- 2016-10-26
- イベントレポート, 第29回 東京国際映画祭, 記者会見
第29回 東京国際映画祭(TIFF)
コンペティション部門 審査委員記者会見
「5回目の富士登山を絶対にしたい!」審査委員長は日本が大好き!!
10月25日(火)、第29回東京国際映画祭(TIFF)が開幕し、映画祭の目玉部門であるコンペティション部門の審査委員記者会見が同日TOHOシネマズ六本木にて行われた。
コンペティション部門は、新人監督から熟練の監督までを対象に国際的な審査委員によってグランプリが選出される映画祭の主要部門で、今年は世界中98の国と地域から1502本の応募があり、その中から厳選された16作品が上映される。
全員来日経験ありの審査委員5名
審査委員長は、世界的大ヒット作となった『ディーバ』で監督デビューを果たした、映画監督、脚本家、プロデューサーであるジャン=ジャック・べネックス氏。主な監督作品は、『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』(1986年)『ロザリオとライオン』(1989年)などがある。
審査委員は、2013年に『幸せのバランス』(2012年)で主演男優賞、『ローマに消えた男』(2013年)で助演男優賞を受賞した俳優のヴァレリオ・マスタンドレア氏。第88回アカデミー賞®受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年)のプロデューサーであるニコール・ロックリン氏。『誰かがあなたを愛してる』(1987年)で作品賞、脚本賞を含む4つの香港電影金像奨を受賞した映画監督のメイベル・チャン氏。『愛を乞うひと』(1998年)で国内外の賞を総なめにした映画監督の平山秀幸氏。5名とも、映画の宣伝などで来日経験があり、審査委員長のジャン氏を筆頭にユーモア交えた、なごやかな記者会見となった。
自分の感情を大切にして、受賞作品を審査する
「審査委員という立場から、社会的に訴えたいことはありますか?」との質問に、「映画を観た時に、まずは自分の感情が動くかどうかが大事」とマスタンドレア氏。「映画には社会的責任があるが、表現の自由もある。社会的責任と自由が争っているような作品を観たい」と平山氏。「偏見なく、心は真っ白な状態で、目はしっかりと見開いて映画を観たい」とジャン氏。
また、ニコール氏は、「スマホの小さな画面ではなく、大きなスクリーン画面で真っ暗な映画館で映画を観るということを大事にしたい」と、映画を観る環境についてのこだわりもみせた。
他にも、「好きな映画について」「日本で経験したいこと」などの質問にも、5名の審査委員それぞれの個性をにじませた回答が続いた。特に「日本で経験したいこと」では、ジャン氏が「5回目の富士登山を絶対成し遂げたい!」と来日経験20回以上という“日本オタク”ぶりを発揮した。
コンペティション部門は、各国から16作品がノミネートされている。日本からは、蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』、杉野希妃監督・主演の『雪女』の2作品がノミネートされており、どの作品が受賞となるのか、今から楽しみだ。
[記者: 大石 百合奈 / スチール撮影: 坂本 貴光]
記者会見概要
第29回 東京国際映画祭(TIFF)
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コンペティション部門 審査委員記者会見映像