映画『愛がなんだ』完成披露上映会舞台挨拶
岸井ゆきのと深川麻衣に成田凌と若葉竜也が“肩トン”!!
全力片思い映画『愛がなんだ』の舞台挨拶で不器用な愛を語った。
直木賞作家・角田光代の傑作恋愛小説を恋愛映画の旗手今泉力哉監督が映画化した『愛がなんだ』が4月19日(金)より全国公開される。
3月12日(火)、公開に先立ち、テアトル新宿にて舞台挨拶付きの完成披露上映会が行われた。
約200席、立見席も完売するほどの満員御礼の会場。本編上映前に行われた舞台挨拶には、主人公テルコを演じた岸井ゆきの、テルコが一方的に想いを寄せるマモル役の成田凌、テルコの親友・葉子役の深川麻衣、葉子に好意を持つ青年ナカハラ役の若葉竜也、今泉力哉監督が登壇した。
役作りに一所懸命でほとんど会話しなかった?撮影時のエピソード
岸井: 成田さんとは過去に共演していて、結婚している役もあったんですが、実は話すのはこの作品が初めてでした。楽しく話して仲良くなったら、(作中の役柄同士の)すれ違いが表現できないと思って、深入りしないようにしていました。今から撮影だったら違うアプローチかもしれない。
成田: 気付かずガンガン話しかけてた(笑)。このすれ違いもテルコとマモルらしい。岸井さんのことはテルちゃんだと思って接していたので、今も変な人だと思ってる(笑)。
岸井: 私も成田さんのことしらない。これから知っていきましょうか。
岸井&成田: よろしくお願いします(笑)。
若葉: 撮影中、深川さんとお会いする時間がほとんどなくて、合計で1時間半くらいしか一緒じゃなかったんです。だからインターネットで深川さんのことめちゃくちゃ調べました。そうしたら思いのほかいけました(笑)。でも実際は会えたらよかったですね。
岸井: 『愛がなんだ』の撮影はハードスケジュールで(深川とは)あんまり話す時間がなくて。(今、姉妹役で共演しているNHKの連続テレビ小説)『まんぷく』でいっしょになって「やっと話せたね」って(笑)。
今泉監督: 岸井さん出ずっぱりだったんですよ。出てないのは台本は2ページくらいです。
個性豊かなキャラクター。役作りはどうした?
岸井: 最初原作を読んだときには私は自分はテルちゃんとは全然違うなって思っていました。恋に突っ走って仕事をクビになったりとか。でも実際テルコの中からマモちゃんをみてみると「マモちゃんが好き」という柱から見てみるとすべてまっとうなことで、全然こんがらからなくて。「マモちゃんが好き」というたった一つを大切に演じました。
深川: 葉子は劇中でもつかみどころのないキャラクターで。幼いころから家庭環境のせいもあり、強そうにみえて不器用で弱い部分が伝わったらいいなと思って演じました。
成田: 普通にやったら嫌われるところをそうならないよう、今までで一番丁寧に演じたかも。何パターンも試して、緻密に演じました。マモルのから無意識に出るイラッとするようなモテない要素を詰め込んだんです。編集のタイミングで監督に話したんですけど、撮影中ずっとテルちゃんを車道側に歩かせるっていうのを心掛けていたました。
岸井: それ、気づかなかったです・・・
成田: それが(テルコとマモルの関係性の)すべてですよね。
若葉: 僕はナカハラのほとんどすべてに共感できました。普通に生きてたらありますよね?好きになるってそれ相応のデメリットがあって、それを乗り超えても好きっていうことなんで。結構みんな言わないだけでやってると思いますよ。深夜にビール買いに行ったりとか。やってあげたいわけじゃなく。洗い物めちゃくちゃうまいですからね、俺!
作中のキャラクター、自分にもあるなっていうところは・・・?
