映画「くも漫。」原作者中川学 × 主演脳みそ夫 単独インタビュー

映画 「くも漫。」 原作者 中川学 & 主演 脳みそ夫

映画『くも漫。』
原作者 中川学 & 主演 脳みそ夫 にインタビュー!!

漫画家、映画監督、お笑い芸人、異なる三者から見た『クモ膜下出血』とは?

漫画家中川学さんが、自身のクモ膜下出血の体験を綴った漫画を原作にした映画『くも漫。』が2月4日(土)より新宿バルト9ほかで全国順次公開される。

映画公開に先立ち、原作者の中川学さんと作中で中川さんを演じるお笑い芸人の脳みそ夫さんにお話を伺った。また、インタビューに同席頂いた小林稔昌監督からもキャスティングの経緯や製作についてお話を伺うことができた。

今回、インタビュアを務めた記者(舛方 一真)は普段お笑い芸人として活動しており、なんと偶然にも脳みそ夫さんとは共演したことがある。
 

―― 実はぼく 、お笑い芸人をやっておりまして、脳みそ夫さんとは共演したこともあって、一方的に面識があるんですよね。

脳みそ夫: そうなんですね。よろしくお願いします。

 

―― クモ膜下出血の痛みの表現がすごくリアルだったのですが、1番辛かったのはどこですか?

中川: 痛みもそうですが吐き気が辛かったですね。吐き気は風俗店で倒れた直後からありました。床に水溜まりができるくらい脂汗もかきましたし。あれが家で1人だったら多分死んでました。風俗嬢の方の迅速な対応のおかげで生き延びましたね(笑)

 

―― この作品は性欲について包み隠さず描いていますが、ああいった描写は全部本当なのですか?

中川: そうですね、作中でオナニーしていいかお医者さんに聞くシーンも全部本当です。リハビリの一環としてどんどんやっていいと言われました(笑)

脳みそ夫: 実際に何を見てやられたんですか?

中川: プレイボーイ…いや、フライデーだったかな…フライデーの袋とじだった気がします。

脳みそ夫: 中身は何でした?

中川: そこまで覚えてないですよ(笑)10年以上前ですし。

 

映画 「くも漫。」 原作者 中川学

 

―― 脳みそ夫さんはこのお話をもらった時どう思いましたか?

脳みそ夫: 率直に言ってびっくりしましたね。

 

―― コントをずっとやっていますが、この役はコントの延長で演じられたのですか?

脳みそ夫: いえ、コントはひとまず置いておいて、素に近い自分で演じました。

中川: すごく自分に似てるなーと思いました。顔は脳みそ夫さんの方がかっこいいけど体型のぽっちゃりさが似ていました。

脳みそ夫: それは中川さんの弟さんにも言われました。「兄と裸体が似てる」って。裸体ありきでキャスティングされたのかな(笑)

 

―― 映画フライヤーの痛がる顔がすごく印象的なのですが、人生で1番痛かった経験は何ですか?

脳みそ夫: 何だろう…ほとんど経験無いですね。痛い演技はほぼ顔芸で乗り切りました。痛い演技より急に寒さを感じて震える演技が難しかったです。わざと震えるのってすごく体力が要るんですよね。

小林監督: 脳みそ夫さんはすごく勘のいい方で、「痛がる」「寒がる」も全部その場でできたんですよね。

中川: むしろ実際の方がわざとらしいくらい震えてましたね(笑)あの寒がる原因はクモ膜下とは関係無くて、未だに謎なんですけど。

 

―― やっぱり風俗で倒れたって家の人には言えないものなのですか?

中川: ぼくは言えませんでしたねー。当時は実家に世話になってましたし。これ、ぼくと脳みそ夫さんで1番違うんですけど、脳さんは家族に言えるっていうんですよね。ここが芸人さんの強みなのかなーって感心しました。

 

―― いえ、ぼくなら言えないです(笑)

脳みそ夫: 言えないかなー?だってここまでの事態ですよ?でもぼくも5年くらい前は実家に住んでたのでその気まずさは分かります。ぼくもずっと駐車場で時間潰してましたし(笑)

 

映画 「くも漫。」 原作者 中川学 & 主演 脳みそ夫

 

―― 脳みそ夫さんは撮影現場にどのくらいの期間拘束されてたのですか?

脳みそ夫: 10日間ですね。間にR-1ぐらんぷり(ピン芸人日本一を決める大会)の準決勝があったので1回だけロケ地の長野から東京に帰ってすぐまた長野に戻りました。なのでR-1の出番終わりで周りの芸人から「全然声出てなかった」と言われました。役者モードが長すぎて(笑)
準決勝のネタをライブで試したかったんですけどライブがなかったので旅館の女将にネタを見せて、それが最終調整でした(笑)

小林監督: 脳みそ夫さんは所属事務所のタイタンのYouTubeチャンネルで観てキャスティングを決めたんですが、ネタよりもフリートークを観て決めました。頭が良さそうなのと愛嬌があるのとで。ニートが風俗で倒れるって内容だとどうしても暗くなりがちなのですが、脳さんはそれを払拭してくれました。

 

―― タイタンの社長太田光代さんはこの出演を快くOKして下さったのですか?

脳みそ夫: うちの社長は下ネタ嫌いなのですが、映画は芸術ということで認めてくれました(笑)タイタンで映画の主演は爆笑問題の太田さん以来だったので、一度呼び出されて映画の心構えを説かれました。「映画は監督のもの」ということと、「シーンが変わったら繋がりを意識しなさい」と。(笑)

中川: それは常識の範囲(笑)

脳みそ夫: 爆笑問題の太田さんにこの話をしたとき「俺と代われ!」と言われました。「撮り直せ」と(笑)

 

映画 「くも漫。」 原作者 中川学 & 主演 脳みそ夫

 

―― 原作の中川さんは、実写を観てどうでしたか?

