㊗大ヒット御礼舞台挨拶
松岡禎丞「僕のフラクトライトも限界がある」
“思い出に残っていることしかない”とアニメ10周年を振り返る!!
2022年、TVアニメ放送開始から10周年を迎えた「ソードアート・オンライン」シリーズ。主人公のキリトからヒロインのアスナへ視点を変えて再構築し、新たな《アインクラッド》編を描いた第1弾映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』(2021年10月30日公開)は、週末興行収入ランキングで初登場第1位を記録し、全都道府県で10週間にわたるロングランヒットとなった。
そして、続編にあたる映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』が10月22日(土)に公開されると、初週の観客動員数は198,688人、興行収入は323,038,836円を記録し、週末興行収入ランキング1位を再び獲得!5週目に突入した。
11月20日(日)、新宿バルト9で大ヒット御礼舞台挨拶が開催され、キリト役の松岡禎丞、監督の河野亜矢子、チーフプロデューサーの三木一馬と大澤信博が登壇。原作・ストーリー原案の川原礫も会場スクリーンにリモート中継で参加した。
ミトがキリトに?それとも水瀬いのりが松岡禎丞に!?
大澤チーフプロデューサーが大好きなセリフとは…?
MCを務めた三木プロデューサーが客席に尋ねると、リピーターも多く集まっている様子。上映前の舞台挨拶ということもあり、ネタバレとなるクリティカルな発言には配慮をということでスタートした。
リモート出演となった原作・ストーリー原案の川原との中継がスクリーンに映されると、「おっ!でっかい!でっかいですよ、皆さん、『ソードアート・オンライン』原作者の川原礫です。よろしくお願いします」と挨拶。キリト役の松岡と河野監督、大澤プロデューサーも続いて一言ずつ挨拶した。
おすすめのシーン、ここは注目してほしいというシーンを聞かれると、松岡は「前作の『星なき夜のアリア』から時系列が進んでいるので、アスナとキリトの関係がどんどん“かかあ天下”になってきているなと。キリトとしてはそれが一番いいと思うんですよ。キリトが亭主関白なところは見たくないですから」「とあるシーンでアスナに“ガツン!”とやられるシーンを楽しみにしていただけたらと(笑)」と語り、前作では救世主のように登場し、終始かっこいいキャラクターであったキリトがいかにしてアスナにやられるのかを注目のシーンとして挙げた。
続く河野監督は同じくキリトがらみで「『星なき夜のアリア』では、アスナさんの前で入らなかったですね〜(笑)。でも今回は入ります。アスナの前で入ります。どこかは(映画本編で)ご覧ください」と前作では目線も合わせなかったキリトがどこで変わるかを注目のシーンに挙げた。
大澤プロデューサーは「最後にミト(水瀬いのり)が言うセリフがめちゃめちゃ好きです」とミトがキリトと絡むシーンを挙げ、「松岡さんが水瀬さんに一言とボロっと言われるんですけど」と言うと、「ミトがキリトに」か「水瀬いのりが松岡禎丞に」かが議論になり会場が大いに盛り上がった。
松岡が「本人もそう思っているかもしれないので、そこは今度聞いておきますね」とコメントすると、三木プロデューサーは「そんなことはない。そのやり取りはこの後(本編を)観るとわかりますので。そんなことはないです」とそうではないことを何度も強調し、これから観る方の期待と想像を膨らませた。
原作者一押しは「劇場版 キバオウ」
数々のモブキャラにも注目👀
最後に注目のポイントを聞かれた川原は「私はやっぱり“なんでやねん”でおなじみのキバオウさん(関智一)ですね。『星なき夜のアリア』では大分言いたい放題でヘイトを高めていった彼ですけれども、今作ではどういう立ち位置立ち回りなのか、“劇場版キバオウ”を見届けていただきたいです」と会場を沸かせた。
三木プロデューサーは「今回もよく観ていると、いろんなモブキャラクターがモブではないぐらい出ています。SAOをよく知っている方だったら気になるキャラクターが節々で観れます。隠れ○○みたいなのがあるので、その辺を注意して観てください」と注目のポイントを補足した。
10周年を振り返り一番思い出に残っていることとは?
