- 2021-11-6
- アニメ, イベントレポート, ティーチイン, 日本映画, 第34回 東京国際映画祭
第34回東京国際映画祭(TIFF)
ジャパニーズ・アニメーション部門
映画『フラ・フラダンス』Q&A
おひとりさまでも大丈夫!
映画も聖地も楽しめる“お仕事青春”映画は取材の賜物
福島県いわき市に実在するスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム、通称〔フラガール〕を仕事に選んだ新人ダンサーたちの成長を青春群像劇として描いたオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』が第34回東京国際映画祭(TIFF)のジャパニーズ・アニメーション部門に出品され、11月6日(土)にTOHOシネマズ シャンテで上映された。
上映後のQ&Aには水島精二総監督が登壇し、観客とのティーチインが行われた。
やってみたかったお仕事アニメ
水島総監督は実際に福島県いわき市にロケーションハンティングを行った事を明かし、「その中でダンサーや地元の人々、スパリゾートハワイアンズの方々への取材を基に“お仕事もの”にすることが一番(福島応援プロジェクトの)企画にあったものにできると感じました」と振り返る。
「もともと周防正行監督のフィルムが好きで。題材はみんな知ってるけど、詳しいところまでは知らないよねっていうのを仕事自体と密接に関係させながら主人公たちの成長を描くっていうのが面白いと思っていて。いつか自分もそういう風な作品を作れたらいいなと思っていました」と『ファンシィダンス』(1989年)や『シコふんじゃった。』(1992年)、『Shall we ダンス?』(1996年)の作品名を上げながら自身の憧れについて言及した。
得意を活かしたダンスシーン
本作に必要不可欠なフラダンスシーン。練習中のダンスは作画を、ステージでのダンスは3DCGを駆使したものになっていることについて「僕自身3Dで全ての構成を作る作品も監督してまして、3Dに関してはかなりコントロールできる自負があったので、今回は作画と3Dを一緒に使うのがいいだろうと判断しました。モーションキャプチャを撮って、さらに手付けで直していくんですけど、そこに演技の要素が加わりすぎると3Dでは調整が難しいんですね。なので練習中の上手くいかない感情は作画で表現しました。そして普通にダンスを踊っているところはモーションキャプチャではないんですけど、ダンスのムービーを下敷きにして作業できるようなフローを作りました」と詳しく説明した。
観客からの質問にも回答!
福島県いわき市が舞台の本作にはスパリゾートハワイアンズの他にも水族館やいわき回廊美術館、ホテルの看板と細部にもこだわって描かれている。映画を観終わった観客からのロケ地に関する質問と、聖地巡礼をガイドする既存のアプリに追加して欲しいと要望も!それに対して水島総監督は「実際にいろいろ見てまわって僕たちのほうで決めました。現地ではたくさんアイディアがあったんですけど、ありすぎて残念ながら削った場所もあります。聖地巡礼に関しては宣伝の方が今聞いていると思うので、アプリに反映されたら届いたと思ってください。色んな形で(場所は)ここですよって発信するので是非いわき行ってください」と伝えたあと、「スパリゾートハワイアンズは温泉もあるので一人でも大丈夫です!」と念押しした。他にも作中の主人公・日羽の失敗について質問があがると「実際にあったそうです。ロケハンの時に教えていただいたことを膨らませました」と秘話を話し、ティーチインは終了した。
イベント情報
第34回 東京国際映画祭(TIFF) ジャパニーズ・アニメーション部門
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映画『フラ・フラダンス』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》新入社員、夏凪日羽。 福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽。卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおんたち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。「史上最も残念な新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、恋、ダイエット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく―――。それぞれの想いを胸に彼女たちは今日もステージへ。笑いあり涙ありの新人フラガール成長物語。わたし、“フラ”を仕事にします。 |
キャスト
スタッフ
脚本: 吉田玲子