なら国際映画祭 for Youth 2021
“祈”レッドカーペット
世界遺産・春日大社で初開催!
13歳~18歳のユースシネマインターン21名が登壇!!
NPO法人なら国際映画祭が“芸術の力で次世代を担う子どもたちの応援プロジェクト”として、9月18日(土)~20日(祝・月)の3日間で「なら国際映画祭 for Youth 2021」を開催!
開催初日となる9月18日(土)、世界遺産・春日大社で初となる“祈”のレッドカーペットが行われ、映画祭の主役であるユースシネマインターンと映画祭エグゼクティブディレクターの河瀨直美が登場した。
ユースシネマプロジェクトに参加したユース21名が登場!
ユース代表・古見成生「“経験”というとても大きなギフトをもらいました」
オープニングの「“祈”のレッドカーペット」では、ユースシネマプロジェクトに参加した13歳~18歳のユース26名のうち21名が登壇。「映画制作ワークショップ」に参加した古見成生は、「なら国際映画祭のプログラムを通じて、“経験”というとても大きなギフトをもらいました。この経験から学んだことを、奈良だけでなく、日本中・世界中のみなさんにもお届けしたいと思います。春日大社で”祈り”のレッドカーペットをさせていただけることも、とても幸せなことだと思っています。この時だからこそ、世界の平和を祈りたいと思います」とコメント。
そして、「ユース映画審査員」と「ユースシネマインターン」に参加した瀬戸紫英は、「今回は、映画配給・宣伝活動を行うプログラムに参加しました。この状況下なので、チームのみんなとは、Zoomを活用してミーティングを重ね、ポスター制作や予告編制作を行いました。私たちが宣伝をする作品の監督や、この活動をサポートしてくださった宣伝のプロフェッショナルの方々とのコミュニケーションが、私の挑戦意欲を更に高め、時間を忘れるほど集中する感覚を与えてくれました。人生のロールモデルになるような本気の大人との出会いはさらに未来を明るくさせてくれるものとなりました」と、映画祭のプログラムに参加した思いを、世界で視聴している方々に英語で伝えた。
エグゼクティブディレクター 河瀨直美より挨拶
「私自身もユースのみんなから勇気と希望をもらいました」
「なら国際映画祭for Youth 2021」が開幕いたしました。総勢26名のユースたちが、3つのワークショップを通して、私たちに素晴らしい感動を与えてくれています。 「ユース映画制作ワークショップ」では、3つのグループに分かれて、3作品を作り上げました。最初にグループ内で自己紹介をするのですが、ウソの自己紹介をしてもらいました。そこで彼らは「自分自身が物語の一部になる」という体験をします。普段考えていてもなかなか口に出せないことを「表現」という形に変え、作品を創り上げました。これは、一人ではできないことです。 それぞれの人が世の中から自分自身にしかない自分を表現しながら、時には泣いたり、そして笑ったり、自分たちの意見をディベートし、高めあっていく。そういう熱い、暑い夏にしていました。 最後には、春日大社のお庭で上映会をさせていただくという稀有な体験をさせていただきました。当初、これだけ自分自身を深く掘り下げたものを観せるということが、恥ずかしいというか、本当に観せても良いのだろうかという気持ちの人も多くいました。ですが、上映後には多くの惜しみない拍手をもらい、大きな自信を得るという体験をしました。人生のなかでネガティブな出来事や体験があったとしても、映画はすべてポジティブに変えていくというものだと思っています。 続いて「ユースシネマインターン」というワークショップでは、リム・カーワイ監督の映画『いつか、どこかで』の配給宣伝を行いました。この作品は“エンターテインメント”というには少し難しい内容です。しかしながら、彼らは、この作品をしっかりと理解し、人に伝え広めていくために、リム・カーワイ監督に直接何度も何度も作品の背景などを深く聞きながら、彼らなりに一生懸命かみ砕いていきました。 この状況の中、オンラインでの打合せを繰り返し、チラシ・ポスター・予告編、そしてなんと、報道関係者の皆さまに送られたプレスリリースも自分たちで作って届けることができました。この体験について、先ほど司会をしたユースの瀬戸紫英さんが伝えていましたが、「最初は怖かった。断られるかもしれない。大人の世界に子どもが一生懸命言葉をつないだとしても、断られて邪見にされるかもしれない」と感じていたそうです。その気持ちをやがて乗り越えて、話を聞いてもらえた時に、彼らはこの世界・この未来に希望を感じられたのではないかと思います。反対に私自身もユースのみんなから勇気と希望をもらいました。彼らは少なからず未来を切り開いてくれました。 