映画『少女邂逅』保紫萌香×モトーラ世理奈 W主演インタビュー
【写真】映画『少女邂逅』W主演・保紫萌香×モトーラ世理奈 インタビュー

映画『少女邂逅』

保紫萌香×モトーラ世理奈 W主演インタビュー

初主演で不安な2人に枝優花監督が送った言葉とは?

24歳の新鋭・枝優花監督がいじめによって声が出なくなってしまった14歳の頃の経験を軸に、蚕のように容姿も中身も変容する少女たちの残酷で美しい青春映画として完成させた映画『少女邂逅』が、新宿武蔵野館、イオンシネマ高崎ほかで全国順次公開中である。

【画像】映画『少女邂逅』メインカット

W主演には、ミス iD2016グランプリにして注目若手女優の保紫萌香。そして、ファッション誌「装苑」専属モデルをはじめ、モデルとして活躍するモトーラ世理奈。200人以上の応募者から選ばれ、ともに映画初主演を務めた2人に本作への出演について話を聞いた。

―― 役作りではどのようにアプローチをかけたのですか?

保紫萌香(以下 保紫): 初めて台本を読んだ時に、枝さんは凄いものを作ったぞと思い感動していました。役作りに関しては、私もそんなに経験があるわけでは無いので何をやったらいいのか分からなくて。でも、紬と違い、台本にはミユリの表情や仕草が事細かに書いてあったので、それを自然と落とし込んでいけるような感情の流れを作れるように、台本をひたすら最初から最後まで通して読んでいました。

これはミユリのキャラクターとも関係あると思うんですけど、枝さんから「自分で考えてやってほしい」と言われたので、年表みたいなものは私は貰いませんでした。なので世理奈が紙を持ってる時に「なんだあれは!?」ってビックリしちゃって笑 なので私自身は結構不安な気持ちもありつつ演じていました。演技がイメージと違う場合は枝監督が教えて下さるので、そこは安心してやっていました。

【写真】映画『少女邂逅』保紫萌香 インタビュー

モトーラ世理奈(以下 モトーラ): 最初オーディションの時は緊張して、頭が真っ白で、上手く出来なくて半泣きで帰ったんです。絶対落ちたなと思っていたら、マネージャーから「受かったよ」と報告を受けて。嬉しいというよりも単純に信じられなくて、「え、なんで!?」みたいな。でも徐々に実感が湧いてきて、ちゃんとやらないと!と思いました。

役作りは、台本にはあまり紬については詳しく書かれていなかったのもあり、何となくしか紬を掴めていなかったのですが、枝監督と相談してみて、自分と正反対だと思っていた紬が繊細で、自分に近い存在なんだという事に気付かせて貰えて。それで自然と紬になれたと思っています。あと、枝監督が紬の年表を作って下さったので、クランクインしてからも紬を見失いそうになった時にそれを読んで、お守りにしていました。

【写真】映画『少女邂逅』モトーラ世理奈 インタビュー

―― 枝監督からいただいたアドバイスの中で印象的なものはありましたか?

保紫: 残念ながらカットされちゃった場面なんですけど、ミユリと紬が言い合いするシーンが結構長めの尺であって。そこでのミユリの感情の割合というか、嫉妬や怒り、悔しさのバランスが微妙に違うということで微調整して何回も何回も撮ったのを覚えています。枝さんは凄い絵がちゃんと浮かんでいらっしゃるんだなぁと申し訳ない気持ちで何回もやっていました。

モトーラ: 私はクランクインする1週間くらい前にリハーサルがあって、そこで枝監督と相談する時間があったんですけど、その時に「嘘はつかなくていいから」って枝監督が言ってくれて。その言葉が自分の中でスっと入ってきて。緊張や不安が溶けたなって感じました。「泣きたくなかったら泣かなくていいし、別にそのままでいいから」という言葉も凄く助けになりました。

【画像】映画『少女邂逅』場面カット

―― 撮影中は1つのお家にみんなで住んでいたそうですが、何かエピソードはありますか?

