映画『子供はわかってあげない』完成披露上映会 舞台挨拶
“小さな夏休み”のような作品
公開延期を経て「おいしく熟して食べごろ」に!
沖田修一監督が初の漫画原作でメガホンをとり、第24回手塚治虫文化賞・新生賞受賞、「マンガ大賞2015」第2位など数々の漫画賞を受賞した田島列島の長編デビュー作「子供はわかってあげない」が待望の映画化!コロナ禍での公開延期を経て、ついに8月13日(金)にテアトル新宿先行公開、8月20日(金)に全国公開される。
映画の公開に先駆けて、7月27日(金)に完成披露上映会がニッショーホールで開催され、上映前の舞台挨拶に主演の上白石萌歌、共演の細田佳央太、千葉雄大、豊川悦司らキャスト陣、そして沖田修一監督が登壇。役作りや撮影時のエピソード、キャスト陣それぞれの“忘れられない夏の思い出”などが語られた。
2年前の撮影は上白石萌歌の“10代最後の夏”
「宝物のような時間を過ごせました」
10代最後の夏を本作に捧げた上白石。撮影の思い出について、「もとから沖田監督の大ファンで、まさか自分が沖田監督の世界で生きられると思っておらず、嬉しさを嚙みしめていました。また私は水泳選手の役がこの作品で3連続目だったのですが、それぞれ種目も違ったので水泳の個人メドレーのようだなと思っていました(笑)。肌も真っ黒に日焼けさせて、髪も人生で一番髪を短くして。本当に10代最後の夏の宝物のような時間を過ごせたなと思います」と振り返った。
また上白石は「クランクインの日に、学校の屋上から1階までの4分くらいの長回しのシーンの撮影があって、そこでキャスト・スタッフの皆さんと一体感が生まれたと思います。そのシーンを撮り終えたとき『きっとこの作品は大丈夫だ』と思えました」といったエピソードも話し、細田も「長回しは緊張しますよね。ヘマするとしたら僕のほうですし…(笑)。でも大変だったけど楽しかったです」と謙遜しつつ共感を示していた。
“父親の理想”シーンに、豊川「夢のような時間でした」
作品との出会いについて、豊川は「最初に原作のコミックを読んで、物凄く面白い話だなと思いました。その後シナリオをいただいて読んだときに、みずみずしくて切なくて、こんなおっさんでも青春にひたれるほどに素晴らしくて。『是非やらせてください』と手を挙げさせていただきました」と原作とシナリオを絶賛しつつ語った。
続いて上白石と一緒に泳ぐシーンの話題では、「やっててちょっと恥ずかしかったですけどね(笑)。僕も萌歌ちゃんくらいの娘がいるんですけど、あれはまさに“父親の理想”というシーンだったと思います。お父さん普通娘にそんなことしてもらえませんから(笑)。まるで夢のような時間でした」と自らの経験と照らし合わせて話した。
これに対し上白石は「豊川さんのブーメランの水着姿が予告映像でもチラッと映っていますが、すごく貴重な映像になっているのでそこにも注目してください!」とアピールを加え、豊川は「なんだそれ(笑)」とツッコミを入れた。
千葉と細田はお互い兄弟のような存在
2人の空気感にほっこり☺
千葉は役についてについて聞かれると「僕が演じたあきちゃん(明大)っていう探偵の役は、ちょっと面白い感じになりつつ、萌歌ちゃん演じる美波に情を熱く傾ける役だったので、そういうところが面白かったです」と振り返った。
共演を重ねた細田について、また役について聞かれると「細田くんとは2019年この作品で出会って、その後ドラマでも兄弟役をさせていただいたので、2019年の僕の夏は佳央太くんと共にありました(笑)。他人とは思えず、本当に弟のように思っています。と語り、それに対し細田も「嬉しいですね。僕にとってもお兄ちゃんのような存在でした」と喜んだ。
舞台挨拶でも兄のような存在である千葉の隣に立ち安心したという細田。「直前に緊張するタイプなんですけど、今はもう大丈夫です!」と言うと、千葉は「良かったですね」と笑いかけ、細田も「ありがとうございます」とアクリル板越しにお互い指先を合わせ、仲睦まじい様子を見せた。
また続く沖田監督は今回漫画原作で初メガホン。撮影を振り返り、「10代の女の子で映画を撮りたいと思っていたところに素敵な原作の映画のお話があって。上白石さんとは背泳ぎの練習から始めたのですが、そういうところから一緒に役を作っていけたのは良かったなと思っています」と語った。