岸井: 個性が強すぎちゃって・・・(笑)。あっ!でもテルコはどんなに落ち込んでも食事は絶対とるんですよ。それ、わたし(笑)。アテ書きかと思ったら違いましたね。
成田: 僕は葉子かな。人の恋愛相談にはのれるのに、自分のことは見えてないみたいなところ。
深川: 葉子の後半のシーンで人に言われて髪形を変えるシーンがあるんですけど、褒められたらその洋服を何度も着ちゃうとかは自分もありますね。
若葉: 僕はナカハラですね(笑)。臆病なところとかですかね。みんなありますよね。
今泉監督: 作中のエピソードには自分が経験したこともありました。対極にいるような人たちなのに似ている部分があったりするのがこのキャラクターたちの憎めないところだと思います。
原作者からも絶賛!こんなにうれしい言葉ってある?!
今泉監督: お話をいただいたとき、原作を読んでいなかったのですが、角田さんはもちろん存じ上げていたし、過去の映画化もおもしろいものになっていると思っていて。やりたいと思う反面が難しさも感じました。今まで片思いの作品を作ってきましたが、温度の低い恋愛で、今回は熱量の高い人たちの話だったので、挑戦でした。
原作物は基本撮影前に原作者とあってお話することが多いですが、原作者の角田さんは結構お任せしてくださる方で、今回は初号試写でようやく初めてお会いしたんです。その時角田さんが「初号を見て、自分の家に帰ってもう一度読みたいと思ったけど家になくって本屋に買いに走った」とおっしゃってくれて。こんなにうれしい言葉ってある!?って。本当にうれしかったです。
トークの後には通常の映画タイトルパネルを持っての撮影のほか、作中の印象的なシーンの一つである“肩トン”(女性の方に男性が顎を載せる)ショットの撮影が行われ、岸井が「早く終わって!!」と恥ずかしがる場面も。
最後は岸井から、これから作品を観る観客に向けてのメッセージが送られた。
「この作品には個性豊かな恋愛をしている人が出てきます。自分はテルコとは違うと思っても、誰かしら投影できるキャラクターや、共感する部分があるかと思います。人それぞれの感想の生まれる映画ですので、一緒に見た人と感想を話すことでこの映画は完成するのではと感じています。ぜひ楽しんで下さい」
不器用でいびつだけど純粋でまっすぐな“愛”を描く映画『愛がなんだ』。誰に共感できるか、ぜひその目で確かめてほしい。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 金尾 真里]
《イベント情報》映画『愛がなんだ』完成披露上映会舞台挨拶■開催日: 2019年3月12日(火) |
映画『愛がなんだ』予告篇
https://youtu.be/oXc_JlCqQE4
映画作品情報
《ストーリー》28歳のテルコ(岸井ゆきの)はマモちゃん(成田凌)に一目惚れした5ヶ月前から、生活すべてマモちゃん中心。仕事中でも、真夜中でも、マモちゃんからの電話が常に最優先。 けれど、マモちゃんにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかない。マモちゃんは、機嫌良く笑っていても、ちょっと踏み込もうとすると、突然拒絶する。今の関係を保つことに必死なテルコは自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えない。 仕事を失いかけても、親友・葉子(深川麻衣)に冷たい目で見られても、マモちゃんと一緒にいれるならテルコはこの上なく幸せ。テルコの唯一の理解者は葉子に思いを寄せる青年ナカハラ(若葉竜也)。葉子との友達以上恋人未満の関係を壊したくないナカハラは、テルコと同じ悩みを抱え、互いを励ます関係だ。 ある日、朝方まで飲んだテルコはマモちゃん家にお泊まりすることになり、2人は急接近。恋人に昇格できる!と有頂天になったテルコは、頼まれてもいないのに家事やお世話に勤しんだ結果、マモちゃんからの連絡が突然途絶えてしまう。それから3ヶ月が経ったころ、マモちゃんから突然電話がかかってくる。会いにいくと、マモちゃんの隣には年上の女性、すみれさんがいた。 |