映画『愛唄 ―約束のナクヒト―』
横浜流星 × 財前直見 インタビュー
当たり前の日常は、当たり前じゃない。
映画を観て “一日一日を大切に生きること” や “いのちの大切さ” について考えてほしい。
「私の手、握ってくれてありがとう」その言葉が僕らの全て___。
あいつがくれた恋する勇気。あの子がくれた、生きる意味。僕を変えた二つの出逢いが今、一つの奇跡を起こす。
誰とも手をつなぐことさえしないまま、恋を知らずに大人になった主人公・野宮透(トオル)を演じたのは、ドラマ「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集め、数々の話題作に出演する横浜流星。息子思いで、人生のカウントダウンを告げられたトオルを支え続ける母・野宮美智子は幅広いジャンルのドラマや映画に出演している財前直見が務めた。
映画『愛唄 ー約束のナクヒトー』で観た人の心を揺さぶる感動の親子を演じた横浜流星さん、財前直見さんに映画を通しての実生活への影響や親孝行について聞いた。
—— 完成した本作をご覧になった感想をお聞かせください。
横浜 : 初めて観た時は客観的に観れなくて、2度、3度観た時にその時の心境によってグッと刺さるポイントが毎回違いました。観てくださる方々もその時の心境によって心に刺さるポイントが異なり、感動する作品だと思います。
財前: 脚本で読んだストーリーが結構悲しかったので、悲しく見えたら嫌だなと思いながら観たのですが、3人が青春を精一杯生きていたところが印象的で、すごくよかったなと、ホッとしました。
—— 伊藤凪役の清原果耶さん、坂本龍也役の飯島寛騎さんについて教えてください。
横浜: 清原さんは自分より年が5つ下なんですけど、その年の差を感じさせないくらい性格がしっかりしていましたね。お芝居もすごく素敵で、凪としていてくれたので自分もトオルとしていることができました。龍也を演じた飯島くんとは年齢も同じで、映画の中のトオルと龍也も年齢が同じだったのですごく演じやすかったです。
財前: 清原さんは大人でしたね。彼女がトオルと龍也をまとめていた感じがして、一番年下なのにお母さん的な母性を感じました。飯島くんは役柄も、飯島くん自身も本当に明るくて場を和ませてくれていました。余命宣告を受けて落ち込んでいるトオルも、龍也の明るさに救われていたと思います。
—— 撮影現場では一人一台携帯が渡され、その時の写真が公式SNSに使われているとお聞きしました。
横浜: 制作の方にスマホを渡されましたね。役の目線で写真を撮りあったりしていました。撮影自体は大変なシーンが多かったのですが、撮影のオフの時はみんなで写真を撮りあってわちゃわちゃしていたので、そのおかげですごく距離も近づけたと思っています。
—— 脚本を読んだ時、野宮トオル、野宮美智子をどう演じようと思われましたか?
横浜: トオルは割と共感しやすくて、自分も余命宣告を実際に受けた時、トオルのように多分「残り3ヶ月なんて…」と命を投げ捨てようとしてしまうかもしれないなと思いました。なので、根本的な考え方は割と似ているなと思いましたね。トオルは周り人の言葉に影響されてどんどん変わっていくので、出会う人たちの言葉を素直に受け止めてフラットでいようと意識して演じました。
財前: 伊藤凪の詩には“生きる”という意味や、今を生きることに気持ちを集中させるという思いが感じられたので、その想いを噛み締めながら演じようと思いました。中でも「あんたの命は私が産んだんだ」という一言に尽きると思うのですが、「命を無駄にするんじゃない」という叱りや嘆き、悲しみも込めて、トオルの心に絶対届けるという思いで演じました。
—— 劇中でトオルや龍也は立ち止まってしまった時に詩に影響されていましたが、立ち止まった時に背中を押してくれるものはありますか?
財前: 私は「可能性は無限にある、自分で有限にするな」という言葉です。例えば、親に気を遣いすぎて自分の悩みを言わない。悩みのことを話したら親は心配するけど、言わないことの方がもっと心配するということを子供は分からないと思うんです。言うか言わないかは自分が決めることですけど、言わないということは、自分の中で勝手に可能性を閉ざしていることにもなると思うし、自分で自分を苦しめることにもなってしまうんですよね。
—— 財前さんはトオルのような息子、横浜さんは財前さん演じられた息子思いのお母さん、どう思いましたか?
