“クリエイティブは優劣ではない”
新監督5名を選出した決め手を語る
今回の募集では、予想を大きく上回る98名の応募があったという。選出については、当初は10人程度を想定していたが、最終的には5名がBABEL LABELの新監督として選出された。
中学生の頃から写真家として活動し、映像制作にも挑戦している19歳の増田彩来
アメリカで映像制作を専攻し、フリーランス映像監督として活動している林田浩川
アメリカで映画演出と舞台演出を専攻し、数々の短編映画を国内外の映画祭で発表している映像作家の志自岐希生
世界三大広告賞の一つ「The One Show」をはじめ、数々の受賞歴を持ち、カメラマン、ディレクター、プロデューサーとして多くの映像作品を手掛ける曽根隼人
数多くの広告映像を手掛けたキャリアを持ち、オリジナル脚本による舞台作品も発表しているフリーランスディレクターの下田彦太
この5名を選出した理由を藤井道人監督に聞いた。
—— 98名の中からこの5名を選んだ理由を教えてください。
藤井: まず増田さんは、何かの縁だと思ったからです。元々写真家としてもファンで、彼女が監督を始めていることは知っていたんですけど、逆に彼女の方から応募をしてくれました。19歳というまだ若い段階でうちのチームに興味を持ってくれていたなら、一緒にできることは絶対あると思ったので選びました。
林田さんと志自岐さんは、同じような理由です。2人はそれぞれ去年とか今年まで海外にいて、日本に戻ってきましたが、これまで“映画製作を学んでから日本に帰って来ても出口がない”、“すごくいい勉強をしたけれど日本で全然出口がない”という先輩監督たちを結構見てきました。
2人の作品って日本的ではないというか。自分たちもドメスティックではなく、もっと外に目を向けたクリエイティブをしていきたいと思った時に、刺激的になるのではないかと思って2人を選びました。あとの2人は、どちらかというと合流というか拡張という感じですね。
下田さんは僕らよりもキャリアのあるCMディレクターで、数々の広告を撮ってきた先輩です。下田さんのように経験のある人が僕らのチームに入ってくれることによる化学変化に期待して、加入をお願いしました。
曽根くんは僕と同い年なんですけど、同じような人生を歩んできていて、大阪で東京で、自分達でディレクターもプロデューサーも色々なことをやってきている。そのタイミングで今こうして合流できたことは面白いなと思いました。全く別々の人生を歩んできたけれど、今だからお互いがお互いに対してできることがあると思っています。
後は、93人の落ちてしまった人達が優秀だとか優秀ではなかったという話ではありません。“僕が観てみたい”という要素が大きかっただけです。落選した人達全員にメールを送ったんですけど、“クリエイティブ”って優劣ではないので。選んだ5人は、単純に“僕は好きです”ということです。それがこれから多くの人達からの“好き”になってもらえればと思います。