
髙石あかり×伊澤彩織 インタビュー
本格ファイトシーンから二人の人間性まで見どころいっぱい。
二人の今後の活躍にも期待が膨らむ。
社会不適合者な“元女子高生”殺し屋コンビが社会に馴染もうと頑張る異色の青春映画『ベイビーわるきゅーれ』が7月30日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開されている。
女性とて侮れない、本格的なアクションシーンと、今の時代ならではの、若い世代の考え方や価値観が散りばめられた物語の、新しい映画が誕生した!
主演は、舞台「鬼滅の刃」の竈門禰豆子役で注目を集める髙石あかりと、女性スタントアクションの異端児・伊澤彩織。殺し屋としてのアクションシーンが見所なのはもちろんのこと、社会不適合者としての私生活部分では、オフビートのコメディセンスも発揮。さらには、映画オリジナルの挿入歌「らぐなろっく~ベイビーわるきゅーれ~ feat. Daichi」でも二人は等身大の歌声を披露している。
そんな二人に、映画初主演となる本作への出演について話を聞いた。
元女子高生殺し屋コンビは『ある用務員』がルーツ!?
本作で元女子高生殺し屋コンビの杉本ちさと(髙石)と深川まひろ(伊澤)を演じた二人は、今年1月に公開された阪元裕吾監督の映画『ある用務員』でも2人組みの女子高生殺し屋役で出演している。
―― お二人は阪元監督の前作でもリカ(髙石)とシホ(伊澤)という名前の女子高生殺し屋コンビで登場しますが、どういった経緯で本作につながっているのでしょうか?
伊澤:『ある用務員』を撮った2カ月後くらいにラッシュを観た関係者の間でリカとシホの人気がすごかったらしくて、「“大”好評です!」って阪元監督から連絡が来たんですよ。「好評すぎてスピンオフの話が持ち上がってます」って言われました。
「やりましょう!」と連絡を返してその次の月くらいには正式にオファーが来ました。
―― 最終的にはスピンオフではなく別の世界の映画になりましたが、リカ&シホとちさと&まひろで何か演じ分けたところはありますか?
髙石: 似てはいるんですけど、別人だなと捉えていて。リカはテンションの高いアニメキャラのようなはっちゃける感じだったんですけど、今回のちさとちゃんは達観してる部分もあるので、テンションのハイとローの使い分けをハッキリして、人間味も出さないといけないなと思って演じました。
伊澤: シホは寡黙で、物事に興味がないクールな女の子なんです。今回の映画は仕事の腕は一流でも、私生活はだめだめなので、それを伝えていくためには『ある用務員』のキャラじゃダメだなと思って、私も違う人物として演じました。名前も違います。
髙石: 真っ黒っていうイメージです。フードを被って、“闇”っていうか、怖いです(笑)。そういうイメージだったので「明るい殺し屋映画」というのは“???”でした(笑)。
伊澤: よくある映画での殺し屋というのは、すごく暗い過去があったり、殺す相手も因縁のある人たちだったりっていうのがあると思うんですけど、『ベイビーわるきゅーれ』はなんの関係も無いのに戦ったりしてますから!初対面の人と「一戦頼むぜ」って感じで戦い始める。シリアスな暗いシーンも全然無いですし。結構弾け飛んでいる映画です!
髙石: フレッシュです!(笑)
―― ちなみに殺し屋は実際にいると思いますか?
伊澤: いるんじゃないですか。
髙石: 私もいるのかなと思います(笑)。
伊澤: きっと(本インタビューの取材場所の)表参道とかにもいますよ(笑)。
―― 国内外に殺し屋を主人公とした数々の映画作品がありますが、殺し屋を演じるにあたって参考にした作品などはありますか?
伊澤: 阪元監督がいくつか参考作品を送ってくれたので、韓国映画の『The Witch/魔女』(2018年)を観ました。元々ファンだった漫画の「デストロ246」も読み直しました。
髙石: 私は劇中でバイト先で瞬殺し、何とも言えない感情になって呆然とするシーンがあります。そのシーンの撮影前に阪元監督から『ランボー 最後の戦場』(2006年)の最後のシーンの表情だけを切り取った動画を見せて頂いて「これをやりたい」と。(ランボーが)何とも言えない表情をしていて…。「これすごいなぁ…..できるかなぁ……?」と不安になりましたが、何とか演じることができたのかなと。
二人は仲良し♡
ちさと&まひろのバディシーンに注目!!
―― 今回の撮影はいかがでしたか?
髙石: ちさとちゃんが私の素と似ていたので、撮影中も素の状態でいられました。
伊澤: 私もそんな感じでした。役との共通点も多かったので、演じやすかったです。
髙石: 私は『ある用務員』の時に伊澤さんとのやり取りがとても心地よかったので、またご一緒できるというのが一番嬉しかったです。違和感なくやれたのは伊澤さんのおかげです。
伊澤: なんていい人なの(涙)。
私、セリフを憶えるのがすごく苦手で、2行あったら憶えられなかったのですが、今回台本5~6ページに渡る二人だけの会話のシーンがあって。それを長回しで撮るって言われて頑張って憶えたんですけど、演じてる時は本当にあかりちゃんと一緒に住んでいて日常会話をしてるような感じで心地よくできました。おでんを食べながら会話するシーンは、ひたすら長回しでずっと二人の掛け合いだったので、OKをもらえた時は本当に嬉しかったです。
―― 実際のお二人は仲良しなんですか?
