぶらされるような感情が描かれている作品だなと思いました。また、東野圭吾さんのスパイスも入っていてハラハラドキドキしていてクライマックスがどうなるかわからないというそんな作品になっています。本当に最後まで、思いっきり泣いていただきたいと思います!!!」と力強く締めくくり、舞台挨拶は幕を閉じた。

[スチール撮影: 金尾 真里 / 記者: 小森 萌菜、井上 綾乃]
[ムービー撮影・編集: Cinema Art Online UK / インタビュー: 梅田 奈央]
[メインスチール写真: オフィシャル提供(©2018 TIFF)]
 

イベント情報

第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング
<映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア>

■開催日: 2018年10月29 日(月)

【レッドカーペットセレモニー】
■会場: 六本木ヒルズアリーナ
■登壇者: 篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、堤幸彦監督

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア レッドカーペットセレモニー

【GALAスクリーニング 舞台挨拶】
■会場: TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7
■登壇者: 篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中泯、堤幸彦監督
■MC: 笠井信輔

【写真】第31回東京国際映画祭(TIFF) GALAスクリーニング作品 映画『人魚の眠る家』ワールドプレミア 完成披露舞台挨拶

映画『人魚の眠る家』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『人魚の眠る家』ポスタービジュアル

《ストーリー》

二人の子を持つ播磨薫子(はりま・かおるこ:篠原涼子)とIT機器メーカーを経営する夫・和昌(かずまさ:西島秀俊)。娘の小学校受験が終わったら、離婚すると約束した夫婦のもとに、突然の悲報が届く。娘の瑞穂(みずほ)がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。回復の見込みがないわが子を生かし続けるか、死を受け入れるか。究極の選択を迫られた夫婦は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始する。治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていく。それは果たして愛なのか、それともただの欲望なのか。過酷な運命を背負うことになった彼らの先には、衝撃の結末が待ち受けていた――。

 
タイトル: 人魚の眠る家(The House Where the Mermaid Sleeps)
 
原作: 東野圭吾「人魚の眠る家」(幻冬舎文庫)
監督: 堤幸彦
脚本: 篠﨑絵里子
音楽: アレクシス・フレンチ  
主題歌: 絢香「あいことば」(A stAtion)
出演: 篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中哲司、田中泯、松坂慶子
配給: 松竹
© 2018「人魚の眠る家」 製作委員会
 
2018年11月9日(金) 全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @ningyo_movie
公式Facebook: @ningyo.movie

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