松岡「岩浪さんの現場はタイムアタック」
SAOアニメシリーズ10周年を迎えた2022年。「一番思い出に残っていることは?」という質問に、原作の出版から13年目となる川原は「原作もアニメも《アリシゼーション編》をやりきれたことですかね。最初の頃に(原作の担当編集でもある)三木さんもおっしゃっていましたが、《アリシゼーション編》までやりたいというのが大きな目標で、それを原作でもアニメでも達成できたというのは、大分エンディング感がありました」と振り返る。
大澤プロデューサーが「TVアニメは全部で8クールです。1クールが3カ月ですから2年間ですね」、続けて三木プロデューサーも「映画が3本ですね」と補足すると、川原は「その期間で終わると思っていた作品展開が全然終わっていないので、これからも次なる目標に向かって頑張りたいです」と意気込みを語った。
ずっとキリト役を演じ続けている松岡は「もう思い出に残っていることしかないですけどね」と言ったうえで、「どの回のどのシーンのというのを、家で観直してみたとしても、また『あの回はどうでしたかね?』って聞かれても、その収録現場の空気感をすぐ思い出せるぐらい濃密でした。やっぱり(音響監督の)岩浪(美和)さんの現場って、1回の収録がめちゃめちゃ早いんですよね。もう《アリシゼーション編》なんて1話毎に妙なタイムアタックをしているような感じがあって、岩浪さんの録り方は天性のものなんだろうなっていう感じでした」と回想。
とある回では通常1回あたり4~5時間かかるアフレコを2時間半かからずに録り終えたという。松岡が「みんなで『これ1時間半切れるんじゃない?』って言っていました。『16時に始まったら、これ17時半には終わるんじゃない?』みたいな(笑)。速いからこそ、すごく印象に残っているところが多いです。(時間が)長ければ長いほど記憶する量が増えるじゃないですか。僕のフラクトライトも限界があるから(笑)」と持ち前のネタを交えつつエピソードを披露した。
アニメ10周年メモリアルイベントの舞台裏㊙エピソードも披露!?
大澤Pは梶浦由記バンドとLiSAを“ラスボス”と絶賛!!
そして『ソードアート・オンライン』の作中でSAOのサービスが始まったメモリアルイヤーでもあり、11月6日がその記念すべき日。アニメ10周年記念イベント「ソードアート・オンライン -フルダイブ-」が開催されたことに話題が移ると、大澤プロデューサーは「ずっと音楽をやっている梶浦由記さんのバンドが出てきて、それ自体がレアなんですけれども、すごくラスボス感あるなと思っていたら、最後にシークレットのラスボスが登場で。勿論我々は知っていたんですけど、それでもやっぱり上がるというのか。もう別世界でしたね。LiSAさんの登場は震えるぐらいすごかった。本物のラスボスですよ」と感想を激白。松岡に「ラスボス、ラスボス言い過ぎですよ(笑)」とつっこまれる場面も。またLiSAの楽屋は他のキャストや演者と完全に別部屋でシークレットルームになっていたことも明かされた。
ユナのライブがヤバすぎて、松岡の右足が震えることに!?
川原は「アニメ化したい」と美和Pの伝説を語る!!
イベントは東京ガーデンシアターでのリアル開催のほかオンライン配信も行われたが、戦闘シーンなどAR技術を使った迫力の演出など、プロデューサーが胸を張って「大赤字です!」と言うほど経費も存分に使われたという。
松岡が「ユナのライブはヤバ過ぎましたよね」と振り返り、「あそこで一つクレームが…」と言いかけたところで、待ちきれんとばかりに川原が「(岩浪)美和プロデューサーが最後の楽屋挨拶で、全員の前に立ったんですけど、その瞬間も目から大粒の涙がポロポロポロっと零れて号泣でした。あれはいいシーンでした。アニメ化したい」と舞台裏でのクライマックスを告白。松岡が「てっきり大赤字の涙かと思っていました(笑)」とボケつつ、「(NHKの)『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出れますよ岩浪さん」とコメントすると、川原は「これは伝説にしておかないと」と掛け合いが続いた。
言いかけていた“クレーム”について、松岡は「台本上、ユナのライブの後に修剣学園時代のユージオ(島崎信長)との朗読のシーンがあって。僕はリハの時から、自分の出番がない時は客席とか自分の好きなところで観ていましたが、ユナのライブが始まって“ヤバっ”て、めちゃめちゃ感動しました。リハの時はそのまま(続けて)出たんですけど、本番の時に気づいちゃったんです。ユナのライブで会場が泣いたり、いろんな感情が渦巻いているところで、『えっ?ここから1人で出るの?』って。本来だったら(新型コロナウイルス陽性判定のため欠席となった)信長と一緒に(それぞれがステージの)左右から出てくる予定だったんです。その時だけは正直信長には申し訳いけど、「アイツ~!!」って思いました。(ステージへ登場する際)「どうぞ!」って言われた瞬間に右足が震えましたね」と明かした。
今後のSAOシリーズに期待することは?
《ユナイタル・リング編》のアニメ化は切っても切り離せない!!
