映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 レポート
【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (青木柚、石川瑠華)

映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶

石川瑠華と青木柚が“うみべの女の子”を絶賛!
原作者も「ほぼ完全再現」と再現度の高さに太鼓判!!

「ソラニン」「おやすみプンプン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」など大ヒット作を次々と発表し、若者を中心に絶大な人気を誇る漫画家・浅野いにおによる傑作漫画を実写化した映画『うみべの女の子』が8月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開される。

【画像】映画『うみべの女の子』メインカット

主人公は海辺の小さな街に暮らす中学生、佐藤小梅と磯辺恵介。思春期の少女と少年の繊細で残酷な「恋」と「性」を描いた青春譚。小梅を演じるのは、『イソップの思うツボ』(2019年)で主演に抜擢されると、『猿楽町で会いましょう』(2021年)でもヒロインをつとめた石川瑠華。磯辺を演じるのは『14の夜』(2016年)で瑞々しい芝居を見せ、『アイスと雨音』(2018年)、『サクリファイス』(2020年)などの話題作に出演した青木柚その他、同級生の鹿島翔太役に前田旺志郎、小林桂子役に中田青渚、先輩の三崎秀平役に倉悠貴などが若手俳優陣が顔をそろえている。

8月3日(火)、新宿武蔵野館完成披露舞台挨拶が開催され、W主演の石川瑠華青木柚ウエダアツシ監督、原作者の浅野いにおが登壇した。

『ソラニン』以来11年ぶり2作目の映画化が実現  

『ソラニン』(2010年)以来11年ぶりの2作目の映画化となった『うみべの女の子』。映画化のオファーがあった時の気持ちを聞かれた原作者の浅野は、「10年前に連載していた漫画で、この10年間くらいほとんど実写化の話は来ることがなかったです。内容的にも過激な部分もあったりするので、あまりそういった期待はしないでいたんですが、妙なタイミングで映画化のお話をいただきました。世代が同じくらいのウエダ監督の話を聞いて、今まで育ってきた景色が同じだったり、作品を尊重してくれているというの実感がありましたので、これはお任せしても大丈夫かなと思えたというのが最初の印象です」と振り返った。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (浅野いにお)

それに対してウエダ監督は「企画は5年ほど前に、同世代のプロデューサーたちと企画会議を始め、最初に僕が会議に持って行ったのが『うみべの女の子』でした。今の若い世代に向けて今あまりない映画を届けたいと思って作っていきました」と経緯を話した。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (ウエダアツシ監督)

脚本を初めて読んだ時の感想は?

主演の二人はオーディションであったという。初めて脚本を読んだ時の感想を聞かれた石川は「初めて読んだ時は、気が抜けた状態で読んでいたので、『あっ、このシーンがなくなったんだ』とか、『あっ、このセリフがないんだ』とか、単純な悲しみとかしかなくて…」と話すと、すかさずウエダ監督が「どのセリフがなくて悲しかったですか?」と質問。石川は「最初(あとで追加になった)、最後のほうのセリフがなかったのが大きな悲しみでした。“バンプ(BUMP OF CHICKEN)の藤君”がなかったのは寂しかった」と明かした。ウエダ監督は「10年経っているから、いろいろ考えながらセリフも精査したところはあった」と答えた。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (石川瑠華)

オーディション前に読んだという青木は「“思春期”と一言で形容できない濃縮さというか濃厚さというか。若者たちの、自分自身にも思い当たるようなざらつきといった面が脚本にも漫画と同じような色を残したまま書かれていたので、自分自身すごく苦しくなりました。磯辺を自分がやる可能性を考えた時、すごい責任を感じたのと同時に高揚しました」と一番最初に受けた感想を語った。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (青木柚)

石川瑠華、オーディションで決め手となった奇策とは?

オーディションにも同席していた浅野は、二人の印象について聞かれると、まず青木について「オーディションの大分前から青木さんの情報をもらっていて、正直青木さんじゃないと(磯辺は)成立しないという前提でありました。青木さんにやってもらえるとなった時にすごく安心しました」と明かし、それを聞いた青木は「マジか~」とリアクション。

キャスティングが難航していたという小梅役の石川については「オーディション会場のビルのエレベーターに乗る時に、制服を着た小さい女の子がいて、なんでこんなビルに中学生がくるんだろう?と思って一緒にエレベーターに乗っていたら…」と別日に行われたオーディション会場でのことを話すと、石川がすかさず「それ違う人じゃないかな?」と突っ込み。浅野は「いや、絶対そうだから」と切り返し、「石川さんをオーディションで見た時にたぶん満場一致でこの人しかないなという感覚があったと思うので、すごく救われました」と回想した。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (石川瑠華)

石川瑠華&青木柚、お互いの印象は?