横浜: 息子思いのお母さんがいることは、すごく幸せなことだと思いました。僕は反抗期が長かったので、一人暮らしをするようになって親のありがたみに気づきました。今自分も親を大切にしたいなと強くこの作品をキッカケに思えるようになったので、この作品に出会えてよかったなと思います。
財前: 親って「育てさせてもらっている」と思います。天から与えられたものを自分が育てさせてもらっているから、子供を独り立ちさせることが親としての責任だと思います。トオルは独り立ちしたいけどできなくて、かといって甘えることもできない、その歯がゆさがすごく可愛いんですよ。またそれが流星くん自身から滲み出ていて、とっても純粋で可愛かったですね。しかも思いやっている愛情もあって、自分の息子もこういう息子に育ってくれたらいいなと思っていました。
—— 凪の詩に「毎日に夢中だから息してることさえ忘れてるんだ」という一文があります。お二人は息をしていることを忘れるくらい夢中になることはありますか?
横浜: 今は仕事ですね。今年はプライベートも充実させようと思っていますが、今夢中になっていることは仕事です。
財前: 東京に来てお芝居をすることがすごく楽しいですし、大分の家にいるときも、家族のためにご飯を作ったり、息することを忘れるくらい夢中になっています(笑)。
—— もしトオルのように人生のタイムリミットを告げられたら、何かしたいことはありますか?
横浜: 好きなものを食べて、友達と遊んで後悔はしたくないと思いますね。その時やりたいと思ったこと全力でやりたいなと思います。
財前: 一日一生だと思って、日々後悔しないように生きることです。
—— 親子ならではの質問なのですが、何か親孝行したことはありますか?
横浜: 年末年始実家に帰って、家族でいる時間を大切にしていました。他にも感謝の言葉を言えるようになりましたね。今まで、「ありがとう」も言えなかったんですけど、22歳になってやっと言えるようになったので、素直に思ったことをこれからも言葉にして伝えていきたいなと思っています。
財前: 子供が生まれたことで大分県に帰ったことですかね。常に両親の顔も見れますし、息子もずっと手塩にかけて育てることができます。私の中で大分県に帰ったことがいちばんの親孝行であり、子供孝行であると思っています。
—— 最後に、これから本作をご覧になる皆様にメッセージをお願いします。
横浜: 脚本を読んだ時も、完成した映画を観た時も、この作品にはたくさんのメッセージが詰まっていると感じました。“1日1日を大切に生きること”や、“自分の思っていることをしっかりと言葉にして伝える”ことなど、当たり前の日常が当たり前じゃないんだってことが映画を観た方の心に届けばいいなと思います。
財前: この映画を観て、“命の大切さ”や、“命って奇跡なんだ”、“生まれることってすごいんだ”ということを感じてもらえたら嬉しいです。そして、自分の人生は自分で創るしかないと思います。これからの自分を考えるきっかけの映画になってくれたらいいなと思います。
[インタビュー: 井上 綾乃 / スチール撮影: 坂本 貴光]
プロフィール
横浜 流星 (Ryusei Yokohama)1996年、神奈川県出身。 [スタイリング: 伊藤 省吾(sitor) / ヘアメイク: 永瀬 多壱(VANITES)]
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財前 直見 (Naomi Zaizen)1966年、大分県出身。 [スタイリング: 中井綾子(crepe) / ヘアメイク: 杉田和人(POOL)]
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映画『愛唄 ー約束のナクヒトー』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》「私の手、握ってくれてありがとう」その言葉が僕らのすべて――。 恋する勇気を持てないまま大人になってしまったトオルに起きた、二つの出会い。元バンドマンの旧友・龍也との再会、そして運命を変える詩との偶然の出会いにより、恋というものに生涯をかけて全力で駆けることになる。今まで手をつなぐことさえしてこなかったが、龍也の声に恋する勇気をもらい、その詩から、恋に⽣きる⼒をもらったトオル。詩と触れるキッカケをくれた比呂乃との出会いを経て、ようやくめぐり会えた運命の少女・凪。詩を綴ることをやめたその少女は、トオルに生きる意味を教えてくれた。しかし、彼女にはある秘密があった・・・ |
音楽: GReeeeN
主題歌: GReeeeN「約束 × No title」(ユニバーサル ミュージック)
プロデューサー: 小池賢太郎
音楽プロデューサー: JIN
2019年1月25日(金) 全国公開!
公式Twitter: @aiutamovie
公式Instagram: @aiuta_movie