映画『小さな恋のうた』公開記念舞台挨拶
キャストも観客も感涙!!
恩師がサプライズの手紙で語ったバンドメンバーの裏側とは?
MONGOL800が2001年にリリースしたアルバムに収録された楽曲「小さな恋のうた」。平成で最も歌われた男性アーティストによるカラオケランキング1位に輝き、新垣結衣やJUJUら60以上のアーティストがカバーするなど、世代や性別を問わず今なお歌い継がれているこの名曲から生まれた同名の映画『小さな恋のうた』が5月24日(金)より全国公開された。
公開翌日の5月25日(土)、新宿バルト9での上映後に公開記念舞台挨拶が行われ、主演の佐野勇人、共演の森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁、トミコクレア、そして橋本光二郎監督が登壇した。
撮影前から半年以上の楽器演奏のトレーニングを経て撮影に挑み、1カ月半のオール沖縄ロケ、そして宣伝期間中のバンド活動など、長きにわたって濃密な時間を共に過ごしたキャストたち。
ついに公開を迎えた心境を、それぞれの言葉で語った。
観客の拍手の中、話題のバンドメンバーが登壇!語られた作品への思い
主演の佐野は「心待ちにしていた映画が公開され、嬉しい気持ちでいっぱいです」と挨拶。キャスト、監督それぞれが作品への愛を語り舞台挨拶は会場のファンと共に温かい雰囲気でスタートした。
バンドメンバーを演じ、「小さな恋のうたバンド」(通称:ちい恋バンド)としてメジャーデビューも果たした佐野、森永、山田、眞栄田、鈴木の5人は、楽器に触れるのはほぼ初めてというメンバーもいる中で約6ヶ月間の練習を重ね撮影に臨んだ。
苦労したことや悔しかったことについて聞かれると、佐野は「まぁ~難しかったんですけど、MONGOL800のキヨサクさん(上江洌清作)から一番初めにベースをプレゼントして頂いて、これやるしかねぇやんと思って、それがきっかけで頑張れました」とMONGOL800のメンバーとの交流エピソードを披露。
続く森永も「僕もサトシさん(MONGOL800・ドラム担当の髙里悟)からスティックを頂いて頑張って練習してたんですけど、練習1カ月くらいで折れてしまって…」と衝撃の事実を明かした。
兄妹役を演じ、お互いギターに挑戦するのは初めてであった山田と眞栄田。山田は「ギター初心者だけどギターも歌も楽しく続けることができた」とコメント。
眞栄田は「練習のたびに杏ちゃんが上手くなるので負けないように頑張りました」と話した。
メンバーの中で一番演奏が上手い役をつとめた鈴木は「僕が一番できなきゃいけないのに音楽への苦手意識があって遅れてしまって、苦労しました」と思いを明かした。
5人の言葉に対しそれぞれの成長を見てきたトミコクレアは「皆の曲を聴いてとてもハッピーになりました。ファンです!大好きですよ~」と愛らしいコメントを述べ、観客からの拍手を誘った。
橋本監督も「楽器を渡すところから始めて、僕はみんなに『やって!』というだけだった。でもみんなで集まって一人ずつどんどん上手になっていく姿に感動した」とキャスト陣の努力に目を細めていた。
サプライズで送られた恩師からの手紙に思わず涙
それぞれ苦労を重ねた彼らに本家 MONGOL800 のサポートメンバーでもあり、ボーカル&ベースのキヨサクからの頼みで「ちい恋バンド」の楽器や歌唱のトレーナーも務めた、宮内陽輔(ヨ―スケ@home)からの手紙がサプライズで読み上げられた。
手紙の冒頭では初めて台本を手にした時の感想を綴り「初めは厳しいと思った」と心の内を明らかにした。手紙の結びには「僕からは超特大の花丸を送ります。愛してます、とっても」と手紙を読み上げ終えると、キャスト陣はお互い顔を見合わせ笑ってしまうほどに大号泣。「初めてのお芝居だから楽器は上手にと、毎回自主練を頑張ってくれた。真っ直ぐな情熱がこのバンドのエンジンになっていた」とその存在を讃えられた眞栄田は静かに大粒の涙を流した。
「お芝居のことを見据えながら練習していた。男性キーの曲を見事にやり切ってくれて、芯の強さに救われた」との感心を受け山田も自身の涙を拭った。
佐野は手紙で「お調子者のキャラだが、何倍もみんなを気遣ってくれる人。誰も一人にさせない優しさがあって、すごいお兄ちゃん。体調が悪い時も全力で歌ってみんなを引っ張ってくれた」との言葉を受け取ると、目に涙を浮かべながら「やばいですね、ちょっと。陽輔さんは僕らにとっては大きな存在で、陽輔さんがいるからこそ頑張ろうと思えた。ぶつかったこともあったけど…」と振り絞るように話すも、耐えきれずに号泣。
それを引き取って森永は「楽器講師陣は僕らにとって大きな存在で、熱意を持ってやってくれた。講師の皆さんがいてくれなければ、バンドとして成り立たなかったはず」とバンドメンバーを代表して思いを述べた。
最後に佐野は「たくさんの人の想いが詰まった作品なので、多くの方に愛される映画になってほしい」とアピールし、橋本監督は「歌詞の中に“優しい歌は世界を変える”という歌詞があるが、映画にもそういう力があると信じて作りました。僕らが作品に込めた想いや祈りが日本中、世界中に響き渡ってくれたら嬉しい」と大ヒットを願っていた。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 谷内 茜]
イベント情報
映画『小さな恋のうた』公開記念舞台挨拶■開催日: 2019年5月25日(土) |
映画『小さな恋のうた』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる―。 |
監督: 橋本光二郎
脚本: 平田研也 Inspired by the songs of MONGOL800
©︎ 2019「小さな恋のうた」製作委員会