映画『駅までの道をおしえて』
完成披露試写会舞台挨拶
映画初主演の新津ちせ、犬のルーとルースと共演
コトリンゴが主題歌「ここ」を生歌唱!
2004年に公開された『機関車先生』以来、15年ぶりとなる伊集院静原作の映画化作品『駅までの道をおしえて』が、10月18日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開となる。
愛犬の帰りを待ち続ける少女と、先立った息子との再会を願う老人。ひとりぼっちの2人が出会い、大事な何かを探す旅に出る――。
逢いたい相手がいるすべての人に贈る、新たな希望と出発の物語。主人公のサヤカを演じるのは、映画『3月のライオン』(2017年)のモモ役や、米津玄師がプロデュースした「パプリカ」を歌うユニットFoorinの最年少メンバーとして活躍中の新津ちせ。本作で実写映画初主演を務め、愛犬ルーとの特別な絆を劇中で表現するため、撮影終了迄の1年強もの間、自宅でルーとの共同生活を送った。
9月19日(木)、公開に先駆け完成披露試写会イベントが東京・スペースS汐留で開催され、上映前の舞台挨拶に主人公サヤカを演じた主演の新津ちせ、サヤカの友人となるフセ老人役の笈田ヨシ、サヤカの両親役の坂井真紀と滝藤賢一、橋本直樹監督が登壇。本作への思いや撮影時のエピソードなどそれぞれが存分に語りあった。
新津ちせ、9ヶ月で妖艶な女性へと変貌。
滝藤賢一、“恐怖を感じた”
撮影にあたり、ルーと一緒に過ごしてみて大変だったこと、思い出に残っていることを尋ねられた新津は「私も元々犬が大好きだったんですけど、犬を飼ったのはルーが初めてだったのでちょっと緊張して、はじめは“おすわり”や“待て”もあまりスムーズに言えなかったんですけど、ドッグトレーナーさんからもっと大きい声を出すように言われたりもして勉強していました。一緒に暮らすうちにだんだんと仲良くなれて私の言うことも聞いてくれるようになって信頼関係を築いていけたと思います」とルーへの愛に溢れていた。
サヤカとフセの関係性はまるで友情に見えるくらい素晴しいが、実際のところ年の差77歳とのこと。新津と共演してどんな女優さんだと思われたかとの質問に笈田は、照れながら「お会いして、美人で、頭が良くて、礼儀正しくて、老いらくの恋で恋に落ちまして撮影中胸をドキドキさせながらやっておりました兎に角、目の力がすごいんです。とっても素晴らしいお嬢さんで今も久しぶりにお会いしてドキドキしております」と会場を沸かせた。
サヤカを温かく見守る母親役の坂井からは「はじめのシーンを撮影してから、9ヶ月後にまた次の撮影があったんですね。その間ちせちゃんはずっと撮影をしていたんですけれども、監督は子どもだからと容赦をしない演出をされるので、はじめからそれに頑張って答えていました。9ヶ月後に再会すると、背も高くなったり、お顔もちょっと大人っぽくなったりして、本当に立派になっていて驚きました」と新津の成長ぶりに感嘆。
続いて滝藤も「最初、僕らは撮影に入る前に監督にお時間頂いて、3人で部屋の中で自由に過ごせる時間をいただいたんですけど、その時本当に人懐っこくて、父親にさせてもらったという感じがあったんですが、9ヶ月後はまるで別人で、女性ってこんなに変わるんだなって思いました。キュートなところから、闇を抱えた妖艶な女性になられていて、自分の娘がこうなったらどうしようって恐怖を感じました(笑)」とオチを入れて笑いをとった。
橋本監督、“ちせを尊敬しています。褒めませんけど(笑)’’
橋本監督へは、家族の構成や新津の演出へのこだわりを尋ねられると、「こだわってはいないんですけれども、サヤカとルーの話なんで、その2人の関係を作るっていうことですかね。今回1年以上かけて撮影する中で、撮影に入る前や撮影の合間をどう過ごすかというところもですね」と監督。
新津について尋ねられると、「僕は身内は褒めないんですよ。子どもでも容赦ないんで、良いとか悪いとかは決して言いません。ですが、実はすごく尊敬していたんですね。原作撮って約15年くらい経ち撮影も1年かけて撮ったので、僕の方がくじけるんですけど、この子(新津)が撮影以外のところで、裏で散歩したりしているを見ると、僕の準備なんてたいしたことはないなって凄く思って。だから尊敬はしています。褒めませんけど(笑)」との回答に対して、褒めて欲しそうな表情で新津が見つめていた。
橋本監督の演出に関して笈田は「この監督は自分がどういう映画が作りたいっていうのをはっきり持ってらっしゃって、その目的に向かってすごい集中力で撮影を続けられてその集中力はすごいものでございましたよ。側からみて一生懸命に映画を作ってらっしゃるのは本当に美しいなと思って拝見しておりました」と絶賛。
コトリンゴが主題歌『ここ』を披露!