この「ユース映画制作」、「ユースシネマインターン」の2つのプログラムによる作品は、9月20日(月・祝)に皆様にお披露目することができます。オンラインでも上映するので是非皆様に観ていただきたいです。彼らの情熱をかけたこの夏の成果をご覧頂きたいと思います。 そして、「ユース審査員」というワークショップでは、ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門とショートショートフィルムフェスティバルアジアとコラボレーションし、長編作品はベルリン国際映画祭から、短編作品はショートショートフィルムフェスティバルアジアから持ってきました。 初日9月18日(土)のお昼は長編のベルリンの作品を2作品、9月19日(日)は短編のショートショートフィルムフェスティバルアジアの作品を上映します。それら作品たちをユースが国際審査員として審査し、「クリスタルSHIKA賞」を選定します。彼らの目は、大人である私たちの「子どもに観せて大丈夫かな?」という固定観念を心地よく裏切ってくれます。彼らのまなざしは、本当に「感動するものは感動するんだ」ということを私たちに教えてくれます。 ユースプロジェクトは、今年4回目の開催で、初回から参加してくれているユースのメンバーもいます。中学生だったメンバーが高校生になり、そしてまた中学生のみんなが参加する。 「次の世代の人たちにこれを伝えていきたい」と、彼らまだ10代の子たちが次の世代を考えている。この人の営みが、私たち「なら国際映画祭」から続いていて、今日は春日大社で奉納をさせていただきます。 私が生まれた50年前より、もちろんずっと前からここは神の庭です。神様がここにいます。人々が繋いでいる歴史の中で、奈良という町は文化を育み、文化を継承し続けています。今、全国には新しいものをどんどん取り入れて、古いものを壊してしまう風潮もどこかには見られる中で、私たちのまちは1,000年も継承する、日本としても誇れる場所だと思っています。世界遺産「春日大社」で私たちの映画を通して、次の世代の人たちが、生きることの大切さを、あなたが、その命が輝くことが、それだけで本当に素晴らしいんだということを伝えていきたいと思っています。 なら国際映画祭はまだまだ10年目です。1,000年先の人たちにも届くような映画祭でありたいと思っています。規模だけが大きくなるということではなく、長く続けていくこと、そのことの大切さを、この奈良にいると私自身も感じています。今年は、ユースのみなさんにフォーカスを当てています。そのため、このレッドカーペットセレモニーもユースのみんなに司会をしてもらい、奉納演舞を執り行いたいと思いました。まだまだ幼くて行き届かないところもあったかもしれないですけど、少なくとも私は感動しました。彼らが輝く場所を、ここから伝えていきたいと思っています。 |
奈良・ 大和への贈り物「琉球舞踊」の奉納演舞
舞踊家・宮城茂雄が想い人との別れを表現
春日大社・林檎の庭にて、琉球舞踊家として海外でも活躍する宮城茂雄氏による奉納演舞を開催。演目は、琉球舞踊女踊り「諸屯」(しゅどぅん)。映画祭のエグゼクティブディレクターで映画監督の河瀨直美のルーツである奄美諸島「諸鈍」が発祥と言われる諸鈍節が切々と歌われる中、コロナ禍の現代にも通じる「会いたい人に会えない切ない気持ち」が込められた演舞が奉納された。河瀨直美自らもこの様子を撮影し、YouTubeを通じて、世界中の人々に配信した。
なら国際映画祭 for Youth 2021
「“祈”のレッドカーペット」&「奉納演舞」🎞
イベント情報
なら国際映画祭 for Youth 2021 ~“祈”レッドカーペット~■開催日時: 2021年9月18日(土)19:00~21:00 |
<なら国際映画祭 for Youth 2021 開催概要>■名称: なら国際映画祭 for Youth 2021 ■プログラム内容: 9月18日(土) 9月19日(日) 9月20日(祝・月) ※長編映画作品、短編映画の上映作品はユース映画審査員対象です。 |
<なら国際映画祭とは>「なら国際映画祭」は奈良の平城遷都 1,300年目となる2010年から、映画作家の河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎え、2年に1回開催されている国際映画祭です。当会は、国内外の若手監督と奈良を舞台とした映画制作や、子ども・海外学生とのワークショップ、奈良市内を移動する映画館「ならシネマテーク」など、映画の魅力を伝える数々のプロジェクトを実施しています。次世代を担う子どもたちのプロジェクトの充実を図り、若き才能あふれる芸術の力で、世界を再び繋げていけるように映画の魅力を発信していきます。 |