- 2015-10-27
- イベントレポート, ティーチイン, 日本映画, 第28回 東京国際映画祭, 舞台挨拶
左から 吹越満さん(俳優)、岸井ゆきのさん(女優)、安藤輪子さん(女優)、石橋けいさん(女優)、山内ケンジ監督
第28回 東京国際映画祭(TIFF) 日本映画スプラッシュ部門
映画『友だちのパパが好き』舞台挨拶/Q&A
妙子役に入り込んでいた岸井ゆきのがアドリブ演技を語った。
「私も、マヤが死ねばいいって思っていました」
10月27日(火)、第28回東京国際映画祭(TIFF)の日本映画スプラッシュ部門で山内ケンジ監督の映画『友だちのパパが好き』が上映され、上映後の舞台挨拶に、山内ケンジ監督、吹越満(パパ役)、岸井ゆきの(娘役)、安藤輪子(娘の友だち役)が登壇し、Q&Aが行われた。
本作は、どこにでもいそうな中年男が娘の友人から熱烈に好かれて、猛烈にアタックされるラブストーリー。ストーリーのなかで、様々な人間模様が浮き彫りになっていき、主人公の中年男・霜崎恭介に個性派俳優の吹越満、その娘の妙子に岸井ゆきの、娘の友人役マヤに安藤輪子をはいし、緩急ちりばめられたテンポのよい作品となっている。
《舞台挨拶/Q&Aレポート》
矢田部吉彦(コンペティション部門・日本映画スプラッシュ部門 プログラミング・ディレクター)の司会のもとに始まった舞台挨拶とQ&Aは、独特な間がなんともいえない魅力で静かな盛り上がりをみせた。
山内監督は当初、ほとんど両目を閉じたままうつむき加減でしばらく話を続けていました。その様子をみて、極度にシャイな方なのかと思い始めた頃に突然、「目をつぶったままですみません!ライトが眩しくて目が開けられません!」と話すと、客席には笑いの渦となった。
Q&Aでは、山内監督が妙子役の岸井のアドリブ演技に言及した際、岸井が「さっき、どなたかがおっしゃっていたように、私も、マヤが死ねばいいって思っていました。台本には単に”去る”とだけ書いてあったのですが、なにもしないで去ることはできないって思ってアドリブで蹴ったところ、OKが出たんです」とコメントし、役に入り込んでいた様子を語った。
「映画の中では、当初は仲の良い友人同士でしたが、役をはなれたところでのおふたりの関係はどうだったのでしょうか?」という問いかけに岸井は「(初共演で)会って間もないから、会話の糸口を見つけるのが難しく、そんなにお話ししなかったように思います」と答え、安藤は「私は、もっとお話ししたかった」と舌足らず氣味に語り、上目遣いの人懐っこい表情で岸井の顔を覗き込んだ。
山内監督と吹越からは、撮影が夕方日没ギリギリの時間帯になることが多く、これ以上暗くなったら何も見えなくなってしまうという緊張感のなか撮影が行われたことと、逆効果のごとく日没後“マジックアワー”のおかげで思いがけない映像が撮れたりしたことなどが語られた。
[メインスチール写真: © 2015 TIFF]
イベント情報
第28回 東京国際映画祭(TIFF) 日本映画スプラッシュ部門
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映画作品情報
第28回 東京国際映画祭(TIFF) 日本映画スプラッシュ部門出品
英題: Her Father, My Lover
監督・脚本: 山内ケンジ
エグゼグティブプロデューサー: 小佐野 保
プロデューサー: 木村大助
撮影監督: 橋本清明
照明: 清水健一
録音・整音: 木野 武
衣装: 増井芳江
ヘアメイク: たなかあきら
編集: 河野斉彦
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