高校生の女の子の揺れ動く気持ちと行動を瑞々しく描いた、
時代を越えて愛される作品が実写化!
ストーリー
高校2年生の島田響(広瀬すず)は、ちょっぴり不器用でまだ本当の恋も知らないオクテな17歳。クラスメイトで同じ弓道部にも所属する千草恵(森川葵)や、河合浩介(竜星涼)は、人気教師の関谷正人(中村倫也)と美人講師の中島幸子(比嘉愛未)にそれぞれ恋心を抱き毎日楽しそうに恋バナを繰り広げているが、響にはピンとこない。
でもそんな響も密かに気になっている人がいた。世界史を担当する伊藤貢作(生田斗真)だ。いつも寝ぐせがついたようなボサボサ頭に、メガネ姿。おまけにぶっきらぼうで、めったに冗談も言わないような伊藤は、何を考えているか分からない大人の先生。授業を忘れてベンチでうたた寝しちゃったり、居残り授業に担任でもないのに最後まで付き合ってくれたり・・・。そしてたまに見せるびっくりするくらい優しい笑顔。
ある日、ひょんなキッカケで中島先生が伊藤先生に告白しているところを目撃してしまった響と浩介。あっさり中島をフッた伊藤に、「伊藤を殴ってくる!」と激怒する浩介。そんな浩介に思わず響が放った言葉ーーー「伊藤先生殴ったら、あんたを殴る!!」
そこで初めて伊藤への恋心を自覚した響。一度芽生えた想いは止まらず、翌日早速伊藤のもとへ行きまっすぐに気持ちを伝えることに。
「好きになっても、いい?」
「俺はやめとけ」
「どうして?」
「俺が教師で、お前が生徒だからだ。以上」
生まれて初めての告白はあっさり玉砕!
それでも諦めきれない響は、ただひたすらにまっすぐに自分の想いを伝え続ける。だがある日、ついに決定的な一言が・・・・。
「キツいんだよ。お前にそうやって、ガンガン気持ちをぶつけられるのがーーー。迷惑だ」
さすがにショックを隠しきれず落ち込む響。なんとか伊藤を諦めようともがく響の背中を押してくれたのは、意外なことに他校の弓道部の部長=藤岡勇輔(健太郎)だった。
「ちゃんとフラれてないから、グダグダするんじゃない?」
そして文化祭の当日、仮装コンテスト用の手作りのウェディングドレスを着て、伊藤の元へ向かう響。「ちゃんと生徒に戻るね!」と無理しておどける響に、伊藤は突然のキスをするーーー。
わけがわからず混乱する響だったが、翌日学校は大変なことになっていた。何者かが伊藤と響の抱き合っている写真を撮影し、ネットに拡散させたのだ。
学校を去ることを余儀なくされる伊藤。そんな伊藤の本心も分からぬまま、響の想いは再び切なく加速していくが・・・・。
みどころ
1996年に原作の連載がスタートし、あれよあれよと人気爆発作品となり570万部を突破!実に20年近く前の作品にも関わらず、今作の実写化が現役の女子高生からも熱烈な支持を受けるであろう作品に仕上がっていると感じさせられる主な理由は、17歳という多感な年齢の男女の普遍的な心の揺れ動きを見事に表現している点と、一人一人の主要な役どころが見事なキャスティングという点にある。
主人公の島田響を演じたのは、今をときめく人気若手女優・広瀬すずである。
これまで恋をしたことがなかった響の恋愛オクテっぷりと、恋を自覚してから猛烈に想いを伝えるべく奔走する純情な様子とを爽やかかつ切なく、瑞々しく演じているのは、彼女以上の適任はいないと言い切っても過言ではない。
響が想いを寄せる伊藤先生役を演じる生田斗真は、デビュー当時からジャニーズ所属のアイドルとしては異例の、コンサート会場ではなくドラマや映画を主戦場として活躍してきた稀有な人物として知られている。
『脳男』(2013年)、『土竜の唄』シリーズ(2014年/2016年)などでの振り切った役から、『彼らが本気で編むときは』(2017年)でLGBTの人物を演じたことが記憶に新しいが、本作では30代の大人の色香漂う雰囲気と、がさつさと優しさを纏った伊藤先生を見事に演じ切っている。
クールというよりも無愛想かつ冷淡な印象を受ける役柄だが、不意に見せる笑顔や、時折放つギャップのある言動にやられる女子がとても多そうだ。
少女漫画にありがちな、女子の妄想が全て具現化されたようなストーリーが、純文学の如く美しく爽やかに実写化されている。
響の同級生として物語を盛り上げていくのに大きな役割を果たす二人、千草役の森川葵の百面相のごとき豊かな表情と行動力は、男女関わらず友人にしたくなる気持ちにさせられるほどのムードメーカーぶりを発揮している。
伊藤先生に想いを寄せる美人教師の中島先生(比嘉愛未)を好きな浩介を演じる竜星涼による大人になりきれない高校生男子特有の背伸びをした言動や、時に多くの大人が忘れているであろう、不器用なほどまっすぐな気持ちをむき出しに大人達にぶつけていく様も見どころの一つだ。
響、千草、浩介が所属する弓道部と共に活動することになる他校の弓道部部長の藤岡勇助(健太郎)の言動も高校時代が遠い過去になっている人にとってはノスタルジックな想い出を引き起こしてくれることだろう。
本作においてアダルト担当組である関谷正人(中村倫也)と中島幸子(比嘉愛未)、そして伊藤(生田斗真)との大人の三角関係も見どころの一つである。
中村倫也は同じ先生役でも、先に公開された映画『あさひなぐ』(2017年9月公開)で見せたコミカルな先生役とは打って変わった演技を見せている。
ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2008年)での活躍が目覚ましい比嘉愛未のクールビューティーな魅力は今作でも健在である。ロケーションに選ばれた岡山の美しい山々や川や路面電車が走る昔ながらののどかな風景が、どの年代の男女にも刺さる情緒的・ノスタルジックなムードをもたらしてくれているのも見逃せない。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)の三木孝浩監督による光の美しさと、 キャラクターの微妙な心理描写を書き切った脚本を手がけた岡田麿里氏、mio-sotidoによる今作のテーマにベストマッチした劇中音楽が見事
に溶け込んでおり、ラストを活動30周年を迎えたスピッツによる新曲「歌ウサギ」の優しく包み込んむような楽曲によって作品観賞後の清涼感・爽快感がより増している。
片想いをしたことがある人すべてに見て欲しい純愛映画作品に仕上がっている。
映画予告篇
映画作品情報
主題歌: スピッツ「歌ウサギ」(ユニバーサルJ)
監督: 三木孝浩 脚本:岡田麿里
製作: 映画「先生!」製作委員会
配給: ワーナー・ブラザース映画
© 河原和音/集英社 © 2017 映画「先生!」製作委員会
公式Twitter: @sensei_movie
公式Instagram: www.instagram.com/sensei_movie1028/
ハッシュタグ: #先生好きになってもいいですか