- 2016-11-21
- イベントレポート
羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖[さとし]
病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯を描く奇跡の実話
映画『聖の青春』公開初日舞台挨拶
村山聖 最大のライバル・羽生善治三冠がついに登場!
松山ケンイチ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生豪華出演陣&羽生三冠が本作の魅力について熱く語る!
天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、29歳にして亡くなった実在の棋士・村山 聖[さとし]―。病と闘いながら将棋に全てを懸け、全力で駆け抜けた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動の実話。原作は、数多くのブックレビューで星★★★★★、「感涙の名作」「勇気が湧いてくる」など、大絶賛される大崎善生の渾身のデビュー作。
主人公・村山聖演じるのは、松山ケンイチ。かつてない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から村山聖にアプローチし、熱演。聖の最大のライバルであり、本作の“ヒロイン”ともいわれる羽生善治に、東出昌大。弟弟子・江川貢役に染谷将太。聖を支えた師匠・森信雄役にはリリー・フランキー。 母・村山トミコ役に竹下景子。共に闘ったプロ棋士役に安田顕。 柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆ら豪華キャスト陣が脇を固める。また、主題歌を手がけるのは、秦 基博。本作のために書き下ろした楽曲「終わりのない空」が物語をよりドラマティックに演出する。人間の知の限界に挑戦し続けた伝説の将棋指しの人生を、愛情豊かに描き出す。
「一生に一本の作品になると思う」と強い想いを語る 松山ケンイチ、そして、憧れの羽生善治役を熱演した 東出昌大ら俳優陣による渾身の役作りが話題となり、第29回東京国際映画祭のクロージング作品にも選出された『聖の青春』が、11月19日(土)公開初日を迎え、東京・丸の内ピカデリーでキャスト・監督、豪華ゲストを迎えての初日舞台挨拶を実施。村山聖役の松山ケンイチ、羽生善治役の東出昌大はもちろん、聖を支え続けた師匠・森信雄役のリリー・フランキー、共に高みを目指すライバル・荒崎学役の柄本時生が、本作イベント初登場!また、主人公・村山聖の最大のライバルであった羽生善治三冠がゲストとして駆けた。
松山ケンイチ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生らが将棋界のレジェンドと共に、ここでしか聞くことのできない本作の見どころを語りつくし、役作りの意外なエピソードや裏話が飛び出す大盛り上がりの舞台挨拶となった。
《イベントレポート》
11月19日(土)、全国159館で公開となった映画『聖の青春』。東京・丸の内ピカデリーで行われた初日舞台挨拶は、話題の本作を観ようと大勢の観客がつめかけ満員御礼。上映後の舞台挨拶とあって本編が終わると割れんばかりの拍手が沸き起こり、ゲストの登壇前から場内のボルテージは最高潮に。そして、本作を彩った秦基博の主題歌「終わりのない空」の音楽とともにキャスト・監督陣が登場。会場は割れんばかりの拍手が起こった。
まず、内面と外面からの驚異的な役作りで見事に村山聖を演じた松山ケンイチが「今日は初日に劇場にお越しいただきありがとうございます。あいにくの雨ですが、どこかひねくれたところのある天国の村山さんが降らせたのかなと思います(笑)。本作を観て、皆様の中に何かが生まれれば嬉しいです」と、村山聖に思いを馳せながら挨拶。
その村山聖の最大のライバル、羽生善治を演じた東出昌大さんは「お足元が悪い中、ご来場ありがとうございます」と感謝を示し、「楽しめましたか?」との会場への問いかけた。これに対し大きな拍手が返ってくると、「公開を心待ちにしていました」と、満面の笑みを浮かべました。
村山聖を献身的に支える師匠、森信雄を演じたリリー・フランキーは、「撮影中は男くさくて泥くさかったが、完成した作品を観てみると、必死で生きている人の清潔感で満ちていた」、村山と共に闘うプロ棋士、荒崎学を演じた柄本時生は「一つのことにここまで生涯を掛けた人というのは本当に貴重。この作品に関われて光栄な気持ちです」と、続けて挨拶。
森義隆監督は、「29歳で原作に出会ってやっと今日、初日を迎えることができた。8年の歳月がかかりましたが、それは素晴らしいキャストたちに出会うための期間だったのだなと思います。我々の手を離れ“みなさんの映画”になります。手塩にかけた子どもが旅立つような心境です」と、胸の内を明かした。
村山聖が亡くなった29歳と同じ歳に原作と出会ったと語る松山ケンイチ。「もし村山役を演じられたら5年に1本の作品になる」と思っていたそう。しかし、内面・外面から役にアプローチをし撮影を重ねるうちに、「10年に1本の作品」に変わったという。「村山さんと羽生さんが対局の先に新しい世界をみたように、私も東出君と演技の先の世界を見ることができました」。
そんな貴重な体験をふリ返り、松山ケンイチにとって「一生に一本の作品」と言えるほどの作品に。「もう二度と体験できないかもしれないと思いつつ、またあの世界を観たいと思っています」と、役者人生における大きな作品になったようだ。
この想いに同意したのがリリー・フランキー。「対局シーンを観ながら、村山さんと羽生さんはなんてすごい人なんだと思いました。それを伝える映画ってすごい、演じる役者ってすごいと感じた」と話した。そして、松山ケンイチの徹底した役作りエピソードを告白。「劇中で村山さんが師匠からマージャンを教わったというセリフがあるんです。でも実際はマージャンシーンは無いんですが、松山君は役作りの為に一度マージャンをしてみたいと言って…」と、俳優の新井浩文とピエール瀧に協力してもらいマージャンを行ったという驚きの裏話を明かした。
