映画『スパイダーマン:ホームカミング』
(原題: Spider-Man: Homecoming)
超人気アメコミ映画・待望の最新作が満を持して登場!
おなじみスパイダーマンの“新たな”ヒーロー伝説が今始まる!
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に本格参戦したことで話題を呼び、サム・ライミ監督&トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』(2002年/2004年/2007年)、マーク・ウェブ監督&アンドリュー・ガーフィールド主演の 『アメイジング・スパイダーマン』(2012年/2014年)に続き、3作目の映画化となる待望の新シリーズ『スパイダーマン:ホームカミング』(原題:Spider-Man: Homecoming)が8月11日に日本公開となり、全国で反響を呼んでいる。
《ストーリー》
友情が友情を引き裂いたアベンジャーズの内乱(映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』参照)の際、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)によって見出されたスパイダーマン。その正体は、まだ年端もゆかない高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)であった。これがきっかけで、彼はスターク社のインターンとして働き始めるのだが、内乱の時にキャプテン・アメリカの象徴ともいうべき盾を奪い取ったことで、自身の能力に過大な自信を持っており、一日も早くアベンジャーズの正式メンバーとして活躍することを夢見ていた。だが、そんな彼の望みを知ってか知らずか、スタークやその部下のハッピー(ジョン・ファヴロー)は、なかなか大きな役割をピーターに与えようとしない。
そんな中、ある日スパイダーマンことピーターは見たこともないようなハイテク兵器を使用した強盗集団と遭遇する。激闘の末、ピーターは惜しくも犯行グループを取り逃がしてしまうのだが…実は彼らこそ、アベンジャーズの宿敵チタウリがかつて使用していた武器や部品を再利用して、新たな殺戮兵器を開発した恐るべき犯罪集団であった・・・
《みどころ》
バットマンなどで有名な「DCコミックス」と並んで、アメリカの二大コミック誌と評される「マーベル・コミック」。その映画部門であるマーベル・スタジオは次々とコミックヒーローをスクリーンデビューさせ、ついにはそれが一同に会するオールスター映画 “アベンジャーズ・シリーズ” まで創り上げた。だが、マーベル・コミックのエース格ともいうべき「スパイダーマン」は権利の関係からか、なかなか「アベンジャーズ」には登場しない。前述のように、準アベンジャーズ作品とも言うべき映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)でようやくお目見えを果たした。本作はその後日譚の映画であるが、これまで映像化されたトニー・マグワイア主演の『スパイダーマン』(2002年/2004年/2007年)やアンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』(2012年/2014年)とは、明らかに作風が異なる仕上がりとなっている。
主人公は、ヒーローとしても人間としてもこれまで以上に未成熟な印象だし、POPで軽妙なノリのBGMを重ねた演出は、従来の作風を大胆にアレンジしようという気概にも思える。アメリカン・ヒーローのトラディショナルを素材に用いながら、新たなヒーロー映画を生み出そうとするマーベルのチャレンジ精神を改めて垣間見た思いだ。
また劇中、アイアンマンことトニー・スタークがピーターの保護者のように常に寄り添い、時に育成し、時にサポートするのだが、本来コミックでの登場も映画化も先輩であるスパイダーマンが後発のアイアンマンに伝授される、という構図も面白い。前述した、権利の関係からアベンジャーズ化が遅れた事情をみごと逆手にとったような恰好だ。
『スパイダーマン ホームカミング』も『アベンジャーズ』も、すでに続編が公開されることが決まっている。それだけにとどまらず、他のマーベルヒーロー映画にクロスオーバーとしてスパイダーマンが登場することもあるだろう。最近はDCコミックスのヒーローも続々と映像化され、アメコミ映画作品は百花繚乱の様になってきているが、その草分け的存在のスパイダーマンが今後新たな旋風を世界に巻き起こしていくことは間違いなさそうだ。
[ライター: 藤田 哲朗]
映画『スパイダーマン:ホームカミング』予告篇
映画作品情報
原題: Spider-Man: Homecoming
出演: トム・ホランド、ロバート・ダウニーJr.、マイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、トニー・レヴォロリ、ローラ・ハリアー、ジェイコブ・バタロン
公式Facebook: @SpiderManJapan
公式Instagram: @sonypicturesjp