アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶レポート

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (駒井蓮、前野朋哉、芹沢興人、平岩紙、大橋裕之、岩井澤健二監督)

アニメーション映画『音楽』
公開初日舞台挨拶

原作者も「映画の方が本物みたいな感じです」と太鼓判!
7年間かけ4万枚超を手書きで描いた前代未聞のアニメーションがついに公開!!

漫画家・大橋裕之の漫画『音楽』を、岩井澤健治監督が約7年超の制作期間を費やして映像化した長編アニメーション映画『音楽』が、1月11日(土)ついに公開された。

公開初日舞台挨拶が新宿武蔵野館で行われ、キャラクターの声を演じた駒井蓮、前野朋哉、芹沢興人、平岩紙、そして原作者の漫画家・大橋裕之と岩井澤健二監督が登壇した。

映画『音楽』は、楽器を触ったこともない不良学生たちが、思いつきでバンドを組むことから始まるロック奇譚。漫画家・大橋裕之のシンプルな曲線で描かれる画風を再現しながらも、実写のリアルな動作を兼ね備えるアニメーションを実現するため、“ロトスコープ”という実写の動きを手描きでトレースして絵に起こす手法を採用。全て手描きで書き起こされた作画枚数は4万枚を超える。

【画像】アニメーション映画『音楽』メインカット

楽器未経験ながらバンド「古武術」を組む不良高校生・研二役の声優は、ミュージシャンの坂本慎太郎が担当。その他、研二の同級生でガールフレンドの亜矢役に駒井蓮、「古武術」のメンバー太田と朝倉役に前野朋哉と芹澤興人、「古武術」をフェスに誘う「古美術」のメンバー・森田役に平岩紙、そして研二をライバル視する他校の不良・大場役に竹中直人という豪華メンバーが声を当てている。

ヒロイン・亜矢役の駒井蓮は「オーディションの時に原作を読ませていただいたときに 、亜矢の特徴的な髪形などから、スケバンというキャラクターをどう演じようと思っていたのですが、監督には“ビジュアルは気にせずやってください”と言われ、いかに可愛らしく見た目とのギャップを出せるか 、青春感を意識して演じました」と話す。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (駒井 蓮)

「一番難しかったのは、物語の最後のほうで、研二に照れ隠しで『気持ちわるっ』というセリフ。監督と相談しながらと何度もニュアンスを変えて撮りなおしました」という。亜矢と研二のこのやり取りは、原作ファンのなかでも人気のシーンということで、舞台挨拶の場で生再現が行われた。駒井は「映画を観ていただいた直後にやるというのはプレッシャーがすごいんですけど…」と言いつつ、研二のセリフを平井澤監督に担当してもらえるようお願い、チャーミングに演じてみせた。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (駒井 蓮)

研二の友人・太田役の前野朋哉は、太田と同じリーゼントの髪型で登場。もともと原作の大ファンだという前野は「音楽の映画化が始動しているという情報は知っていて、“激アツじゃん!”と思って観に行こうと思っていたんですけど、一年前、大橋さんから「声優どうですか」とお声がけいただいたときは、もう感激して手が震えちゃって…プレッシャーもあったんですけど、テンション上がりましたね!役作りは特にしていなくて(笑)。動く絵を見たら自然にあの声になりました」と話す。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (前野朋哉)

研二のライバル・大場の声を演じた竹中直人のキャスティングには前野が一役買っているという。「たまたま竹中さんと同じ舞台に出演しているとき、竹中さんがよく僕の楽屋に遊びに来てたんです。僕が大橋さんの漫画『ゾッキ』の単行本を楽屋の冷蔵庫の上に置いておいたら竹中さんが読んでドはまりしたようで、竹中さんから興味をもって自身のラジオに大橋さんをゲストに呼んだり、コンタクトをとったのが今回につながったのかと思います」と、前野が竹中と大橋との出会いを話すと、その話を受け、大橋は「僕も竹中さんに声優やってもらえないかなと思っていたんですけど、“『音楽』のアニメを作っているんです”という話をしたら竹中さんの方からぜひ出たいですと言ってくださいました」と声優が決まるまでのいきさつを話した。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (大橋裕之)

