映画『美しい星』2017 日本新片展 オープニング上映&ティーチインレポート

【画像】映画『美しい星』メインカット

2017 中国・日本新片展
映画『美しい星』オープニング上映&ティーチイン

オープニング上映の約1,300席が4分で即完!
吉田大八監督と橋本愛に会場が萌え萌え!!

三島由紀夫の異色のSF小説を『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『紙の月』(2014年)の吉田大八監督が30年の思いをつぎ込んで現代に蘇らせた映画『美しい星』。

本作は、三島由紀夫が1962年に発表した核兵器による最終戦争の危機がテーマとなる純文学小説をまさに現代の地球人口の爆発的増加やエネルギー問題、地球温暖化に変更して、この美しい星で人間が存在する意味を追求している。火星人に目覚めて地球の救済を使命とする当たらないお天気キャスターの父・大杉重一郎をリリー・フランキー、水星人に目覚める野心家の息子・一雄を亀梨和也、金星人に目覚める周囲から浮いた美人女子大生の娘・暁子を橋本愛、地球人のまま心の空虚をもてあます妻・伊余子を中嶋朋子、人気参議院議員を裏で操る代議士秘書を佐々木蔵之介が熱演している。平凡だった大杉一家がそれぞれに美しい地球を救おうと奔走する人間賛歌の物語である。

 © 2017「美しい星」製作委員会
 

12月1日(金)に日中国交正常化45周年記念日中映画交流事業として、上海、深圳、昆明の中国3都市で行われている「2017 日本新片展」において、映画『美しい星』がオープニング上映された。

本作の上海大光明映画館での約1,300席のオープニング上映チケットは、わずか販売開始4分で即完という快挙をとげた。同会場でのレッドカーペットとオープニングセレモニーに吉田大八監督が登場し、オープニング上映後のティーチインには吉田監督と出演の橋本愛が大ホールの舞台に立って熱気あふれるファンとの映画交流を行なった。

「2017 日本新片展」は、独立行政法人国際交流基金、公益財団法人ユニジャパン(東京国際映画祭)、上海国際影視節有限公司(上海国際映画祭)が主催する日本と中国の最新の映画を両国において互いに上映する文化交流である。日本では、2018年3月8日(木)〜14日(水)に中国映画祭(「電影-Dianying-2018(仮)」)が東京、大阪、名古屋にて開催される。

吉田監督は、上映作品の『ユリゴコロ』『心が叫びたがっているんだ。』の熊澤尚人監督と『不能犯』の白石晃士監督らと共にレッドカーペットに登場した。オープニングセレモニーでは、萌え萌え(可愛い感じ)という中国の前評判に吉田監督は、「自分なりに今まで色々な映画を作ってきて感じたことを全部この映画にぶち込みました。僕にとっては6本目の映画なんですけれども、1本目のつもりで思いっきり作ったので、思いっきりみなさんにぶつけて、みなさんがどういう反応をされるのかすごく楽しみです。萌え萌え感をどれくらい感じてもらえるのか僕も客席で確認したいと思います。」と挨拶を行なった。

オープニング上映では、亀梨和也が劇中に登場すると女性ファンからのため息と歓声が上がり、本当に多くのシーンで会場が笑いの渦に巻き込まれていた。上映後には、心から本作を楽しんだファンの拍手と歓声の中、吉田監督と橋本愛がティーチインに登壇した。

【写真】映画『美しい星』橋本愛&吉田大八監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

映画『美しい星』オープニング上映ティーチインレポート

「美しい星」は55年前の三島由紀夫の異色のSF作品であり、中国でも「美麗的星」として翻訳出版されている。本作はその内容を現代に設定変更して、核戦争の危機から環境問題へ大胆に脚色している。そこで吉田監督には、この映画を制作するに当たってどのような考えや理念があったのかという質問がなされた。原作小説に学生時代から惚れ込んでいたという吉田監督は、「この原作は1962年の小説なんですけれども、その時代の小説として書かれています。僕にとっては、同時代の小説として書かれていることが一番大事でした。同時代の表現だったので僕はそれを映画にするときに、例えば原作の色々なディテールとは別にそのスピリットを一番大事にしました。2017年に公開するということは、2017年〜2018年現在の映画にしなければいけないと思いました。そこで大きな設定を色々変えました。」と三島が残した地球と人類への思いを現代の問題へ脚色した理由を述べた。

