映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶レポート

【写真】映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶 フォトセッション

映画「海辺の生と死」

公開初日舞台挨拶レポート

満島ひかり4年ぶりの単独主演、
主人公“トエ”の演技に共演者も太鼓判!

満島に歌唱指導した奄美島唄の第一人者、朝崎郁恵がスペシャルゲストとして登場!唯一無二の歌声を披露!!

『夏の終り』(2013年)以来、4年ぶりの満島ひかり単独主演となる映画『海辺の生と死』が 7月29日(土)に公開初日を迎えた。

東京・テアトル新宿で実施された初日舞台挨拶には、島尾ミホがモデルのヒロイン・大平トエを演じた主演の満島ひかり他、トエの恋人で島尾敏雄をモデルとした朔(さく)中尉を演じた永山絢斗。島で慈父(うんじゅ)と慕われるトエの父親役を演じた大ベテラン津嘉山正種。朔中尉の部下、大坪役に2017年『帝一の國』、『あゝ、荒野』と出演作の公開が控える期待の俳優 井之脇海。自分より若い上官に鬱屈した表情を見せる兵士に川瀬陽太。『アレノ』で監督デビューし、本作が長編2作目となる越川道夫監督が登壇。さらに、劇中で満島が披露している奄美の島唄の歌唱指導をした奄美島唄の第一人者、朝崎郁恵がスペシャルゲストとして登場。登壇者と観客を前にアカペラでその美麗で神秘的な島唄を披露した。

映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶

イベントレポート

白い着物姿で登壇した満島は4年ぶりの単独主演作である本作の公開に「公開初日というのは映画と離れる日だと思っているので、悲しさと嬉しさと両方が相まっておりますが、今日は最後まで楽しんでいただければと思います。」と挨拶。

【写真】映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶 満島ひかり

 

今回公開に先駆けてロケ地である奄美・加計呂麻島で先行上映があり、その際行われた舞台挨拶で島を訪れた時のことについて満島は「ここに立っている5人以外はみんな島の人たちが出演してくれた映画なんですけれど、撮影時に小学生だった子供たちがもう少し大きくなっていて、“映画の撮影はどうでしたか?”と聞くと“映画の撮影はもう勘弁です。眠れないから。”という子や“僕は案外俳優としてやっていけるんじゃないかと思った”という子がいてすごくかわいかったです。」と子供たちの声真似をしながら話し、また「上映を観た地元の方から“歌や映像は言葉を超えますね”と言われたことが嬉しかったです。」と、本作の原作の読者からの声を嬉しそうに語った。

満島の演じた“トエ”について聞かれると、「ピュアな愛を貫いた人だと思っていて、それは誰かへの愛というだけでなく人類愛も含めて愛に生きた人。(気性が)激しく見えるところも、心の中にやさしさがあってのことだったり、ということが映るといいなと思って演じていました。」と話し、さらに本作の舞台である奄美大島については「奄美大島はあまりポピュラーな島ではないのでどんなに宣伝しても沖縄のように流行らないらしいんですよ。でもある意味ヨーロッパのような、ふわっとした風の流れている時間や、空も曇りがちだったり、瞳も群青色だったりと、かわいいところがいっぱいある島で、なんだか女性性を感じる島だと思っていたので、そんなところを自分がスクリーンになって映し出せたらなと思って演じていました。」と丁寧に話した。

【写真】映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶 満島ひかり

奄美大島を自身のルーツに持つ満島の”トエ“の演技はほかの共演者からも評価が高く、トエと朔中尉とを繋ぐ大坪という青年を演じた井之脇は「僕が現場に入った時にはもう島の子供たちは満島ひかりさんというよりは”トエ先生“のことが大好き、という状態で演技に入れたのでとてもやりやすかったです。」と満島の”トエ先生“としての島の子供たちとの関係の築き方について語った。

トエの父を演じた津嘉山は「この人は演じるために生まれてきた人だということを、満島さんに感じました。この人のオーラというか、目の力は潜在的に持っているものなんだと思います。これからさらに大きく花開く女優さんだと思います。」と太鼓判を押した。

原作をずっと大切に思い、ようやく映画化に動いたという越川監督はトエをどのように捉え、この映画をどのように始めようと考えていたかという質問に対し「“トエさん”の映画であるいうことは島の生活の映画ということであり、決して日本軍の映画ではないのですが、(この島の出身ではない)自分がどこまでその場所を裏切らないで撮れるのか、ということが自分の中で一番大きかったです。みんなの力を借りながら、島自体と話をすることによって形にしようとしていったのが始まりです。」と語った。

そしてその“島の生活”に息づいており、本作中でも満島が歌っている“奄美島唄”の歌唱指導をした唄者の朝崎郁恵が客席から登壇し、満島に花束を手渡した。三味線の伴奏が付く以前は風の音や波の音で唄われていたという奄美島唄。朝崎は作中にも歌われる『八月おどりのうた』を波の音を伴奏に歌い上げた。

【写真】朝崎郁恵

最後に満島は「ものすごく小さな島の小さな世界の話で、かつての島の美しさや恐ろしさ、海や樹の精や神様との繋がりが今よりもあった時代のお話です。今の時代にそれが映るのかな、という思いと、奄美大島で撮るならそれが映らなきゃ意味がない、という気持ちで映画を作っていました。みなさんの中の大切なところに触れるような場面がひとつでもあるといいなと思っています。本日はありがとうございました。」と挨拶し、イベントは締めくくられた。

[撮影/記者: Sayaka Hori]

イベント情報

<映画『海辺の生と死』公開初日舞台挨拶>

日時: 2017年7月29日(土)
場所: テアトル新宿
登壇者: 満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、川瀬陽太、津嘉山正種、越川道夫監督、朝崎郁恵

映画「海辺の生と死」公開初日舞台挨拶

映画作品情報

満島ひかり×永山絢斗共演/戦後文学史に残る伝説的夫婦の出会いの物語

映画「海辺の生と死

《ストーリー》

昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった・・・

 
出演: 満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、川瀬陽太、津嘉山正種
 
脚本/監督: 越川道夫
原作: 島尾ミホ「海辺の生と死」(第15回田村俊子賞受賞・中公文庫刊)島尾敏雄「島の果て」ほかより
脚本監修: 梯 久美子
参考文献:『狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社刊)
歌唱指導: 朝崎郁恵
企画/製作: 畠中鈴子 製作: 株式会社ユマニテ 制作:スローラーナー
配給: フルモテルモ、スターサンズ 
2017年 / 日本 / 155分 / DCP / 5.1ch / 16:9 / カラー 
© 2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ
 
2017年7月29日(土)より
テアトル新宿ほか全国順次公開! 
 

映画公式サイト
公式Twitter: @umibenoseitoshi
公式Facebook: www.facebook.com/umibenoseitoshi
公式Instagram: www.instagram.com/umibenoseitoshi/

この記事の著者

Sayaka Hori

Sayaka Horiフォトグラファー/ライター

★好きな映画
『パリ、テキサス』 (Paris,Texas) [監督: ヴィム・ヴェンダース 製作: 1984年]
『マルホランド・ドライブ』 (Mulholland Drive) [監督: デヴィッド・リンチ 製作: 2001年]
『狂い咲きサンダーロード』 [監督: 石井 聰亙 製作: 1980年]

Sayaka SAPP Hori
http://horisayaka3.wixsite.com/mysite

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