平井澤監督は、今回の映画で一番最初にイメージしていたのが研二のもう一人の友人・朝倉役の芹沢で、かなり早い段階で出演の依頼をしたといい、製作中も「朝倉はずっと芹沢さんのイメージで描いていました」と、明かした。芹沢は「アニメのアフレコは、タイミングも尺も決まっている中で納めなくてはいけないというのが難しくて。事前にガイドとしてタイムコード入りの素材をもらっていて、本番中にタイムコードが出て何分何秒になったら言うぞと思って待ってるんですけど、うまくタイミングに乗れず声が出なかったりとか。『おう』というようなセリフが多かったんですけど、たまに長いセリフがあると、また勝手が違ってできなくて(笑)」とアフレコの苦労を語った。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (芹沢興人)

前野と芹沢、研二役の坂本慎太郎のアフレコは、一緒にブースに入って行われたという。前野はアフレコの様子を「坂本さんが完ぺきだったんですよ!声と(映像の)リップが完全に合っていて、かなり練習されたのか、計算されている感じがあって、ほぼミスなかったんじゃないですかと思います。僕らは『ここ早口にしないといけない』とか何テイクもやらせてもらいましたね」と話すと、芹沢も「研二はしゃべらない時間が多いから、坂本さんセリフ忘れたんじゃないかと心配になるんですけど、ちゃんとタイミングも覚えてるんです。すごかったですよね!感動していました」と同調。「坂本さんって動じないんです。バンドとしても、リーダーがドーンといてくれてるので、僕らは研二についていこう、研二が何を言っても僕らは何でもしますよっていう感覚で演じさせてもらいました」と、役柄の上でも演技の上でも坂本の存在感に引っ張られたと話した。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (芹沢興人、前野朋哉)

バンド「古美術」メンバーの森田役・平岩紙は、男子高校生役のオファーを受けたことについて「すごく嬉しくって!役者っていろいろなイメージを持たれると思うんですけど、その中で自分に男子高校生をあててくださったことが震えるくらい嬉しくて、舞い上がっていましたね」と話す。

森田というキャラクタ―については、「森田君が音楽と出会ったときって劇的だったんだろうなと思うんです。それからは寝ても覚めても音楽のことを考えている青年。この作品の中で森田君が成長して代わっていく姿が描かれていて、もう一人の主人公のように思いまいした。難しかったですし、オタク気質で、夢中になると早口になる。『ちびまるこちゃん』の丸尾君とかを思い浮かべながら演じました。もっとこういえばよかったとか、演じかたについてすごく貪欲になれた役。監督がOKですって言ってくれてもまだ練習してしまって、帰り道でも練習してしまって(笑)。まだまだやらせてもらいたい、大好きな役になりました」と愛着をみせた。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (平岩紙)

原作者である大橋裕之は「監督とは、近所に住んでいて同じバイトをしていたりしたので、映画が徐々にできているのを観てはいたのですが、完成した作品を大きな画面で観て「すごいのができた」と思いました。原作はパっと考えてパっと書いたので、こっちの方が本物みたいな感じです(笑)」と話す。

映画のパンフレットには「平井澤監督と私」という書き下ろし漫画が収録されている。「漫画に描いたんですが、スーパーとかでたまに会ったり。長い製作期間でお互いにしんどい時がには連絡して、コンビニでビールを買って飲みながらしゃべったりしていました」と、監督と原作者・二人三脚で乗り越えた7年間を振り返った。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (大橋裕之)

平井澤監督は、ついに公開初日を迎え「感無量です」と感慨深く挨拶。「一番こわだりのあったフェスシーンは印象に残っていますし、一番大変でした」と明かした。映画の中には、ミュージシャンの岡村靖幸があるシーンで声優を担当。岡村のアフレコの時、平井澤監督は「もうすぐ来ると思うと、ずっとそわそわしてしまいました」と話した。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (岩井澤健二監督)