先日のフルダイブイベントの最後には完全新作オリジナル劇場版の制作始動の発表も。三木プロデューサーから「ここでマニフェストをお願いします」とリクエストされた大澤プロデューサーは「はぐらかすわけではないんですけど、TVアニメの第1期、第2期、劇場版の『オーディナル・スケール』までが最初の5カ年計画だったんです。その次の5カ年計画が《アリシゼーション編》の前編と後編、劇場版の『-プログレッシブ- 星なき夜のアリア』と『-プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』まで。次の5カ年計画をどうしましょうかね、三木さん!言えることがなくて…」と先日の発表でネタ切れの様子。
今後のSAOシリーズに期待することについて、川原は「もう“自分頑張れ”としか言えないですけど、ここまで来たからにはさらに10年後の2032年にもう1回フルダイブイベントをやりたいです。多分その頃にはテクノロジーも進化しているでしょうから」と回答。三木プロデューサーは「次はグッズが早めに売り切れないようにして」、大澤プロデューサーも「次こそ黒字にしましょう」と同調した。
さらに松岡は「まずは《ユナイタル・リング編》のアニメ化。これは切っても切り離せない」、河野監督は「私も一視聴者からだったので、もっと観たいな、アルゴとかミトとか。(松岡のほうを見て)キリトも(笑)。あとピナとか、リズベットも」とそれぞれが期待を膨らませた。
『星なき夜のアリア』と『冥き夕闇のスケルツォ』はアスナの成長の物語
『星なき夜のアリア』と『冥き夕闇のスケルツォ』、それぞれどのように意識を注ぎ込んだのか聞かれた河野監督は「この企画をやるかやらないかという時に大澤プロデューサーと面談したんですが、その時に私が絶対やるぞって言ったのはアスナの成長の物語ですね。もう一つがキリトとアスナの始まりでもあり、ミトとアルゴのことですね。アスナがどれだけ成長したか、『星なき夜のアリア』では一人で強くなる。『冥き夕闇のスケルツォ』ではどういう方向性で強くなるかという指針を込めさせていただきました。それに対しては皆さんがいろいろと感じることが沢山あると思いますので、多角的に捉えられるように取り組みました。ぜひご覧ください」と答え観客に委ねた。
最後にそれぞれからメッセージ🎤
観客からは盛大な拍手👏
最後に登壇者の4名、そしてリモート出演の川原からそれぞれメッセージが贈られた。
三木プロデューサー「この後『冥き夕闇のスケルツォ』が上映されますけども、『星なき夜のアリア』の中でのアスナとキリトの物語、そしてミトの物語。その結末が描かれていますので、人間の関係性がどのようになっているか楽しんでいただければと思います」。
大澤プロデューサー「もうまもなく興行収入が10億円です。観終わった後も友人の方などに是非おすすめを、あるいはSNSなどで紹介いただけたらありがたいです。今日は『すずめ』のほうじゃなく『ソード』のほうに来ていただいて本当にありがとうございます」。
河野監督「気づけば5週目ですが、まだまだ上映がいただけるので、是非何度も『ウォーリーを探せ』のように(笑)。いろいろ入れたんで、本当に大変だったので、いろいろ探して観てくれると嬉しいです」。
松岡「TVシリーズから映画、またTVシリーズから映画という流れがありますが、その一つ一つで自分たちも思いっきりお芝居させていただいています。CGのクオリティも昔と比べたら上がりましたが、すべてのスタッフの皆様が心血を注いだ一つ一つの表現の仕方はその時その時の最先端になっていると僕自身は思っています。なのでそれを余すところなく観ていただけたらなと思います。本当いろんなところに「あれ?もしかして?」とか、この2人の関係観ていきたいなとか、SAOでは切り離せない迫力の戦闘シーンであったり、一つ一つを噛みしめて楽しんでいただきたいです。そして………最後に何か言おうとすると詰まるんです僕(笑)。で、こう言うんです。“ありがとうございました”」。
川原「本当この『冥き夕闇のスケルツォ』は監督もおっしゃってましたけど、ものすごい、もういろんな要素がギュッと凝縮された密度の濃い映画になっています。あとはBGM、劇伴がこれはまた素晴らしいんです。もうボス部屋で流れているBGMがすごい好きで。なので音楽にも注目….ではなく“注耳”しながら、観て楽しんでいただけたらと思います」。
観客から盛大な拍手が贈られ、舞台挨拶は終了した。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』大ヒット御礼舞台挨拶■開催日: 2022年11月20日(日) |
映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』予告篇(追予告)
映画作品情報
《ストーリー》《これは、ゲームであっても遊びではない。》 世界初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン》がデスゲームと化し、1万人のユーザーがゲームの世界に閉じ込められてから、既にひと月以上が過ぎていた。 鋼鉄の浮遊城《アインクラッド》第一層を攻略したアスナは、キリトとコンビを組んだまま、最上階を目指し旅を続けていた。 女情報屋アルゴの協力も加わり、攻略は順調に進んでいるかのように見えたが…… 攻略を先導するトッププレイヤー集団、《ALS》(アインクラッド解放隊)と《DKB》(ドラゴンナイツブリゲード)。 本来は共闘すべき2大ギルドの対立が勃発する。 その陰には、暗躍する謎の人物の姿が――。 死と隣合わせの危険な戦いのなか、《攻略》とはまた異なる《脅威》が、アスナとキリトを巻き込んでいく――! |
タイトル
劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ
スタッフ
原作イラスト・キャラクターデザイン原案: abec
キャラクターデザイン・総作画監督: 戸谷賢都
アクションディレクター・モンスターデザイン: 甲斐泰之
キャスト
アスナ: 戸松 遥
アルゴ: 井澤詩織
© 2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
絶賛公開中!
10周年特設サイト: https://sao10th.net/
公式Twitter: @sao_anim
AnimeJapan 2022 「ソードアート・オンライン 10th Anniversary Project -The Beginning-」レポート