映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』
(原題: The Fate of the Furious)
昨日の敵は今日の友?そして昨日の友は今日の敵に!?
シリーズ最強キャラが集う、最高の氷上決戦が今始まる!!
《ストーリー》
世界最速のアウトロードライバー・ドミニク(ヴィン・ディーゼル)。どんなカーレースでも負け知らずの彼は、恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)とともにキューバの公道レースで大暴れ。そんなドミニクの元に謎の美女サイファー(シャーリーズ・セロン)が突如現れる。彼女の登場をきっかけに、ある理由からドミニクは豹変。大切な仲間(ファミリー)を裏切り、サイファーとともに大量殺戮兵器を次々と盗み出していく。そう、サイファーこそ裏世界屈指のテロリストだったのだ。
固く結ばれていたファミリーたちの絆の崩壊。悪党と化したドミニクを捕まえるべく、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)やレティは、過去最大の仇敵デッカート(ジェイソン・ステイサム)と手を組む禁じ手までつかい、決死の追跡を試みるが・・・
《みどころ》
日本でも公開を重ねる度に、熱烈なファンを増やし続けている映画『ワイルド・スピード』シリーズ。ヴィン・ディーゼルとともに長年ダブル主人公をつとめた故ポール・ウォーカーの死を乗り越えて、ついに8作目を迎えた。
ワイルド・スピードのみどころと言えば、当然ド派手なカーアクション&ド級のバトルシーンだが今回は特に仕上がりがスゴい。一台ン千万円もする高級スポーツカーが湯水のごとく投入され、高速(というよりも光速と言いたい)でスクリーン狭しと走りまわっている。
そして車だけではなく、キャスティングもシリーズ史上最高の豪華さだ。前作や前々作で登場したひとクセもふたクセもあるボスキャラが惜しげもなく再登場し、夢のオールスター戦を繰り広げる。さらにはシャーリーズ・セロンやヘレン・ミレンといったオスカー女優まで参戦し・・・過去例をみない贅沢なキャスティングでファンの目を楽しませてくれる。
良い意味での、ありえない展開やムチャなストーリーも相変らず。だが「そんなワケ無いでしょ!」とツッこみを入れる野暮さは、この映画には無用だ。安定でノリのあるラテン・ビートなシナリオや作風は、むしろ心地良ささえ感じる。そういう意味で期待通り、安心して楽しめる一本と言えよう。
前述したように長年ブライアン役で主人をつとめてきたポール・ウォーカーは、シリーズ7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』の撮影中に、皮肉にも交通事故で急逝した。あたかもポールのレクイエムの様なSKY MISSIONのラスト・シーンは、ファンならずとも涙したものだが、彼に対するスタッフやキャストの「想い」は8作目の本作でも、しっかりと継承されている。
通常、出演者が途中で亡くなってしまうと、劇中のシナリオ上でも亡くなったことにして物語を進めてしまうことが多いが、ブライアンはずっと生き続けている設定となっている。「これからも、お前はずっとファミリーの一員だ」という強いメッセージが熱く伝わってくる思いだ。
ワイルド・スピードは、今後10作目まで制作され完結することが発表されているが、この名シリーズはポール・ウォーカーの魂と共に永遠に走り続けてくれそうな気がしてならない。
[ライター: 藤田 哲朗]
映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』予告篇
映画作品情報
脚本: クリス・モーガン
製作: ニール・H・モリッツ、ヴィン・ディーゼル、マイケル・フォレスト
劇場公開日: (北米)2017年4月14日 / (日本)2017年4月28日
© Universal Pictures
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