映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶レポート
【写真】映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶

映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶

“鬼畜どんぐり”白石監督と『仁義なき戦い』の東映だからできた
日本映画史に残る衝撃作、ついに公開!!

5月12日(土)、昨今の日本映画にはない熱量とバイオレンスが魂に焼き付く、“血湧き肉躍る”映画 『孤狼の血』がいよいよ公開初日を迎えた。東京・丸の内TOEI①にて、初日舞台挨拶が開催され、役所広司をはじめ、松坂桃李、真木よう子、中村倫也、音尾琢真、阿部純子、ピエール瀧、江口洋介ら豪華キャスト陣、原作者の柚月裕子、そして本作のメガホンをとった白石和彌監督ら総勢8名が堂々登壇、上映前から会場を熱狂の渦へと巻き込んだ。

当日、丸の内TOEIは映画『孤狼の血』をいち早く観ようと駆け付けたファンで賑わい、制作発表から1年の時を経て公開になる本作の期待度の高さを伺わせた。イベントでは、MCの呼び込みでキャストらが登場。客席からは割れんばかりの拍手が起こり、初日を迎えた本作への祝福モードに包まれながら温かい雰囲気の中でそれぞれの挨拶が行われた。

【写真】映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶

各登壇者から挨拶

役所広司: 大上役を演じました役所広司です。今日は本当に初日からありがとうございます。少ない時間ですが楽しいお話ができれば良いと思います。マスコミの方もいらっしゃるので、放送コードに引っかかることは言えませんが(笑)、よろしくお願いします。

【写真】役所広司

松坂桃李: おはようございます!本日は本当にお集まりいただきありがとうございます。放送コードに結構引っかかるような作品ですけれども(笑)、是非最後まで楽しんでいってください。よろしくお願いします。

【写真】松坂桃李

江口洋介: 一ノ瀬守孝役の江口洋介です。非常に刺激的な映画が出来ました。初日から今日はありがとうございます。ゆっくり最後まで楽しんでいっていただければと思います。

【写真】江口洋介

真木よう子: こんにちは真木よう子です。皆様の想像を超えた素晴らしいかっこいい映画になっていると思うので、どうぞ期待して、ご覧ください。

【写真】真木よう子

ピエール 瀧: ありがとうございますピエールでございます。ご覧になられるのがこれからということで、役所さんも桃李くんも言ってましたけど、放送コードに引っかかることもあるんですけれども、将来的に「ここまではアリにしていいんじゃないか?」という基準になるような作品だと思います(笑)。ぜひ期待して楽しんでいってください。本日はよろしくお願いします。

【写真】ピエール 瀧

中村倫也: 中村です。ありがとうございます。「こんな映画を待っていた!」という、2018年をきっと代表する映画になると思います。こうして関わることができて光栄です。みなさん最後まで楽しんでいってください。

【写真】中村倫也

音尾琢真: 皆さま本日はどうぞよろしくお願いいたします。劇中では私の役はパンチパーマにサングラス、白いスーツと。それだけで放送コードに引っかかりそうなスタイルで出ておりますが(笑)。 今日はこんな普通の格好で来てしまって申し訳ありません。どうぞ楽しんでいってください。

【写真】音尾琢真

阿部純子: 岡田桃子を演じました阿部純子です。今までこんな映画観たことないような男たちの火祭りのような作品だと思っています。みなさん今日はどうぞ楽しんでください!よろしくお願いします。

【写真】阿部純子

白石和彌監督: みなさんこの映画を選んでくださってありがとうございます。1年前に最高のキャストに出ていただいてもらって、魂削って作った映画です。これからご覧いただくということですが、最後まで楽しんでください。今日はありがとうございます。

【写真】白石和彌監督

柚木裕子先生: みなさまこんにちは。原作者の柚木です。あの熱さ、色々なものをこれから体験できると思うと皆様が羨ましいです。鑑賞後、必ず登場人物の誰かに惚れる映画です。どうか本日は楽しんでいってください。