共演してみてのお互いの印象を聞かれた石川と青木。石川は「現場では、磯辺と小梅のような近いのか遠いのかよくわからない、でも特別なことは言えたり、他の人に言えないようなことを言えたりする関係でした。今は一緒にいると居心地がいいです。純粋な青年だと思います」と話し、青木は「初めに会った時から、小梅への思い入れを石川さんからとても強く感じられて、現場でも小梅であろうとする姿勢や意志が伝わってきて、僕自身とても助けられました。石川さん自身でしかわからないシーンをしっかり持っている方だなと撮影から今も一貫して感じています」とお互いに印象を語り合った。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (青木柚、石川瑠華)

ウエダ監督が「あんま仲良くなりすぎるのはよくないなとか意識して(距離感を保って)いましたか?」と聞くと、石川は「撮影中、柚くんが磯辺っぽいから、自然にしていました」と回答。青木は「お互い会話をしなくても距離感を共有できる共通認識みたいなものがずっとあったので、最後まで撮影できました」と振り返った。

さらにウエダ監督が「二人の世代の子たちが集まるとみんなでわいわいがやがやしがちなんですけど、ちゃんと自分たちでセーブをして役のために休憩中も集中を切らさずに準備していたのが、とても好感を持てて非常に頼もしかったかったです」と明かすと、石川は「(他のキャストたちは仲良くしていたので)めっちゃ仲良くしたかった」とコメント。青木は「“仲良くなる=作品が悪くなる”ということではないですけど、これを切らしたらダメだなという危機感をもっていました。特に激しく感情をすり減らすシーンでは意識していました」と話し、自身の役や作品への意識の高さが伺えた。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (青木柚、石川瑠華、ウエダアツシ監督)

“うみべの女の子”高崎かなみを主演の二人が絶賛!
再現度の高さは原作者も太鼓判!!

昨年の7月に行われた撮影を見に行ったという浅野は、「みんな一生懸命やっているなと見ていました。元々原作が二人の関係性が特殊でストレートに仲がいいという関係ではないので、撮影は難しかったんじゃないかな」と感想を述べた。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (浅野いにお)

撮影中に印象に残っていることを聞かれた石川は、「タイトルも『うみべの女の子』ですが、「うみべの女の子」が可愛すぎました。高崎さんが。あれはビビりました」、青木も「完璧な“うみべの女の子”でした。映画の中でも重要な役割を短い時間に発揮していて、僕も磯辺としていられたというか、本当にすごかったです」と物語のキーパーソンとなる“うみべの女の子”を演じた高崎かなみを絶賛していた。

また浅野も「デジカメの中にうみべの女の子の写真があって、水着のガラから構図までほぼ完全再現なんですよ。ほかにも台風のシーンで看板が裏返るところとか、なかなか狙ってやれないと思うんですが、角度まで一緒なんですよ。美術のスタッフの方の執着を感じました」と原作の再現度の高さを称賛。

それに対してウエダ監督は「浅野さんの原作は実際の写真から書き起こされているので、そこを映画化するなら同じ場所でできるだけ撮りたいというのがありまして。その場に行くとお芝居する側もヒントになるというか。『うみべの女の子』のファンとして映画を監督することになって、意識してできるだけ原作に近づけようというところはありました」と回答。石川は「世界観に入り込みやすかった」と振り返った。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (ウエダアツシ監督)

最後に登壇者それぞれからメッセージ

石川は「この映画が完成したのは、監督をはじめとする、スタッフの方々が、小梅や磯辺や鹿島や桂子やその他、漫画に出てくるキャラクターたちを深く愛してくれたから、原作漫画に惚れ込んで漫画の可能性を信じていたからだと思います。私にとっても原作漫画が唯一無二であるように誰かにとってこの映画も唯一無二であったらいいなと思います。是非劇場に観に来てください」とメッセージ。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (石川瑠華)

青木は「自粛期間明け初めて撮った映画だったので、撮影中もこの先どうなるのよくかわからないという状態でした。こうやって無事に観て頂くことができ、映画館が“ある”という現実に、自分自身一映画好きとしても映画に携わる俳優としても、その現実に自分自身救われています。映画館で観ることに意味を持つ映画だと思うので、是非最後まで楽しんでいただけたらと思います」とコメント。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (青木柚)