保紫: 私と世理奈は同じ部屋だったので、そこで一緒に過ごした時間は楽しかったです。私が変な寝相で寝てた時に世理奈が写真を撮って笑ってたのが面白かったです。知らない一面をずっと一緒にいる事で知れて、どんどん距離が縮まっていくのも感じられて幸せでした。みんな本当に優しくて、出番が無い女の子たちが朝の早い私たちのためにおにぎりを握ってくれて、支え合いって感じがしました。

モトーラ: 家を長い間出るのが初めてだったのと、あまり集団行動が得意では無いので最初は不安でしたが皆さん凄く優しいし面白いのですぐに仲良くなれました。その中で保紫さんとの距離もどんどん近くなって、「ご飯食べた?」とか「先にお風呂入ってきていいよ」って言ってくれてお姉ちゃんみたいで嬉しかったです。

【写真】映画『少女邂逅』W主演・保紫萌香×モトーラ世理奈 インタビュー

―― 最後にこれから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願い致します。

保紫: 私は今はあまり無いような作風ではあるなと感じて、きっと人の心に何か必ずもたらすものだと思うので色々な人に観てもらいたいなと思います。

モトーラ: 私自身凄い内容も空気感も凄く好きで、特別な作品になったので是非たくさんの方に観ていただいて『少女邂逅』が少しでもその人の1部に居られたらなと思います。

【写真】映画『少女邂逅』W主演・保紫萌香×モトーラ世理奈

[インタビュー: 梅田 奈央 / スチール撮影: Cinema Art Online UK]

プロフィール

保紫萌香 (Moeka Hoshi)

1995年8月23日生まれ。千葉県出身。
講談社主催の「新しい時代にふさわしいまだ見たことのない女の子」を探すオーディション「ミスiD2016」にてグランプリを受賞。約4000人の応募者の中から頂点に立つ。選考委員の歌手・大森靖子は「透明なのに絶対的な存在感というか何かの真ん中にいてほしいというか、入ってきた時から本物だって思った」と称した。
映画出演作品に『THE END OF ANTHEM(ジ・エンド・オブ・アンセム)』(2017年/東佳苗監督)、短編映画『Girls of Cinema』(2018年/山戸結希監督)がある。

【写真】保紫萌香

モトーラ世理奈 (Serina Motola) 

1998年10月9日生まれ。東京都出身。
15歳でデビュー。2017年5月号より雑誌「装苑」のモデルに抜擢。RADWINPSのジャケットの表紙で注目され、独特の表情や雰囲気を武器に多くのメディアで活躍中。
本作が映画初出演にして初主演作である。

【写真】モトーラ世理奈

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映画『少女邂逅』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『少女邂逅』ポスタービジュアル

《ストーリー》

いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ(保紫萌香)。ミユリの唯一の友達は、山の中で拾い「紬」と名付けた蚕」窮屈で息が詰まるような現実から、いつか誰かがやってきて救い出してくれる──といつも願っていたミユリだったが、いじめっ子の清水に蚕を捨てられてしまう。そんなある日、絶望したミユリの学校に「富田紬」という少女(モトーラ世理奈)が転校してくる──。

 
MOOSIC LAB 2017 観客賞受賞
第42回香港国際映画祭 I See It My Way部門 正式出品
第21回上海国際映画祭 パノラマ部門 正式出品
 
監督・脚本・編集: 枝優花
劇中歌・主題歌: 水本夏絵
 
出演: 保紫萌香、モトーラ世理奈
土山茜、秋葉美希、近藤笑菜、斎木ひかる、里内伽奈、根矢涼香、すぎやまたくや、松澤匠、松浦祐也
 
撮影: 平見優子
照明: 佐久間周平
録音: 小川賢人
ラインプロデューサー:鄭銓聖
アシスタントプロデューサー: 小峰克彦
スタイリング: 松田稜平
ヘアメイク: 七絵
特殊造形: 土肥良成
整音: mauve
音楽: 大石峰生
美術: すぎやまたくや
映像投影: 阪実莉
スチール: 秋山大峰
企画: 直井卓俊
アソシエイトプロデューサー: 前信介
製作: 「少女邂逅」フィルムパートナーズ
配給・宣伝: SPOTTED PRODUCTIONS
2017年 / カラー / ステレオ / シネマスコープ / 101分
©2017「少女邂逅」フィルムパートナーズ
 
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中!
(劇場情報: http://kaikogirl.com/theater.html)
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @kaiko_girl

この記事の著者

梅田 奈央シネマレポーター/ライター

様々な人々の想いによって創られる映画。限られた時間の中に綿密に練られた構想。伝えたいメッセージ。無限大の可能性と創り手の熱量に魅了され、作品やそこに込められた想いをたくさんの人に知って貰いたいと活動を開始。インタビューや舞台挨拶などのイベントに至るまで、様々な角度から作品の魅力を発信している。

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