【写真】柚木裕子先生

映画『孤狼の血』製作裏話と感想トーク

MCから、映画『孤狼の血』について各キャストに質問されると、芸能生活40周年の記念すべき節目の年の主演作となった役所は「ギリギリ体力が持つかな?という作品に40年目で出会えました」と語り、松坂は「30歳になる節目の年に、役所さんと共演できて、白石監督ともまたお仕事ができて、そしてそれがこの『孤狼の血』の作品で、忘れられないとても大切な作品です」と述べた。また、オファーの段階では「私はあまり面白いのかどうかわからない」と脚本を手渡してきたマネージャーが試写を観て「面白かったね」との感想を零したことへ「ほれ見たことか!」と監督、脚本、共演者すべてにおいて断る理由がないとオファーを受けた本作への愛情をのぞかせた。

【写真】松坂桃李

実は『仁義なき戦い』が大好きだという江口は「オファーをいただいて私物の『仁義なき戦い』のDVDBOXなども掘り返して観ました」と振り返り、さらに「『凶悪』(2013年)を観て“誰が撮っているんだ?”と白石監督の名前はインプットしていました。今やこういう映画は“時代劇”になるのかもしれないが、これがきっかけでヒリヒリする芝居ができる作品が増えれば良いと思います」と元々白石監督の作品の興味があったことを明かした。

【写真】江口洋介

真木は「本編進むにつれて、このシーンがあるから真木よう子がキャスティングされたんだと思っていただけるはずです」「梨子は着物を着ているので、着物での所作や、ドキッとさせる仕草を勉強しました」と役作りについて述べた。

【写真】真木よう子

そして、白石組の常連でもあるピエール瀧は「いつも話題になる作品を撮っておられる監督だが、過激なシーンであればあるほど監督が一番笑っていらっしゃる。それを見て、僕は「鬼畜どんぐり」というあだ名をつけました」とコメントし、観客もキャスト陣も大爆笑。続けて「男のバイオレンスさを、どこか可愛らしく撮ってくださるのが監督の専売特許ですね」と監督の良いところについても語るなど、しっかりと監督へのフォローを忘れなかった。

【写真】ピエール 瀧

また同じく何度か白石監督作品に出演経験のある中村は「やくざというのももちろんですが、世代は意識して演じました。先輩たちの年輪を重ねてきた熱さと、若い炎は色の熱も違うのかなと思いました」と役作りについて述べ、さらに「現場に行くと台本にないことを言われたり、先輩方が現場で楽しそうにされていたり、出てない役者さんに白石監督紹介してほしいと言われることもあり、役者を疼かせる監督です」と、白石監督ならではの魅力を語った。

【写真】中村倫也

最初の挨拶から観客を笑わせていた音尾は、「”鬼畜どんぐり”こと白石監督から“音尾く〜んパンチパーマできる?”と言われて2時間以上かけてパンチパーマにしました。髪を2センチに切って、根元から撒くのが痛いんですよ」と特徴的な髪型についてのエピソードを披露。「これに耐え抜いてこそのヤクザなんだなあと思いました。と語り、改めて観客を笑わせていた。

【写真】音尾琢真

原作には登場しないオリジナルキャラクターを演じた阿部は「大先輩方との共演でとても緊張しましたが、どうにかついていかなきゃと思っていました」と撮影時の想いをコメントし、「役所さんが“お弁当、美味しいね”と声をかけてくださったり、私の分まで台詞を覚えて呉弁の発音を教えてくださったり、居心地のよい撮影現場を作ってくださってありがたかったです」と“雲の上の存在”だという役所との撮影時のエピソードを振り返り、それに対して役所は「やるときはやるでしょ」茶目っ気あふれる返しを見せた。

【写真】阿部純子

原作者の柚月は「私が小説で描きたかったものを監督がしっかり受け止めてくださり、それを原作以上の熱さで描いてくださいました」と映画版について絶賛。「上映後に感じるじっとしていられないような気分を、多くの方に感じていただきたいです」と述べた。

【写真】柚木裕子先生

そして、本作の監督を務めた白石は「”鬼畜どんぐり”とかって言われていますが、皆さんに良い映画を届けようと身を削り頭をひねって考えた作品です」と制作への熱意を語り、「多少目を覆いたくなるシーンもありますが、最初を乗り越えるとすーっと最後まで観れる、エンターテイメントになっております!」と作品について胸を張ってコメントした。

