映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー
【写真】映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

こんな音まで!? 声優初挑戦で驚いた監督の指示とは?

何でもノートに記録する勤勉な小学4年生のアオヤマ君が住む海のない平穏な住宅地に突如としてペンギンが現れる。不思議な現象に、仲良しのお姉さんが関わっていると突き止めたアオヤマ君はペンギンの謎を解こうと奮闘する。

【画像】映画『ペンギン・ハイウェイ』アオヤマ君

「夜は短し歩けよ乙女」、「有頂天家族」など、数々のベストセラー作品を持つ森見登美彦の原作小説が気鋭のアニメーションスタジオ・スタジオコロリドにより、アニメーション映画として生まれ変わった冒険ファンタジー映画『ペンギン・ハイウェイ』が8月17日(金)全国公開を迎えた。

主人公・アオヤマ君役をオーディションで射止め、好演した若手女優の北香那さんに初めての声優挑戦について話を聞いた。

【写真】北 香那 (きた かな)

―― 原作を読んだ時の感想をお聞かせ下さい。

初めて読んだ時は、たとえどんなことがあっても自分のペースを崩さないアオヤマ君が微笑ましく、ニヤニヤしながら読んでいました。最初は本当に冒険しているかの様なワクワクした気持ちで読んでいましたが、話が進むうちに生きることについて考えさせられたり、最後には泣いてしまったりと、本当に色んなものが詰まったお話だなと思いました。

―― オーディションは緊張したと思いますが、独自の緊張の解し方やルーティンはありますか?

私自身緊張しやすいタイプだと思っているので、開き直ります!「どうにでもなれ!」みたいに(笑)。やっぱり開き直らないと緊張してモゴモゴしちゃったりするので、人格を変えるように毎回気合を入れています。

【写真】映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

―― 今回のオーディションも開き直って臨まれたのですか?

全身を使ったお芝居のオーディションは何度も何度も受けているので免疫が少しはついていますが、今回は初めて声優のオーディションを受けさせて貰えたこともあったので、「どうにでもなれ!」っていう気持ちで居たかったんですけど、ずっとやりたかったことへの初挑戦だったこともあり、完璧には開き直れなかったです。でも、オーディションでは「自分がやる」って決めたことはできたかな~と思っています。

―― アオヤマ君を演じる上で気をつけたことはありますか?

アオヤマ君は賢いので、特に気をつけたのは賢い風に喋ることで、それって何だろうって考えた時に「滑舌良く喋る」ということと「語尾のキレ」をしっかりつけることでした。

でも、それだけだとカクカクしすぎちゃって可愛さがでないので、感情の変化によって語尾が抜けるように、可愛く聞こえるようにしてみたつもりです(笑)。

【画像】映画『ペンギン・ハイウェイ』アオヤマ君とペンギン達

―― ご自身とアオヤマ君の共通点はありましたか?

気になったことや気に入ったものがあったら夢中になっちゃうところです。私は時間もお金も割くタイプです(笑)。好きって思ったら、それに対して熱中しちゃいます。新しいことを始めてみたいという気持ちは常にありますし、冒険も好きです。行ったことの無い所へ行くのにも興味があるので、好奇心も旺盛だと思いますね!

―― 実際に声優のお仕事をしてみていかがでしたか?

思っていたより何百倍も難しかったです。アニメとか観ていると当たり前のように吹き込まれている声だけど、実際にやってみると語尾がワントーン違うだけで全く聞こえ方が違ったり。難しかったけど、ものすごくやり甲斐がありました!改めて声優さんってすごいなって感じました。

【写真】映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

―― 一緒にアフレコした方はいらっしゃいますか?

実は殆どのシーンは別々に収録したんですけど、一度だけ蒼井優さんと一緒にやらせていただいて。その時に録音したものはお互い使われなかったんですけど、初めて一緒になってやったことで沢山勉強になりました。

また、蒼井さんが初対面だったのにも関わらず、沢山話しかけて緊張を解して下さったのでありがたかったです。

―― 実際にアフレコで蒼井優さん演じるお姉さんの声を聞いていかがでしたか?

