映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』
(原題: 1001 Grams)
ノルウェーからパリへ《不思議なオモリ》と旅するマリエが新たに見つけた幸せの基準とは?
《ストーリー》
主人公のマリエ(アーネ・ダール・トルプ)は、生活や産業の基盤となるあらゆる計測のエキスパートとして、ノルウェー国立計量研究所に勤める研究者である。
淡々とクールに仕事をこなす反面、私生活は結婚に失敗し夫とは別居状態。そして、マリエの留守中に家具を次々に持ち出していく夫。マリエは、まるで人気も生活感も感じられない住まいで無味乾燥ともいえる日々を送っていた。
その最中、唯一の心のよりどころであった計量研究所の重鎮でもある最愛の父アーンスト(スタイン・ヴィンゲ)が心臓発作で倒れ入院する。マリエは、父の代わりにノルウェー王国の《キログラム原器》(質量の国家計量標準としてノルウェー国立計量研究所が管理する分銅)をパリ郊外にある国際度量衡局(BIPM)に持ち込み、各国の代表者が集まる国際セミナーに参加することになる。
そのことをきっかけに、新たな出会いがあり、様々な出来事を経験し、マリエは本当の意味で自らの人生に向き合い始める。
《みどころ》
本作にはいくつかの印象的な言葉が登場する。最愛の父が残した言葉「今こそ人生をハカリにかけるときだ」、マリエの叔父グンナル(グンナル・ストロム)のノートに残されていた言葉「人生で一番の重荷は背負うものがないこと」、パリで出会った男性パイ(ロラン・ストッケル)の言葉「人生にカオスは必要だよ。基準は安心な答えに過ぎない。僕らが捜しているのは自分自身なんだ」、これらの言葉をマリエは静かに、そして、しっかりと受け止め、自分自身の内面と向き合っていく。
人生は不思議なもので、最悪と思える出来事のすぐ側に、意外な幸せへの入り口があったりする。
マリエは《キログラム原器》との旅を通じて、最悪とも思える状況のなかから、自分の真の幸せを見つけていく。
主人公のマリエを通じて、私たちそれぞれの「幸せとはいったいどんなもの?」といったことをなげかけてくれる作品である。
映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』予告篇
映画作品情報
原題: 1001 Grams
ロラン・ストッケル (Laurent Stocker)
スタイン・ヴィンゲ (Stein Winge)
ヒルデグン・リーセ (Hildegun Riise)
グンナル・ストロム (Gunnar Strom)
ペール・クリスティアン・エレフセン (Per Christian Ellefsen)
ディディエ・フラマン (Didier Flamand)
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