中川: 自分が外して欲しくないところは全部描いてくれてて、原作に対するリスペクトを感じました。坂田聡さん演じる隣のベッドの患者さんは映画オリジナルのキャラクターなのですが、あのキャラが作品に深みを与えてくれました。

小林監督: 中川さんと話し合って、漫画家になるきっかけに死生観が結びついていたことを感じたので、それを表現できるキャラクターがどうしても欲しくて、脚本の安部さんと話し合ってあの隣のベッドの患者さんのキャラクターが生まれました。

中川: この頃は趣味で漫画を描いていたのですが、クモ膜下出血がきっかけで本腰を入れるようになりました。いつ死ぬか分からないという思いが意識を変えてくれました。まあ今はだいぶ薄れてますけど(笑)

 

―― 最後にこれから映画をご覧になる皆様にメッセージをお願いします。

中川: くも漫。は、エロかったりグロかったりするシーンもありますが、笑って泣けて全編通して観ると少しだけクモ膜下出血について分かるようになっている作品です。男性の皆さんには、「人生に絶望するのはこの作品を観てからでも遅くない」、女性の皆さんには、「どうかこの作品を大目に見てほしい」と言いたいです(笑)

脳みそ夫: メッセージか・・・(しばらく考えて)『この世界の片隅に』も面白いですけど、『くも漫。』もよろしくお願いします!

中川: 関係ないじゃないですか!(笑)

 

映画 「くも漫。」 原作者 中川学 & 主演 脳みそ夫

[撮影: Cinema Art Online UK / インタビュア: 舛方 一真]

 
プロフィール

中川 学 (原作者)

1976年生まれ、北海道出身。長男。
大学卒業後、小中学校の臨時講師、シイタケの収穫など様々なアルバイトを経験する。2011年、漫画家志望の若者に格安で住居を提供するトキワ荘プロジェクトに応募して上京。コミックエッセイ『僕にはまだ友だちがいない』(KADOKAWAメディアファクトリー)で単行本デビュー。NHKで実写ドラマ化される(主演:浜野謙太)。その他の著書に『群馬県ブラジル町に住んでみた』(KADOKAWAメディアファクトリー)『探さないでください』(平凡社)がある。家電批評(晋遊舎)にて『家電黙示録マナブ』を連載中。
ツイッター:@gaku51  ブログ:炸裂!!ナカガワールド

 
脳みそ夫 (中川学役)

1980年、千葉県出身。
2005年10月に初舞台。芸歴10年を経て2015年に地上波TV初出演。タイタン所属となる。「OL聖徳太子」や「ちびっ子石油王」といった個性あふれるネタで活躍。本作で映画初主演を果たす。
ツイッター:@nou_misoo

 

 

映画「くも漫。」予告編

© クリエイティブネクサス 
 

映画「くも漫。」作品情報

映画 「くも漫。」 くもマン

どうか皆さん笑わないでください! 誰にでも起こりうる、嘘のような本当のお話です。

【STORY】

中川学、29歳。長年の二―ト生活を経て、父のコネで教育現場の職を得る。初めて人生の歯車が合い始めた高揚感と抑えきれない性欲から、風俗店「オフィスっ娘♥倶楽部」へ繰り出した。
そこで出会ったのはNo.1の風俗嬢ゆのあ。中川は最高のサービスを受け、絶頂を迎えるはずが…。
まさにその瞬間、くも膜下出血を発症―。完治率わずか30%の病から生還し、風俗店で倒れたことを家族にひた隠しに隠し通す中川。――笑わずにはいられない!しかし、決して他人事ではない…。
死の淵から生還した男の<人生で最も恥ずかしい実録物語>

 
出演: 脳みそ夫、柳英里紗、沖ちづる、板橋駿谷、坂田聡、立石涼子/平田満
原作: 中川学 「くも漫。」(リイド社・トーチコミックス)  
監督: 小林稔昌 脚本: 安部裕之
エグゼクティブプロデューサー: 中川幸美
プロデューサー: 峰添忠 
企画・製作:クリエイティブネクサス  
配給: トリプルアップ
2017年 / 日本 / 日本語 / カラー /  R15+

© クリエイティブネクサス 

2017年2月4日(土) 新宿バルト9ほか全国順次公開!

映画公式サイト
公式Facebook: https://www.facebook.com/くも漫-391526464525200/
公式Twitter:
@eiga_kumoman

この記事の著者

舛方 一真

舛方 一真お笑い芸人/映画ライター

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
映画が好きで、芸人をやる傍ら数千本の感想を個人的にノートに書き留めている。その経験を活かし、ライターとしての仕事にも挑戦することにしたルーキー。
『映画のタイトルを言われると一瞬で内容を五七五にできる』という特技を持つ。
また、観た映画をオススメするYouTubeを配信中。
https://m.youtube.com/channel/UCN-unrfk4KxTUjZOYp2iw8w

★好きな映画
『七人の侍』 [監督: 黒澤 明 製作: 1954年/日]
『セブン』(Seven) [監督: デヴィッド・フィンチャー 製作: 1995年/米]
『気狂いピエロ』(Pierrot Le Fou) [監督: ジャン=リュック・ゴダール 製作: 1965年/仏]
『トイ・ストーリー3』(Toy Story 3) [監督: リー・アンチクット 製作: 2010年/米]

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