最後には、代表者による挨拶ということで、サプライズで前野が指名された。事前に聞かされていなかったとのことで、「7年も制作されていて僕が参加したのはそのうちの2日とかですよ。嘘でしょ!」と慌てながらも、「劇場で観させてもらいましたが、言葉にできない感情が渦巻いて、「爆発させたいけどどうしたらいいんだ!」という気持ちが納められていると思います。個人的には、”今なにもできていない”という若い子、”これから何かしたいけど何をしたいかわからない”という人が観ると、今後何かその人に影響するようなパワーを持った作品だと思っています。最高の映画で、もう皆さん2回目を観たくなっていると思いますので、また映画館に足を運んでくださると嬉しいです!ありがとございました!」とイベントを締めくくった。

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (前野朋哉)

原画展も来月から開催が予定されている、映画『音楽』。手描きの作画も注目ではあるが、根底となる原作で描かれた研二たちの音楽に対する情熱、それと呼応する監督やスタッフの作品への情熱、全てが混在となってすさまじい熱量の作品となっている。

寒い冬、ぜひ劇場に足を運んで、この熱い作品に触れてみてほしい。

[スチール撮影&記者: 金尾 真里]

イベント情報

映画『音楽』公開初日舞台挨拶

■開催日: 2020年1月11日(土)
■会場: 新宿武蔵野館
■登壇者: 駒井蓮、前野朋哉、芹沢興人、平岩紙、大橋裕之、岩井澤健二監督
■MC: 松尾ゆき

【写真】アニメーション映画『音楽』公開初日舞台挨拶 (駒井蓮、前野朋哉、芹沢興人、平岩紙、大橋裕之、岩井澤健二監督)

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アニメ―ション映画『音楽』予告篇

映画作品情報

【画像】アニメーション映画『音楽』ポスタービジュアル

《ストーリー》

不良高校生・研二は、友人の太田と朝倉とともに、喧嘩に明け暮れる日々を過ごしている。喧嘩自体は得意ではあるが、特に楽しいとも思えない。そんなとき、偶然奏でたベースの音色にに衝撃を受け、太田と朝倉に声をかける。

「バンド、やらねえか」

楽器未経験ながらも音楽に魅了された研二たちは、バンドを「古武術」と命名。しかし、同じ学校に「古美術」というバンドが存在すると聞き、「古美術」のもとを訪れる。お互いの音楽を披露しあうと、「古美術」のメンバー・森田は「古武術」の音楽に感動、近々行われる音楽フェスに参加しないかと声をかける。

 
タイトル: 音楽
 
監督・脚本・絵コンテ・キャラタクターデザイン・作画監督・美術監督・編集: 岩井澤健治
 
出演: 坂本慎太郎、駒井蓮、前野朋哉、芹澤興人、平岩紙、竹中直人、岡村靖幸
 
原作: 大橋裕之「音楽 完全版」(カンゼン)
プロデューサー: 松江哲明
アソシエイトプロデューサー: 迫田明宏
協力プロデューサー: 九龍ジョー
プロジェクトマネージャー: 中島弘道
撮影・編集: 名嘉真法久
音響監督:山本タカアキ
 
音楽: 伴瀬朝彦、GRANDFUNK、澤部渡(スカート)
 
ロトスコープミュージシャン: Gellers、ホライズン山下宅配便、澤部渡(スカート)、安藤暁彦
 
劇中曲: GALAXIEDEAD、井手健介、野田薫、オシリペンペンズ
 
主題歌: ドレスコーズ「ピーター・アイヴァース」(キングレコード/EVIL LINE RECORDS)
 
製作: ロックンロール・マウンテン、Tip Top
配給: ロックンロール・マウンテン
配給協力: アーク・フィルムズ
 
2019年 / 日本 / ヴィスタサイズ / 5.1ch / カラー / 71分
© 大橋裕之・太田出版/ロックンロール・マウンテン
 
2020年1月11日(土)より
新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開!
 

映画公式サイト

公式Twitter: @eiga_ongaku
公式Facebook: @ongakumovie

この記事の著者

金尾 真里

金尾 真里ライター

神奈川県横浜市生まれ。
「うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと」(江戸川乱歩)を座右の銘とし、エンタテインメント全般を愛好。作品の規模、ジャンル問わず、自分が「面白い」と感じる映画の紹介をしたいと映画ライターの活動を行う。キャスティングと物語が好きな映画は『ベニスに死す』、好きな映画音楽は『ロシュフォールの恋人たち』、総合して一番好きな映画は『GSワンダーランド』

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