映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG’S PURPOSE) レビュー
映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG'S PURPOSE)
 

映画『僕のワンダフル・ライフ』

 

「ずっとそばにいるね」ベイリーの一途な想いが奇蹟をもたらす!
“犬生”を4度も繰り返した世界一ハッピーな名犬物語に、世界中が暖かい心に包まれる!

《ストーリー》  

ゴールデンレトリバーの子犬ベイリーは、車の中に閉じ込められ暑さで気を失いそうになる。すんでのところ、偶然通りかかった少年のイーサン(K・J・アパ)とその母親(ジュリエット・ライランス)が、車のガラスを打ち破ってベイリーの命を救うのだった。父親(ルーク・カービー)の反対を受けながらも、ベイリーを飼い始めたイーサン。二人(?)は片時も離れず一緒に過ごし、楽しく幸せな日をおくるのだった。そんなある日、イーサンは街のお祭りで偶然見かけたハンナ(ブリット・ロバートソン)に一目惚れしてしまう。ベイリーの助けもあって、やがて二人は恋に落ちるが、思わぬ事件がイーサンとベイリーを待ち受けるのであった・・・

映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG'S PURPOSE)

《みどころ》 

本作のメガホンをとったのはラッセ・ハルストレム。これまで『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(1985年)や『HACHI 約束の犬』(2009年)を撮り上げた、言うならば犬物語映画の巨匠だ。その巨匠の最新作。もちろん、涙なしでは語れない感動のドッグ・ハートフル作品となっている。犬はあらゆる動物の中でもっとも人間に忠実で近しい存在。それは世界各国、どの国でも万国共通なんだと改めて感じることのできる一本だ。

映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG'S PURPOSE)

犬を題材にした映画は邦画・洋画問わず多い。一匹の忠犬や愛犬の一生を丁寧におう感動作、というたてつけが王道なのだが、本作はもうひとひねりして、一生を何度も繰り返すという少しファンタジーがかった作品となっている。アプローチをトリッキーに変化させながらも、観客を魅了する腕はさすがハルストレム監督といったところ。非現実的な内容ながらも、違和感を覚えることなく自然に物語に引き込まれていく。ゴールデンレトリバーで生まれたベイリーは、シェパード、コーギーと次々に姿を変えていくが、どの犬も愛くるしく、ご主人様である人間とのやりとりも微笑ましい。ほっこりと癒されるシーンばかりで、観客の期待を裏切らない心和む作風となっている。

映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG'S PURPOSE)

そしてベイリーが何度も一生を繰り返すあいだ、人間であるイーサンも静かに年を重ねていく。楽しく無邪気であった少年時代、何もかもが輝いていた青年時代、人生のほろ苦さと切なさを知り尽くした壮年時代…まるでベイリーとの別れが契機となったような独り哀しい道を歩んでいた。あることがきっかけで、イーサンの元へ再び現れるベイリー。かつての自分がそうしたように、再び幸せを運ぶことができるのか。何度生まれ変わっても忘れることのなかったイーサンへの想いは、一体どんな奇蹟を呼ぶのだろうか。そして奇蹟と言いつつも、これは特別でない誰もが共有できるお話。偶然ではなく必然の物語と思って、二人の絆の結末を見届けて頂きたい。

[文: 藤田 哲朗]
© 2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC

映画予告篇

映画作品情報

映画『僕のワンダフル・ライフ』(A DOG'S PURPOSE)

邦題: 僕のワンダフル・ライフ
原題: A Dog’s Purpose
 
監督: ラッセ・ハルストレム
 
原作: W・ブルース・キャメロン「野良犬トビーの愛すべき転生」(新潮文庫)
 
出演: ジョシュ・ギャッド(声)、デニス・クエイド、ペギー・リプトン、K.J.アパ、ブリット・ロバートソン
 
配給: 東宝東和
 
日本公開日: 2017年9月29日
 
© 2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC
 
2017年9月29日(金) 
TOHOシネマズ 日劇他、全国ロードショー!
 
映画公式サイト
公式Twitter: @bokuwonderful 
公式Facebook: @bokuwonderful

この記事の著者

藤田 哲朗映画ライター・愛好家

大手出版取次会社で20代後半より一貫してDVDのバイヤー/セールスの仕事に従事する。
担当したクライアントは、各映画会社や映像メーカーの他、大手のレンタルビデオチェーン、eコマース、コンビニチェーンなど多岐にわたり、あらゆるDVDの販売チャネルにかかわって数多くの映画作品を視聴。
プライベートでも週末は必ず都内のどこかの映画館で過ごすなど、公私とも映画づけの日々を送っている。

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