BABEL LABEL 藤井道人×新監督陣 独占インタビュー

映像作家として、それぞれが成し遂げていきたいたこととは

増田: 私は写真の世界が大好きで。でもある時に写真は瞬間の切り取りだからこその世界がある、からこそ写真では残せないものもあることに気づきました。写真では残せない、けれど残したいものが映像では残せることに気づき、それがきっかけで映像を始めたんです。だから、自分が写真では撮れない、でも映像では撮れると思った良さ、映像で映したいと思ったものをちゃんと形にしていきたいです。抽象的なんですけど、写真が好きだからこそ見れるもの、写真を生かしたもの、その2つを合わせたものを何か作っていけたらいいな思っています。

林田: 自分は今年、危機感を感じながらも、“今自分にしか作れないもの”が明確に見えた気がしました。まずは溜まっているアイディアを全部、撮り切りたいです。移民の話や横浜の話、あとは台湾やサンフランシスコで感じた感覚など、個人的なものなのですが、自分が分かるものしか今は作れない気がするので、そういうアイディアを出し切って、次に何が浮かんでくるかをみたいです。

志自岐: 私は映画だけではなく、物語というものに救われてきた人間でした。なので、私がそうであった様に、全然違うところに住んでいる、もしかしたら私がいなくなった後の時代の人間でも、“この感覚ってこの世界で私しか分からないんじゃない?”と思えるような、それだけ個人的な繋がりがある物語を作りたいです。

下田: これまでCMディレクターとして広告の世界で映像を作ってきて、その中で多くのことを学ばせてもらいました。そのことにはとても感謝しています。一方で、そうやって仕事として映像に関わることが当たり前になる中で、“初めてカメラを持って回して、撮って、繋いでみた時の感覚”をずいぶん長いこと忘れていたような気がするんですね。なので、自分にとっての初心を思い出して、きちんとパーソナルなメッセージを発信するものを作る所からやり直していきたいと思っています。それをしてはじめて、自分にとっても観る人にとっても価値のある作品が作れるんじゃないかと思っています。

曽根: 僕は海外に移住した経験もないし、英語も喋れないけど、海外のことは興味があって、映画を通して知るのはすごく好きなんです。日本のことも好きだけど、一方で日本の映画とかドラマよりも海外の作品の方が好きなんですよね。それが悔しいです。日本には、問題でいうと自殺者が多いとか、原爆落ちた唯一の国だとか、特徴的な文化が多いのに、海外に発信している作品って少ないですよね。絶対に、もっと日本で作って世界中の人に観てもらう作品って作れるはずじゃないかなと思っています。そういう日本ならではの問題や特徴的な文化を、これからの作品にぶつけていけたらいいなと思っています。

◆自分たちだけは、ずっと聖域を守っていられるチームでありたい

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