髙石: ちさととまひろってくっつかず離れずみたいな。イチャイチャしないというか、お互いには触れないけど離れない関係性は似ているなと思います。
伊澤さんは優しいんですよ。360度目があるというか。すっと手を差し伸べてくださるような方です。
伊澤: 常に一緒ってわけじゃないもんね。少し距離をとることでお互いを尊重し合ってるんだなっていうのは感じました。
あかりちゃんは天真爛漫で、誰に対しても朗らかに接してくれる天使みたいな方です。あかりちゃんがいると現場がワントーン明るくなりました。
―― 本作はアクションシーンも醍醐味ですが、アクションシーンの撮影はいかがでしたか?また、特に注目してほしいというシーンがありましたら教えてください。
髙石: アクションってかっこいいイメージがあったので、「オラァ!」とか言われたり体育会系のノリなのかなと思っていたら、アクション監督の園村(健介)さんが優しくてびっくりしました。
私が教えてほしいと言えば教えてくださるんですけど、形が違くても「それでもいいんだよ」って言ってくださるので、安心して挑戦できました。
伊澤: 何も知らないところからはじまったけれど、本番はちゃんと殺し屋の構え方になったよね。注目してほしいアクションシーンはラストファイトですかね。それから、お互いの背中を預け合うファイト中のバディ感にも注目して観てほしいですね。
二人が歌う挿入歌にも注目♪
―― お二人は本作の挿入歌「らぐなろっく ~ベイビーわるきゅーれ~ feat. Daichi」も歌われていますが、収録や練習はいかがでしたか?
伊澤: 高校生以来カラオケも行っていなかったので、歌のお話が来てすぐに検索してボイトレの予約を入れました!リハーサルも本番も本当に緊張しました。私はフレーズ毎に区切って歌わせて頂きましたが、あかりちゃんは最初から最後まで通しで録っていて。そういう録り方ができるのは年に3回くらいしかいないという逸材だと音楽プロデューサーもびっくりしていました!
髙石: すごく心配でした。綺麗に歌おうというよりかは、巻舌を使ったり、叫んでみたりと、ちさとっぽく楽しく荒らさも出しながら歌いました。
それぞれのこれからについて
―― 今回お二人は女優として映画初主演を果たしましたが、これからの活動について意気込みなどお聞かせください。
髙石: 私は舞台への出演が多かったのですが、これからどんどん像作品にも挑戦していきたいです。
伊澤: 私は本業がスタントパフォーマーを続けながら、これからも時々表舞台に出たいと考えています。逆にアクションが全く無い役にも挑戦してみたいです。
―― 最後に、これから映画をご覧になる皆さまへメッセージをお願いします。
髙石: この作品は二面性を多く出しているなと思っていて。この二人の凸凹だったり、表と裏の顔や、高校生から大人へという子供と大人の対比。そういった部分に面白さやゾッとする部分があるアトラクションのような作品です。殺し屋が主人公の映画と聞くと、観る前は怖い作品かなと感じる方も多いと思いますが、観た後はイメージがガラッと変わると思いますので、気軽に観ていただきたいです。
伊澤: 日常生活とファイトのギャップを楽しみながら、両極端な性格の二人のなかに共感できる部分を見つけてほしいです。
劇場で販売しているパンフレットには、豪華なことに特典のドラマCDがついています!映画は皆さんに観てもらうことではじめて完成するので、『ベイビーわるきゅーれ』の世界を是非劇場まで観にきてください!
[ヘアメイク: 西田 美香 (atelier ism) ]
お二人から読者の皆様へメッセージ🎥
プロフィール
髙石 あかり (Akari Takaishi)2016年にダンス&ボーカルグループ「a-X’s(アクロス)」のメンバーとしてデビュー。卒業後、女優活動を本格化。2020年舞台「鬼滅の刃」で竈門禰豆子役に抜擢され話題を集める。2021年1月には映画『ある用務員』(阪元裕吾監督)が公開され、『とおいらいめい』(大橋隆行監督)など公開作も控える。AbemaTVで放送中の「箱庭のレミング-私刑倶楽部-」にも出演。2021年夏には再び舞台「鬼滅の刃 其の弐 絆」の竈門禰豆子役として出演予定。本作で映画初主演。 |
伊澤 彩織 (Saori Izawa)
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フォトギャラリー📸
CAO読者プレゼント🎁
髙石あかり×伊澤彩織 直筆サイン入りチェキを2名様にプレゼント!
映画『ベイビーわるきゅーれ』の公開を記念して、シネマアートオンラインの読者の皆様に髙石あかりさんと伊澤彩織さんからプレゼントをいただきました❣
★応募方法など詳細は読者プレゼント応募ページで♪
映画作品情報
《ストーリー》女子高生殺し屋2人組のちさととまひろは、高校卒業を前に途方に暮れていた・・・。 明日から“オモテの顔”としての“社会人”をしなければならない。組織に委託された人殺し以外、 何もしてこなかった彼女たち。 突然社会に適合しなければならなくなり、公共料金の支払い、年金、税金、バイトなど社会の公的業務や人間関係や理不尽に日々を揉まれていく。さらに2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪に。 そんな中でも殺し屋の仕事は忙しく、さらにはヤクザから恨みを買って面倒なことに巻き込まれちゃってさあ大変。そんな日々を送る2人が、「ああ大人になるって、こういうことなのかなあ」とか思ったり、思わなかったりする、成長したり、成長しなかったりする物語である。 |
テアトル新宿ほか全国順次公開中!