お姉さんの声ってどんな感じなんだろうって凄く楽しみで、そしたら初めて聞いたのが真横だったので嬉しかったです。蒼井さんの出す少し低めでちょっと気の強そうなハキハキしたお姉さんはすごく包容力がある声だなって思いました。もうずっと聞いていたいし、こんなお姉さんが私も欲しい!一緒にお買い物とか行きたい!って思っていました(笑)。

【画像】映画『ペンギン・ハイウェイ』お姉さん

―― 声優だからこそ出来る“男の子”を演じてみていかがでしたか?

意識して男の子の声に変えて喋るのは大変ではあったんですけど、やっていくうちに自分の声が変わってきて。最初はアオヤマ君を意識して出していた声が、最後に録った声と比べると全然違って聞こえるんですね。なので一から録り直しをさせていただきました。その時に自然にアオヤマ君の声に近づいていけたんだなと思えた瞬間が嬉しかったです。

【写真】映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

―― 苦労したシーンについて教えて下さい。

私は普段、女優としてお仕事させて貰うことが多いので、実際に自分が動いて感じたリアクションをするんですけど、アニメだとできた絵に立ちながら声を吹き込むので、転んだ時の声などはすごく難しかったです。

―― 石田監督から、印象的なディレクションはありましたか?

アオヤマ君は歯がグラグラしてるんですよ。監督からの指示で、その時の歯をいじる音を実際に自分で出したんですけど、「歯を動かす音もやるんだ!」って思いました(笑)。

―― 最後にシネマアートオンラインをご覧のみなさまにメッセージをお願いします。

[スチール撮影: 平本 直人 / インタビュー: 梅田 奈央]
[構成・編集: Cinema Art Online UK]

プロフィール

北 香那(Kana Kita)

1997年生まれ、東京都出身。2010年にミュージカル「赤毛のアン」のアン役で舞台デビュー。映画では耳の不自由な主人公を演じた『震動』(2012年)をはじめ、『中学生円山』(2013年)、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(2016年)などに出演。ほか、WEBムービー「踊る大空港、(略)」(2016年)や、「浅田次郎 プリズンホテル」(2017年・BSジャパン)、「貴族探偵」(2017年・CX)、 「名探偵コジン~突然コマーシャルドラマ~」(2018年・CX)などTVドラマでも活躍。「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(2017年・TX)では350人のオーディションからヒロイン役に抜擢され、6人のベテラン個性派俳優たちとの共演で堂々たる演技をみせ注目を集める。アニメーション映画への声の出演は今回が初となる。

【写真】映画『ペンギン・ハイウェイ』主演・北香那インタビュー

映画『ペンギン・ハイウェイ』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『ペンギン・ハイウェイ』ポスタービジュアル

《ストーリー》

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。毎日努力を怠らず勉強するので、「将来は偉い人間になるだろう」と思っている。そんなアオヤマ君にとって何より興味深いのは歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でミステリアスなお姉さんをめぐる研究も、真面目に続けていた。 

 

ある日、アオヤマ君の住む郊外の街に突如ペンギンが現れ、そして消えた。さらにアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」 一方、アオヤマ君は、クラスメイトのハマモトさんから森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。やがてアオヤマ君は、その謎の球体“海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。果たして、お姉さんとペンギン、“海”の謎は解けるのか――!?

 
出演: 北 香那、蒼井 優、釘宮理恵、潘 めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、 西島秀俊、竹中直人
原作: 森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」(角川文庫刊)
監督: 石田祐康
キャラクターデザイン: 新井陽次郎
脚本: 上田誠(ヨーロッパ企画)
音楽: 阿部海太郎
制作: スタジオコロリド
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
 
2018年8月17(金)より、全国公開!!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @pngnhwy

この記事の著者

梅田 奈央シネマレポーター/ライター

様々な人々の想いによって創られる映画。限られた時間の中に綿密に練られた構想。伝えたいメッセージ。無限大の可能性と創り手の熱量に魅了され、作品やそこに込められた想いをたくさんの人に知って貰いたいと活動を開始。インタビューや舞台挨拶などのイベントに至るまで、様々な角度から作品の魅力を発信している。

この著者の最新の記事

関連記事

ピックアップ!

【写真】第13回 TAMA映画賞 授賞式 (記念写真)

2021-11-21

第13回 TAMA映画賞 授賞式レポート

カテゴリー

アーカイブ

YouTube Channel

【バナー画像】日本アカデミー賞
ページ上部へ戻る