映画『殺さない彼と死なない彼女』
完成披露上映会 舞台挨拶
“殺しそうな”間宮祥太郎と“捨てられない”桜井日奈子が語る、撮影裏話。
「何度読んでも泣いてしまう」「心が洗われる」「明日も 頑張って生きようと思える」 Twitter に投稿した四コマ漫画が多く読者の胸を打ち、熱狂的な支持を集める漫画家・世紀末の処女作にして代表作「殺さない彼と死なない彼女」 (KADOKAWA刊)が実写映画化され、11月15日(金)より全国ロードショーとなる。
何事にも興味が持てない無気力男子高生・小坂を間宮祥太朗が演じ、心優しい、死にたがり少女・鹿野を桜井日奈子が漫画の世界観を丁寧な表現で好演している。
その他キャスト陣には、恒松祐里、堀田真由、箭内夢菜、ゆうたろう、 金子大地、中居暢樹ら、次世代若手実力派俳優が集結し、自然光の魔術師として注目されている小林啓一が監督を務める。
10月17日(木)、公開に先駆けて完成披露上映会が新宿バルト9で開催され、W主演の間宮祥太朗と桜井日奈子、共演の恒松祐里、堀田真由、箭内夢菜、ゆうたろう、金子大地、中尾暢樹、そして小林啓一監督が登壇。それぞれの役柄や作品のみどころ、作品タイトルにちなんだエピソードトークが語られた。
約400席が満席となった会場。キャストらは、客席後方から登場し、観客とタッチしながら舞台に登場した。登壇者たちの衣装は“青”がテーマ。統一感がありながらも、それぞれが独自のカラーを見せた。
パープルがかったスーツ姿の間宮は、「“殺さない彼”なのに殺しそうな服で着てしまいました(笑)」と自嘲を交え、昨日この劇場に映画を観に来たという桜井とともに、キャストが揃う初めての機会となるこのイベントを通して「撮影では顔を合せなかったキャストのことを知れたら」と話した。
友人同士を演じた恒松と堀田は、役柄通り仲の良さを見せ、「カフェか!」とツッコまれる場面も。
キャストらは撮影を振り返り、箭内は居心地のいい現場だったと回想。
ゆうたろうは「ワンカットの長回しで撮ることが多く、奇跡のようなワンシーンを目指していた。奇跡がたくさん詰まった映画だと思う」と話し、中尾も同意した。
小林組の参加は二度目となる金子も、「妥協のない監督」と評し、撮影を楽しんだと話した。
小林監督は、「みんなが良いことを言ってくれたので十分です(笑)」と締めた。
イベント後半は、映画タイトルにちなみ、「○○ない彼」、「○○ない彼女」ということばで自分を表現するなら○○には何が入るかというトークが繰り広げられた。それぞれはが事前に答えを書き込んだフリップを一斉にオープン。
間宮は「あまり感情が顔に出ない彼」と回答し、仕事が決まったときの反応の薄さをマネージャーに指摘されると話した。その間宮と過去に幼馴染役で共演した堀田は、当時を振り返り「間宮さんをいじれない彼女」と回答。間宮は「いじってもうまい返しをしてくれるから、つい」と弁解した。
桜井は「捨てられない彼女」と回答。貰ったものなどを記念の品としてとっておいて捨てられないと話した。
買い物や着る服などを「選べない女」と回答した箭内も、同様の悩みを抱えていると同意した。
「なかなか切れない彼女」であるという恒松は、子どもの頃からバレエをやっているので髪が切れなかったという。原作の地味子がショートヘアーのため、やっと髪を切れる!と思ったが、「後ろ姿で桜井さんと見誤るようにしたい」という小林監督の考えからセミロングになったと残念そうに話した。
ゆうたろうは「可愛いくない彼」と回答すると、間宮をはじめ、「かわいいだろ」と即ツッコみが。「初めてメディアに出たときのピンク色の服の印象が強く、撮影で綿菓子持ってと言われることもあるのですが、甘いものは嫌いだし、淡々としゃべるし感情が表に出ないタイプ。服だけは可愛いって言ってください!」と訴えた。
「起きられない彼」と回答した金子は、恒松から「そういえば一緒のオーディションのとき寝坊して、パジャマで走ってきてた!」と暴露が。「言うなって!」と慌てながら、「今はめちゃくちゃ目覚ましかけて起きてます」と、努力を明かした。
中尾は「気にしない彼」と回答。あんまり怒ることがないといい、「電車で異臭の人がいても、理由を考えてポジティブに変換できる。“ネガティブでない彼”です」と話すと、間宮は「この劇場に臭い人がいたら」と問うと、「楽しみでお風呂は入れなかったんだな」と“ポジティブ”に解釈し、笑いを誘った。監督も「面白かった」とそれぞれの回答を絶賛した。
最後に、これから映画を観る観客に向け、主演の二人からメッセージが語られた。
桜井は、「“君の隣で、世界は変わる”というコピーのように、心を許せる人がひとりいればいい、数ではないというメッセージ性のある映画です。今日は寒いですが、幸せであたたかな気持ちに包まれて帰ってもらえたらと思います」と話した。
間宮は、「“泣ける”といわれると“泣かせる”ような押しつけがましさを感じて自分はつい構えてしまう。この映画のお話をいただいたときに“泣ける四コマ”ときいて構えながら原作を読んだが、“感動させよう”といういやらしさを全く感じなかった。そうした世紀末さんの“視点”を、小林監督が脚本におこし、長回しを自然光で撮ったキャストのありのままの姿。綺麗な映画だなって思いました。ひとりひとりの“ふたり”の話なので、そういう人が浮かぶと良いなと思います。この映画が心に残ったら、大事だと思う人に口で伝えてください。そうすれば絶対見てくれます」と、語りかけた。
映画『殺さない彼と死なない彼女』は、10月28日(月)より開催される第32回東京国際映画祭(TIFF)で特別招待作品として上映され、11月15日(金)に全国ロードショーとなる。
自然光を活かした映像美と、繊細な人間描写で描かれる“ふたり”の物語に、ぜひ劇場で触れてみてほしい。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 金尾 真里]
イベント情報
映画『殺さない彼と死なない彼女』
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映画『殺さない彼と死なない彼女』予告篇
https://youtu.be/M4k9gxYC0dc
映画作品情報
《ストーリー》感動予測不能すべて孤独をあたたかく癒す、 何にも興味が持てず、退屈な学生生活を送っている高校三年小坂れい(間宮祥太朗)。ある日、小坂教室で殺されたハチ死骸を埋葬してい るクラスメイト・鹿野なな(桜井日奈子)に出会う。虫命を大切に扱う心優しい一面を持ちながら、ネガティブな言動で周囲から孤立し、リストカット 常習者で死にたがり鹿野に味を抱く小坂。<ハチ埋葬>をきっかけに、二人一緒にいることがあたりまえになっていくだが…。 |
監督・脚本: 小林啓一
2019年11月15日(金) 全国ロードショー!
公式Twitter: @korokareshikano
公式Instagram: @korokareshikano