第29回 東京国際映画祭 クロージング上映『聖の青春』舞台挨拶レポート
第29回 東京国際映画祭(TIFF) クロージング作品 「聖の青春」 舞台挨拶

第29回 東京国際映画祭(TIFF)
クロージング上映『聖の青春』舞台挨拶

勝負の世界で頂点を目指して闘う世界的アスリート登壇!!
レスリング 吉田沙保里&重量挙げ 三宅宏実&カヌー 羽根田卓也が松山ケンイチ・東出昌大と勝負の世界の魅力を語る!!

11月2日(水)、第29回東京国際映画祭(TIFF)の公式クロージング作品として映画『聖の青春』上映イベントを開催し、舞台挨拶に主演の松山ケンイチ、共演の東出昌大、森義隆監督が登壇した。

またスペシャルゲストとして、国民栄誉賞にも輝いた女子レスリング・吉田沙保里選手と、リオデジャネイロオリンピックで腰痛に悩まされながらもコーチを務める父と二人三脚で銅メダルを獲得し話題を呼んだ 三宅宏実選手、さらにはリオデジャネイロオリンピックでカヌー競技では日本史上初のメダルを獲得した 羽根田卓也選手が登壇!勝負の世界を描いた本作で、村山聖と羽生善治という将棋界最高峰の実在の人物を演じた松山ケンイチ・東出昌大に、まさに真剣勝負の世界で生きるアスリート達が花束を贈呈した。

イベントレポート

10月25日(火)に開幕した第29回東京国際映画祭もいよいよ終盤を向かえ、期待のクロージング作品の上映だけに、会場には大勢の観客が集結した。そんな熱気溢れる会場に、松山ケンイチをはじめ、東出昌大、森義隆監督が登場すると、観客からは一層大きな歓声が起こった。

第29回 東京国際映画祭(TIFF) クロージング作品 「聖の青春」 舞台挨拶

© 2016 TIFF

まず始めに挨拶したのは、天才棋士・村山聖を演じた松山ケンイチ。

「この映画を東京国際映画祭のクロージング作品に選んでいただき、とても光栄です。今日をすごく楽しみにしていました」

続いて、聖の最大のライバル・羽生善治を演じた東出昌大は、「ヒロイン・羽生善治を演じた東出昌大です。日本を代表する映画祭で、将棋という日本文化を扱った作品がクロージングに選ばれるのは光栄ですし、胸を張ってこの場に立っています」

本作のメガホンを執った森義隆監督は、「今年は素晴らしい日本映画が多い中、この映画がクロージング作品に選ばれたことを誇らしく思います」と、それぞれが東京国際映画祭にクロージング作品として選ばれた喜びを嬉々と語った。

© 2016 TIFF

先日行われたレッドカーペットイベントでは、安倍首相や、映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のプロモーションで来日したメリル・ストリープと並び、本作を世界に向けてアピールした3人ですが、改めて感想を問われると、松山ケンイチは、「楽しかった記憶しかないですね。メリル・ストリープさんや安倍首相・・・安倍マリオさんにお会いできたことを光栄に思っています。映画祭に参加する度に圧倒的なパワーをもらえるんですよね。すごく感謝しています」とコメントし、本作で描かれている日本独特の粋な美しさを世界中の人に見てもらいたいと、意気込んだ。

東出昌大は、はじめに将棋を題材にした映画を撮ると聞いたときは少し心配になったそうですが、「人としての生き方は世界共通なので、将棋のルールがわからない人が観ても、それは伝わると思います」と、語った。

また、多くの人を夢中にさせる将棋の魅力について話題が及ぶと、森義隆監督は、「今回作品を作る上で、ボクシングや格闘技の映画を参考にしました。人間の闘志のぶつかり合いは、文化を超えて理解してもらえると思います。人工知能が発展する一方、人と人が人生をかけてぶつかり合った時に出来上がる勝負というものは、芸術性を持っているのではと。それは人口知能には再現できない部分だと思います」と、自身のこだわりを覗かせた。

難病を患いながら、29歳の若さで亡くなるまで、将棋に全人生を掛け、将棋界最高のタイトル「名人」を目指して必死に闘った、村山聖。「勝負の世界に生きること」「命を削りながら頂点を目指して闘うこと」を、本作からはたっぷりと感じとって頂けるはずだ。

ここで、厳しい勝負の世界を生き抜いてきた、リオ・オリンピックメダリストの吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手が登壇し、松山ケンイチと東出昌大、森監督へ花束が贈呈した。豪華メダリストの登場に会場の盛り上がりは頂点に達した。

