第47回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀監督賞 レポート
【写真】第47回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀監督賞 (役所広司)

第47回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀監督賞

最優秀監督賞はヴィム・ヴェンダース監督が受賞🏆
主演の役所広司があふれる笑顔で祝辞

3月8日(金)、「第47回 日本アカデミー賞 授賞式」が、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」で開催。昨年『ケイコ 目を澄ませて』で第46回最優秀主演女優賞受賞した岸井ゆきのと、第43回~第46回授賞式に続き5回目となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が司会を務め、各部門の最優秀賞受賞者および最優秀作品などが発表された。

【写真】第47回 日本アカデミー賞 授賞式 司会者 (羽鳥慎一、岸井ゆきの)

最優秀監督賞は『PERFECT DAYS』のヴィム・ヴェンダース監督
役所「日本という国が大好きな監督に、この素晴らしい賞を」

優秀監督賞を受賞したのは、ヴィム・ヴェンダース(『PERFECT DAYS』)、是枝裕和(『怪物』)、成田洋一(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、森 達也(『福田村事件』)、山崎 貴(『ゴジラ-1.0』)。受賞者は各自撮影時の思い出を披露した。

トップバッターのヴェンダース監督は欠席のため、ビデオでメッセージ。「素晴らしい監督たちと一緒に、今回、初めての外国人監督受賞したと聞き、さらに光栄です。この賞を私が愛してやまない偉大な監督、小津安二郎に捧げたい」と、敬愛する監督の名前を上げて喜びを告げた。

続く是枝監督は、「学生の頃から憧れていたヴィム監督の後に話しているのが不思議ですが…」と、同監督のメッセージに答えるように呟き、「本当にチームワークの良い組でした。坂元裕二さんの素晴らしい脚本を基に、主演の子たち2人を周り大人たちが固めて盛り上げて、本当に良い撮影だったと思います。スタッフ、キャストの皆さんに感謝申し上げます」と共に作品を作り上げた仲間たちのチームワークをあらためて讃えた。

成田監督は、自身2作目の監督作品での受賞に「みなさんと同じ場所にいていいのかという気持ちです。高校生の時から映画監督なりたいと思っていましたが、まさかこんな素敵な場所に立てるとは。今回はナイーブなテーマを扱うので、自分にできるかなと迷いましたが、(原作者)汐見先生の戦争に対する怒りを、若い人たちにリアルに伝えたい想いで頑張ってきました」と謙遜しつつも率直な想いを語った。さらに「『監督賞』といいますが、実感はありません。皆さんを代表して優秀賞をいただいた気持ちです。3本目の作品をまた撮れるかは分からないですが、本日、CMでご一緒した方もたくさんいらっしゃるので、映画でもっと仕事ができたらうれしいです」と次回作に向けて控えめながら意欲を見せた。

森監督は、冒頭から「数週間前にプロデューサーから受賞を聞いて『辞退してくれ』と言いました。僕はこの作品の監督に値しないと思ったのですが、説得されました」と驚きの告白。その理由を「劇映画はドキュメンタリーとは全く違い、撮影にたくさんの人が関わります。スタッフやキャストはもちろん、オーディションに応募してくれた方や手弁当でエキストラに参加してくださった方々、何より最初にクラウドファンディングで後押しをしてくれたくさんの人たち。そのみんなの仕事の集大成でこの賞をもらいました。僕は今日みんなの代表としてここに立っています。3年前は本当にこの映画が実現できるのか、2年前は本当に完成するのか、1年前は本当に今回できるのか、思い悩んでいました。でも僕は今ここにいます。関わってくれた人たちに本当に感謝します」と真摯な言葉で噛み締めるように感謝を述べた。

山崎監督は、レッドカーペットでも手にしていたゴジラのフィギュアを持って登場。「“ゴジラをつくる”というのが夢の一つでした。それが自分のところにやってきたとき、いかにゴジラという大スターに失礼にならないようにするか、本当に考えてつくりました。公開してみたら、想像をはるかに超えたスーパースター。本当にゴジラのおかげていろんな扉が開いた思っています。スタッフもキャストも、僕以上に真剣に作品に対峙してくれ、はるかに意識を高くもちこの作品をつくってくれたことを感じています。あのゴジラをこの歳で撮れて幸せです」と偉大な“主演”にあらためてラブコールを送った。

最優秀監督賞を獲得したのは、ヴィム・ヴェンダース監督。欠席の同監督に代わり、主演の役所広司が壇上でブロンズを受け取った。役所は、「ヴィム監督は、日本という国が好きで、日本人が大好きでいらっしゃる。本当に喜ぶと思います。アカデミー賞の日本代表に選ばれる前、自分はドイツ人だから(同賞に)選ばれないのではと悩んでいたくらいでした。今夜また、この素晴らしい賞をお渡ししたい」と米国アカデミー賞にノミネートされた際のエピソードも交えて、ヴィム監督の受賞を讃えた。

【写真】第47回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀監督賞 (役所広司)

 
[記者: 深海 ワタル / 写真提供: © 日本アカデミー賞]

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イベント情報

第47回 日本アカデミー賞 授賞式

■開催日: 2024年3月8日(金)
 
■会場: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」
 
■司会: 羽鳥慎一(アナウンサー)、岸井ゆきの(女優)
 
■副賞協力: TASAKI
 
■協賛: サラヤ
 
【画像】日本アカデミー賞 (JAPAN ACADEMY FILM PRIZE)
 

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