【写真】映画『美しい星』吉田大八監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

観客からの質疑応答では、質問者が劇中に登場する宇宙人のポーズのように両手を挙手するファンもいて、吉田監督も「映画を観て(ポーズを)覚えられたの?」「やってるやってる(笑)。」と感無量の様子だった。

橋本への「UFOを呼び寄せるダンスはすごく話題になっています。観ているファンたちも、そのダンスを真似してネット上に披露をしていましたけれども。橋本さんは観ましたか?」という問いかけには、「観ていないです。知らなかったです。」と驚きの声をあげていた。また、「映画の中の暁子さんは、ドラマチックで衝撃的な演技も求められていましたよね。役作りはどのように努められたのでしょうか?」という質問に橋本は、「橋本愛です。よろしくお願いします。私は根底に大事に思っていたのは、三島由紀夫さんの原作の小説であり、三島さんはこの世にいらっしゃらないので、亡くなった方の作ったものを映画にするということは、死者には口がないので出来上がったものに対して何も言えないじゃないですか。その責任の重さというか。今、生きていらっしゃる原作者の方だったら、〝あの映画は僕の原作とは違うものだから〟とか、〝あの映画は本当に良かった〟とか、色々とちゃんと言えるけれども、その余地がないので三島さんの冒涜にならないようにと。この作品を現代に色々と移し変えているけれども、監督もおっしゃったようにスピリットというか、真ん中にあるものは絶対に冒涜してはいけないという尊敬の念を持っていなければ始まらなかった。三島さんの小説の中での暁子に対しての気持ちや存在に対する念みたいなものをちゃんと自分も同じだけの質量でもって表現しなければいけないところが一番大事にしたところです。」と責任の重さを感じながら暁子を演じていたと明かした。

【写真】映画『美しい星』橋本愛 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

「橋本愛さんのファンで作品が大好きです。」というファンからは、「橋本さんと吉田監督が一緒に映画を作るのは2回目ですよね。初めてのとき(『桐島、部活やめるってよ』)の橋本さんのコメントを拝見すると、〝映画への認識が深まりました〟とおっしゃっていました。今回の2回目では、どんな感想があるでしょうか?」という質問があった。橋本は、「確かに吉田監督とご一緒した作品で素晴らしい仕事だなと改めて気づかさせてもらって、女優さんを長く続けるのも悪くはないなと新たな気持ちで仕事を始めました。吉田監督の作品はもともと観客としても好きで、またご一緒したいなという気持ちがあったので、今回、こういう機会にめぐり合えて本当に心から嬉しかったです。また、前にやった自分よりもちゃんと更新された自分をみせなければいけないというプレッシャーもあり、色々と大人になって監督とご一緒して、自分の精神性がちょっと上がった状態で監督の現場に入れたことが嬉しかったです。」とその気持ちを打ち明けた。

【写真】映画『美しい星』橋本愛 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

「吉田監督、橋本さん、こんばんは!僕は橋本さんのファンになって4年目です。今日は嬉しいです。」というファンから日本語で、「今日は1つ質問があります。映画を観て、僕は人間や人間が作った街、自然など、それらを含めて美しい星だと思いました。監督と橋本さんはどう思いましたか?」と質問が2人に投げかけられた。先ず、吉田監督は、「僕が思うのは、例えばこういう劇場とか、結局人間が作ったものというのは、大きくみると人間だって自然の一部なんだから、自然の一部の人間が作ったものは自然だって言って良いと。だから、この劇場だって自然だと言えるし、この映画の最後に出てくる街の灯りや街の中も自然で全部地球なんだと。地球と地球以外のものを地球の上で分ける必要はないと映画を作る中ではっきりと思いましたね。」とその思いを語った。