浅野は「そもそも原作が結構過激な内容であったりとか、特に主演のお二人にはいろんな苦労があったと思うので、いろんな責任を感じています。漫画というのは終わったら終わりっぱなしというのが常ですが、こうやって(映画化の)機会をもらえて、自分の漫画がまだ生きているという実感を得ることができました。この場をお借りして、監督と主演のお二人には本当にありがとうございました。この映画はちょっとトゲのある内容ですが、こういう映画を必要としている人が必ず若い世代にいると思いますのでそういう人たちに観てもらえたらいいなと思います」と思いを語った。

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (浅野いにお)

そしてウエダ監督は「新型コロナの感染拡大が止まらない状況での公開で、映画館は多少人数を減らしての鑑賞という状況ですが、この夏は外に遊びに行けない分、是非映画館で『うみべの女の子』を観て夏の思い出を作って頂ければと思います」と締めくくった。

[スチール撮影・取材: Cinema Art Online UK]

フォトギャラリー📸

スライドショーには JavaScript が必要です。

イベント情報

映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶

■開催日: 2021年8月3日(火)
■会場: 新宿武蔵野館
■登壇者: 石川瑠華、青木柚、ウエダアツシ監督、浅野いにお(原作者)
■MC: ウエダアツシ監督

【写真】映画『うみべの女の子』完成披露舞台挨拶 (浅野いにお、青木柚、石川瑠華、ウエダアツシ監督)

映画『うみべの女の子』予告篇🎞

映画作品情報

【画像】映画『うみべの女の子』ポスタービジュアル

《ストーリー》

海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅(石川瑠華)は、憧れの三崎先輩(倉悠貴)に手ひどく振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺(青木柚)と身体を重ねてしまう。

初めは興味本位だったが、何度もセックスを繰り返す二人。磯辺を恋愛対象とは見ていなかったはずの小梅は、徐々に磯辺へ想いがつのるようになるが、小梅のその想いに反し、小梅に恋焦がれていたはずの磯辺は、小梅との関係を断ち切ろうとしてしまう。二人の気持ちすれ違ったまま、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出ることとなる・・・。

 
出演: 石川瑠華、青木柚、前田旺志郎、中田青渚、倉悠貴、宮﨑優、髙橋里恩、平井亜門、円井わん、西洋亮/高崎かなみ、いまおかしんじ、村上淳
 
原作: 浅野いにお「うみべの女の子」(太田出版<f×COMICS>)
 
監督・脚本・編集: ウエダアツシ
 
音楽: world’s end girlfriend 
挿入曲: はっぴいえんど「風をあつめて」(PONY CANYON/ URC records)
 
製作: 藤本款、吉田尚子、市村亮、前信介、村松克也、宮前泰志、水戸部晃
エグゼクティブプロデューサー:甲斐真樹
プロデューサー: 白川直人、秋山智則
ラインプロデューサー: 鈴木徳至
技術コーディネーター: 豊里泰宏
宣伝プロデューサー: 小口心平
撮影: 大森洋介
照明: 石垣達也
音響: 弥栄裕樹
美術・装飾: 横張聡
衣裳: 小宮山芽以
ヘアメイク: 河本花葉
助監督: 平波亘
制作担当: 飯塚香織
共同脚本: 平谷悦郎
スチール: 岩﨑真子、中島未来、山﨑みを
宣伝デザイン: 大寿美トモエ
 
『うみべの女の子』製作委員会(スタイルジャム、クロックワークス、TCエンタテインメント、キュリオスコープ、グラスゴー15、ポニーキャニオン、カラーバード、コンテンツ・ポテンシャル)
 
制作プロダクション: スタイルジャム
制作協力: コギトワークス
配給: スタイルジャム
 

2021年 / 107分 / DCP / シネマスコープ / 5.1ch / カラー / 日本 / R15+

© 浅野いにお/太田出版・2021『うみべの女の子』製作委員会

2021年8月20日(金)
新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @umibe_girl
公式Instagram: @umibe_girl

公式ハッシュタグ: #うみべの女の子

映画『うみべの女の子』公開初日舞台挨拶 レポート

この記事の著者

この著者の最新の記事

関連記事

カテゴリー

アーカイブ

YouTube Channel

Twitter

【バナー画像】日本アカデミー賞
ページ上部へ戻る