【写真】白石和彌監督

また、役所は本作でバディを演じた松坂を「松坂くんは格好良いですからね。本当に繊細に自分の役を積み重ねていくちゃんとしたプランをもった俳優さんで、まっすぐな目の力が共演者として頼もしいです」と絶賛し、松坂は「役所さんとは2本目の共演なのですが、役柄のバディという関係性もあって、親のような師匠のような大先輩のような存在でした。そして、大きく分厚く遠いなと、すごく感じました」と役所の言葉に恐縮しきった様子で、撮影を「かけがえのない時間」と振り返った。

【写真】役所広司 & 松坂桃季

その後、役所広司俳優人生40年と、柚月裕子先生作家生活10周年、そして今作の公開初日を記念してお祝いバズーカーを構えてのフォトセッションが行われ、役所が「孤狼の血」と叫び、キャストと観客全員で「全国制覇じゃ!!」と一斉に発声の後に、盛大にお祝いバズーカー砲が炸裂。金と銀のテープが宙を舞い、会場の熱気を最高潮に盛り上げた。

【写真】映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶 ”祝大ヒット”バズーカー

最後に主演・役所広司よりメッセージ

これからゆっくりご覧ください。白石監督のもとで、スタッフ、僕たちキャスト、本当にのびのびと楽しく仕事させていただきました。素晴らしい役者さんたちが、生き生きと魅力的なキャラクターを演じた映画になっております。

本日は本当に女性のお客様が多いのでびっくりしていますけど、男たちに“映画館に行けよ、牙を磨いてこいよ”と、どうぞ薦めてくださいね。この映画がヒットするとまた白石監督が素晴らしい映画を作れます。柚木先生も本当に素晴らしい原作を作ってくださって。白石監督が映画の方はアレンジしてちょっと原作よりもゲスな味付け、演出が入っていますが(笑)、これから二時間じっくり楽しんでください。本日はありがとうございました!

【写真】役所広司

これから映画を観る観客に向けてコメントし、盛大な拍手に包まれながらイベントは幕を閉じた。

[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 蒼山 隆之]

イベント情報

映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶

■開催日: 2018年5月12日(土) 
■会場: 丸の内TOEI①
■登壇者: 役所広司、松坂桃李、真木よう子、中村倫也、音尾琢真、阿部純子、ピエール瀧、江口洋介、柚月裕子(原作者)、白石和彌監督

【写真】映画『孤狼の血』公開初日舞台挨拶

映画『孤狼の血』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『孤狼の血』

《ストーリー》

「わしは捜査のためなら、悪魔にでも魂を売り渡す男じゃ」昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。

 
出演: 役所広司、松坂桃李、真木よう子、音尾琢真、駿河太郎、中村倫也、阿部純子、中村獅童、竹野内豊、滝藤賢一、矢島健一、田口トモロヲ、ピエール 瀧、石橋蓮司、江口洋介
 
原作: 柚月裕子(「孤狼の血」角川文庫刊)
 
監督: 白石和彌
 
脚本: 池上純哉
音楽: 安川午朗
撮影: 灰原隆裕
照明: 川井稔
録音: 浦田和治
美術: 今村力
企画協力: 株式会社KADOKAWA
製作: 「孤狼の血」製作委員会
配給: 東映
 
2018年 / 日本 / 126分 / 映倫区分 R15+
 
© 2018「孤狼の血」製作委員会
 
2018年5月12日(土) 全国ロードショー!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @Korounochi_2018
公式Facebook: @korounochi.movie
公式Instagram: korounochi_movie
 

この記事の著者

蒼山 隆之アーティスト/インタビュア/ライター

映画俳優や監督のインタビュー、映画イベントのレポートを主に担当。
東京都内近郊エリアであれば、何処にでも自転車で赴く(電車や車は滅多に利用しない)スプリンター。

そのフットワークを活かし、忙しい中でもここぞという時は取材現場に駆けつけ、その時しかないイベントを現地から発信したり、映画人の作品へ対する想いを発信するお手伝いをしている。

また、自身も表現者として精力的に活動を展開。

マグマ、波、雷など、自然現象から受けたインスピレーションをブルーペイントを用いたアートで表現する「Blue Painter」として、数々の絵画作品を制作。銀座、青山、赤坂などで開催する個展を通じて発表している。

俳優の他、映画プロデューサーやインテリアデザイナーと幅広い顔を持つブラッド・ピットをこよなく尊敬している。

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