【写真】映画『美しい星』吉田大八監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

そして、橋本も、「〝美しいと人が捉えているその自然は、人がいなければ美しいと捉えることができない。果たしてそれは、美しいということなのだろうか〟という言葉がすごく印象に残ってます。確かに自分が感じる自然は、人が誰もいない大きな山であったり、空であったりというのを美しいと感じている自分がいて、その文章を読んだときにちょっと混乱して、〝何だろう?〟と思って不思議な空間に三島さんに連れていってもらったのですけれども。監督が何かのインタビューで〝全ては究極的には同じだと思うのですよ〟と言っていたんですよ。それを見たときには分からなくて、でも、絶対に同じなんだろうとそれを探す旅に出たんですね。〝究極的に全ては同じだ〟ということは、一体どういうことなんだろうと色々な本や映画をみて、自分の経験を通して探そうと思ったんですね。やっと最近、その答えを見つけることが出来て、〝本当だ同じだ〟と思えたときに、人間も自然の一部だし、この世の全てにあるものは1つだと。1つだけど全部違うという大きなこの世界を知ることが出来て、全てを愛することが出来ると思ったんですよ。その愛を知ってから、美しい星だと映画や小説のタイトルに帰還することが出来て、なんて豊かな旅をしたんだろうと思いました。それから、すごく人生とか、世界とか、色々なものを愛せるようになりました。」と真摯に熱く答えていた。

【写真】映画『美しい星』橋本愛 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

オープニング上映では、観客たちは、1つ1つのシーンに対する反応が非常に高く、脚本や演出など作り手の気持ちを汲みながら映画を心から楽しんでいる様子であった。

映画『美しい星』は、日本では2017年12月6日(水)にBlu-ray & DVDが発売されて、2018年3月16日(金)〜18日(日)に埼玉県所沢市で開催される第18回ミューズシネマ・セレクション「世界が注目する日本映画たち」の最終日に上映が決定している。

[スチール撮影・記者: おくの ゆか] 

 

映画『美しい星』2017 中国・日本新片展イベント概要
<オープニング上映 & ティーチイン>

■日程: 2017年12月1日(金)[現地時間]
■場所: 上海大光明電影院
■登壇者: 吉田大八監督、橋本愛

「2017中国・日本新作映画上映会」<日本新片展とは?>
12月1日(金)[現地時間]より3日間で行われる、上海国際映画祭、国際交流基金、ユニジャパン3者で主催する大規模な日本映画上映会。上海、深圳、昆明の3都市で日本の新作映画を各都市9作品上映するほか、監督や俳優など華やかな日本人ゲストを中国によるトークやイベントを開催。2018年公開予定の日本未公開作品や、中国での劇場初公開作品も上映。

公式サイト: http://www.jpfbj.cn/FilmFestival/exhibition/

映画作品情報

【画像】映画『美しい星』ポスタービジュアル

《ストーリー》

太陽系3番目の惑星・地球に住むある平凡な家族。
ある日彼らが遭遇したのは謎の飛行物体!
未知との遭遇により、宇宙人と覚醒した彼らは、「滅亡の危機に瀕した美しい星」を、自らの手で救おうと奮闘するが、さまざまな騒動に巻き込まれ、傷ついていく。

 
出演: リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子
 
原作: 三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
監督: 吉田大八
脚本: 吉田大八、甲斐聖太郎
配給: ギャガ
公開日: 2017年5月26日
© 2017「美しい星」製作委員会
 
大ヒット公開中!
五感が【覚醒】する。心が打ち震える。渾身の人間賛歌。
 
映画公式サイト
 
公式twitter: @UtsukushiiHoshi
公式facebook: www.facebook.com/utsukushiihoshi/

この記事の著者

おくの ゆか

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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