それぞれの“ひと夏の大冒険”
忘れられない夏の思い出を語る
続いて、”忘れられない夏の思い出”についてのトークに。
千葉は「大学生の頃に友達と一緒に”青春18きっぷ”で東京から広島まで行ったことがあって。漫画喫茶で夜を明かしたりして、広島に住んでる友達の実家に遊びに行ったんですけど、楽しかったです」と笑顔で話した。
豊川は「役者になろうと決めて大学を辞めて、それなりに自分でバイトして準備して20万円くらい持って東京に出てきたんですけど、ちょうど夏前にそのお金が切れてしまって、本当にお金がないという状況だったんです。すごく暑い夏でしたが、なんとか乗り切った記憶があります。知り合いのところに行って、携帯もない時代だったのでアパートの前で何時間も座って待ってたり、公園で水道の水を飲んだりしてました(笑)。1週間くらい経つと、『お金がなくても結構生きていけるな』と妙な自信がついてきていました」と衝撃のエピソードを語った。
細田は「小学生のころバス通学だったんですけど、早い時間に起きて行くのでその後に放送されている番組を何も知らなくて。それが夏休みに入ったことによって観れるようになって、それに優越感を感じていたという思い出があります。夏休みにテレビを観ている時間だけは大人の世界に入ったような気分でした(笑)」と話すと、千葉は「夏休みが明けるといきなりナウい子供になってるってこと?」と質問。細田は「そうですね。『あの番組観た?』とか言ってました(笑)」と認めていた。
上白石は「小学生のころ2年間だけ水泳を習っていまして、5年生の夏休みに水泳の夏期講習に毎日早起きして行っていたのが私が思う“夏ど真ん中”って感じでした。水泳スクールの前には6時半くらいからのラジオ体操に行ったりして、強制的にですが規則正しい生活を送っていたあの頃の夏が今恋しいです。水泳はもともとすごく苦手だったんですけど、祖母がそのとき80歳くらいでバシバシバタフライを泳ぐような人だったのでその姿に勇気をもらって始めました。それがまさか今映画などで活かされているなんて…本当にやっていて良かったです」と細田と同じく小学生時代の、本作にもちなむようなエピソードを語った。
またここで千葉に「萌歌ちゃんはあとバタフライを泳ぐ役を演じれば“個人メドレー”が完成するんだよね」と指摘された上白石は、それについても「(バタフライを泳ぐ役も)お待ちしてます!」と笑顔で加えた。
最後に主演・上白石萌歌からメッセージ✉
最後に上白石は「撮影から約2年が経ちまして、作品自体がとてもおいしく熟された食べごろの頃に、やっと皆さんにお届けできるようになりました。ここ数年は本当に苦しいことも大変なこともたくさんあって、まだまだ油断ができない日々で、この夏もあまりどこかに行ったりできないかもしれませんが、この作品が皆さんにとっても“小さな夏休み”のようなものになればいいなと思っています。我ながら素晴らしい作品ができたと思っているので、是非皆さん楽しみにご覧になってください!」とメッセージ。感謝と共に舞台挨拶を締めくくった。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『子供はわかってあげない』完成披露上映会■開催日: 2021年7月27日(火) |
映画『子供はわかってあげない』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》高校2年、水泳部女子の美波みなみはある日、書道部男子のもじくんとの運命の出会いをきっかけに、幼い頃に別れた父親の居所を探しあてる。何やら怪しげな父にとまどいながらも、海辺の町で夏休みをいっしょに過ごすが。。。心地よい海風。爽やかに鳴る風鈴。…超能力!?そして、初めての恋に発狂しそう!お気楽だけど、けっこう怒濤の展開。誰にとっても、宝箱のような夏休み、はじまりはじまり~。 |
<キャスト>
<スタッフ>
© 田島列島/講談社
2021年8月13日(金) テアトル新宿先行公開!
公式ハッシュタグ: #子供はわかってあげない / #こどわか