笈田ヨシ、“映像なしで独立した音楽としても非常に美しい”
そしてスペシャルゲストに主題歌、挿入歌を担当したコトリンゴが登場。ステージには電子ピアノが用意され主題歌『ここ』を生歌唱でライブ披露。柔らかな歌声で会場は浮遊感に満ちたコトリンゴの世界観に包まれた。
橋本監督は「僕、この曲がすごい好きなんですよ。“自分が自分が”と主張しない感じが良くて、ボーカルも勿論ですが曲も全て含めてちゃんと希望や光が見えるという観点で作っていただきました。絶対に合っていると思います。書き下ろしではありますけど、もしこの曲がこの映画より先にあっても多分この曲を選んでると思います。エンドロール聴いて泣けって言われたらすぐ泣けますから。本当に良いです!あ、褒めちゃったな(笑)」と普段褒めない監督の心をも鷲掴みにする曲となっている。
新津も「本当に凄く感動して歌詞が心に響いて泣いちゃいそうです」と大人びたコメントすると笑いが沸き起こり、「嘘じゃないもん!」と反論。
笈田は「映画を拝見した時に監督の思ってらっしゃるイメージ、美しいカメラ、音楽がマッチしていて本当に素晴らしくて…今日改めて拝聴すると画面なしで独立した音楽としても非常に美しいと思いました」と賛辞を送った。
コトリンゴは映画の感想を尋ねられると、「名前に“トリ”を付けているので鳥が大好きなんですけど、マネージャーさんがすごく可愛いワンちゃんを飼っていらして、そのワンちゃんを預かっているうちにワンちゃんの魅力に取り憑かれちゃいました。ルーの表情やちせちゃんとのやりとりを見てすごく素敵だなと思いながら拝見しておりました」と答えた。
スペシャルゲストにルーとルースが登場!
新津ちせ、“見所はルーとルースの名演技”
そして、なんとルーとルースも駆けつけてフォトセッション開始。ルーを橋本監督が抱きあげると新津が「私が抱っこするー!」と9歳の無邪気な一面を拝見して会場がホッとする場面もあった。
笈田「ドキドキ、ハラハラしたり、泣いたり笑ったりというのが見所です。雲がふかふか川が静かに流れるような、それを眺めるようなゆったりとした静かな気持ちになります。人が生まれて死んでいくその姿、大事な人や動物に死なれて胸の痛みをどうやって悲しみを乗り越えいくのかをゆっくり眺めていただければと思います」と述べると、新津も「見所はルーとルースの名演技とか、春夏秋冬の色んな風景も観ていただければ嬉しいです」と締めくくった。
映画『駅までの道をおしえて』は、10月18日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開される。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: フジモト マリ]
イベント情報
映画『駅までの道をおしえて』完成披露試写会舞台挨拶■開催日: 2019年9月19日(木) |
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映画『駅までの道をおしえて』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》愛犬の帰りを待ち続ける少女と、先立った息子との再会を願う老人。ひとりぼっちの2人が出会い、大事な何かを探す旅に出る――。 |
企画・製作: GUM、ウィルコ
配給・宣伝: キュー・テック
シネマスコープ / 5.1ch / DCP / 125分
2019年10月18日(金)より
新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開!
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