プロ棋士の所作は、役作りの上でとても大変だったというのは柄本時生。自身は左利きにもかかわらず、右手での駒打ちを練習したと明かした。東出昌大は、森義隆監督から「芝居をするな」といわれたと明かし、本物のオーラを漂わせることに苦労をしながらも、読んだ瞬間に惚れ込んだという脚本を、情熱を持って演じたと胸を張った。
そんな東出昌大が演じた、村山聖の最大のライバルで本作のヒロインともいえる羽生善治三冠が、特別ゲストとして舞台に登壇。場内は大きな拍手に包まれた。
まず、「村山聖という存在を知って頂けて嬉しい。映画に関わった全ての人にお礼を言いたい」と、感謝の気持ちを述べた。そして、松山ケンイチの演技について、「村山さんにまた会えた気持ちになり嬉しかった」と絶賛しながら、自身が出る映画を観ることについて「死んだ後に映画で描かれることは多いですが、生きているうちに観られるのは幸運なのかもしれないですね」と、気恥ずかしさを表しながらコメントした。
作中、村山聖が答える雑誌のアンケートに「もしも神様がいるとしたら何を願いますか?」という印象的なシーンがあることにちなみ、登壇者に同じ質問を実施。松山ケンイチは、「良いことも悪いことも両方見ていてほしい」、東出昌大は「神様には頼りません」、リリー・フランキーは「自身が演じた森さんにあった際、役作りで、汚い格好をしていたからそれを消したい」、柄本時生は「ジェームズ・ディーンになりたい」、羽生善治三冠は「劇中の村山さんの回答が素晴らしく、それ以上のことが言えません」、森義隆監督は「褒められて伸びるタイプだから毎日褒めて欲しい」と、思い思いの回答を出した。
本作では、松山ケンイチ、東出昌大は共に役作りのために将棋道場へ通い、指し手、棋力ともに努力を惜しまず、結果として壮絶な対局シーンが話題になった。その努力を称えて、公益法人日本将棋連盟より、お二人へ初段の免状を贈呈されることに!通常の免状には将棋連盟会長・名人・竜王の直筆署名が入るところであるが、今回は特別に羽生善治三冠の署名入りの特別免状が用意され、羽生善治本人から授与された。最初に受け取った松山ケンイチは誇らしげに特別免状を掲げながら、「将棋という美しい世界で生きる棋士の方々からこのようなものをもらいとても嬉しい。自分の人生への戒めとして受け取りたい」とコメント。
続いて受け取った東出昌大は「映画の舞台挨拶だという事を忘れて舞い上がっております。実力的にまだまだなので、将棋を続けて段を取りに行きたい」と、作品が終わっても将棋との付き合い続けることを誓った。
最後に会場の観客にメッセージを送った松山ケンイチ。「今日このように初日を迎えられて、僕の中の村山さんは消えてしまうと思います。でもきっと皆さんの心の中に村山さんが生き始めたと思います。村山さんの人生、将棋という世界を知り、生きる美しさを学んだ気がします」と、舞台挨拶を締め括った。
上映後の舞台挨拶ということもあり、終始熱気が漂っていた場内。登壇者のひとつひとつの言葉に拍手やうなづきなどの反応があり、キャスト・監督陣の初日を迎えられた感無量の想いと、観客の熱が伝わる大盛り上がりの初日舞台挨拶となった。
イベント情報<映画『聖の青春』公開初日舞台挨拶>■開催日: 2016年11月19日(土) |
映画『聖の青春』予告篇
映画『聖の青春』作品情報
羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖[さとし]
病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯を描く奇跡の実話
1994年、大阪。路上に倒れていたひとりの青年が、通りかかった男の手を借りて関西将棋会館の対局室に向かっていく――。彼の名は村山聖[さとし](松山ケンイチ)。現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士だ。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。「先生。僕、東京行きます」どうしても羽生の側で将棋を指したいと思った聖は上京を希望し、相談を持ちかける。先生とは「冴えんなあ」が口癖の師匠・森信雄(リリー・フランキー)だ。聖は15歳の頃から森に弟子入りし、自分の存在を柔らかく受け入れてくれる師匠を親同然に慕っていた。体調に問題を抱える聖の上京を家族や仲間は反対したが、将棋に人生の全てを懸けてきた聖を心底理解している森は、彼の背中を押した。東京――。髪や爪は伸び放題、本やCDやゴミ袋で足の踏み場もなく散らかったアパートの部屋。酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、同時にその強烈な個性と純粋さに魅了され、いつしか聖の周りには彼の情熱を支えてくれる仲間たちが集まっていた。その頃、羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖はさらに強く羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。
監督: 森義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち』
脚本: 向井康介『クローズEXPLODE』『陽だまりの彼女』
主題歌: 秦 基博「終わりのない空」 AUGUSTA RECORDS / Ariola Japan
出演: 松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田 顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキー
配給: 株式会社KADOKAWA
© 2016 「聖の青春」 製作委員会
2016年11月19日(土) 丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開!