第29回 東京国際映画祭(TIFF) クロージング作品 「聖の青春」 舞台挨拶

© 2016 TIFF

本作で描かれる村山聖の生き様は、アスリートの競技にかける気迫、勝利への執念に通じており、三宅宏実選手は、「ハンカチは必須です。将棋にかける思いが熱く伝わる素晴らしい映画で、実話なので、より胸に響きました。アスリートはオリンピックのメダルを目標に、聖は棋士としてやり遂げたいという思いが私たちと共通しています。もし私が病気でも、好きなことを最後までやり遂げたいと考えると思います」と、本作を熱く語り、対して松山ケンイチは、「僕は俳優、村山さんは将棋という仕事が生きることにつながっている所が共通点だと思います。村山さんの、病に捕らわれず人生を全うしている姿が好きで、自分の人生を考えるきっかけになりました」と、自身に与えた影響について触れた。

東出昌大は、「将棋界の方々は、村山さんが病気だということをご存知でした。だけど盤面を挟めば容赦しません。将棋に人生をかけているからこそ、手を抜かないのだと思います。羽生さんを演じるにあたっては、村山さんの人生をぺしゃんこにしてやるんだという気持ちで挑みました」と、実際の棋士の方々が村山聖の病気を知っていながら、プロとして容赦なく戦っていたことを受け、並々ならぬ思いで撮影に挑んだ様子。

将棋という真剣勝負にちなみ、最近の勝負事について問われると、吉田沙保里選手は「吉田沙保里杯で、甥っ子とレスリングをしました。力が強くなっていて、びっくりしました」と、心温まるエピソードも。
三宅宏実選手は、「電車の乗り継ぎ時間をいかに短縮できるか挑戦しました」と続け、松山さんが「お腹が痛い時にエレベーターが来なくて、自分との闘いでした(笑)」と語ると、会場は笑いに包まれました。羽根田卓也選手は、「柔道選手と綱のぼりをしました。異種格闘できて楽しかったです」とアスリートらしいコメントを寄せた。

© 2016 TIFF

舞台挨拶の最後に松山ケンイチは、「村山さんの人生は、皆さんの人生の中にも何かを与えてくれると思います。そのような村山さんの生き様を堪能していただければと思います。対局で、刀で斬りあっている様を是非楽しんでください。今日はどうもありがとうございました」と、来場した観客の皆さんへメッセージを送った。

 

イベント情報

<第29回 東京国際映画祭 クロージング作品『聖の青春』舞台挨拶> 

■開催日: 2016年11月2日(水)
■会場: EXシアター六本木
■登壇者: 松山ケンイチ、東出昌大、森義隆監督
■ゲスト: 吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手

第29回 東京国際映画祭(TIFF) クロージング作品 「聖の青春」 舞台挨拶

© 2016 TIFF

映画『聖の青春』作品情報

映画 「聖の青春」 映画 「聖の青春」 村山聖(さとし)

羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖[さとし]
病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯を描く奇跡の実話 

1994年、大阪。路上に倒れていたひとりの青年が、通りかかった男の手を借りて関西将棋会館の対局室に向かっていく――。彼の名は村山聖[さとし](松山ケンイチ)。現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士だ。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。「先生。僕、東京行きます」どうしても羽生の側で将棋を指したいと思った聖は上京を希望し、相談を持ちかける。先生とは「冴えんなあ」が口癖の師匠・森信雄(リリー・フランキー)だ。聖は15歳の頃から森に弟子入りし、自分の存在を柔らかく受け入れてくれる師匠を親同然に慕っていた。体調に問題を抱える聖の上京を家族や仲間は反対したが、将棋に人生の全てを懸けてきた聖を心底理解している森は、彼の背中を押した。東京――。髪や爪は伸び放題、本やCDやゴミ袋で足の踏み場もなく散らかったアパートの部屋。酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、同時にその強烈な個性と純粋さに魅了され、いつしか聖の周りには彼の情熱を支えてくれる仲間たちが集まっていた。その頃、羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖はさらに強く羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。

映画 「聖の青春」 村山聖(さとし)

邦題: 聖の青春
原作: 大崎善生(角川文庫/講談社文庫)
監督: 森義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち』
脚本: 向井康介『クローズEXPLODE』『陽だまりの彼女』
主題歌: 秦 基博「終わりのない空」 AUGUSTA RECORDS / Ariola Japan
出演: 松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田 顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキー
2016年 / 日本 / 日本語 / 124分 / カラー
配給: 株式会社KADOKAWA

© 2016 「聖の青春」 製作委員会

2016年11月19日(土) 丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開!

映画公式サイト
第29回 東京国際映画祭(TIFF) 公式サイト

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