映画『この夏の星を見る』星空観測会イベントレポート
【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督)

映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント 

桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督が東京の星空を見上げる!

直木賞作家・辻村深月による青春小説「この夏の星を見る」(KADOKAWA刊)が、実写映画化され7月4日(金)より全国公開とされる。

本作は、2020年のコロナ禍を背景に、登校や部活動の制限、緊急事態宣言といった未曾有の状況下で、複雑な思いを抱える中高生たちの青春を描いた物語。監督を務めるのは、本作が長編商業映画デビューとなる山元環やまもとかん。脚本も同じく商業映画デビューとなる森野マッシュが担当し、次代を担う若きクリエイターの才能が集結した。音楽は、劇場アニメ『ルックバック』(2024年)で注目を集めたharuka nakamuraが手掛けている。

主人公である茨城県立砂浦第三高校の二年生・溪本亜紗たにもとあさを演じるのは、映画『交換ウソ日記』(2023年)や『バジーノイズ』(2024年)など主演作が続き、目覚ましい活躍を見せる実力派俳優の桜田ひより。紗と同じ高校に通う生徒役には水沢林太郎河村花増井湖々安達木乃。長崎五島に住む学生役には中野有紗早瀬憩和田庵蒼井旬。そして東京都心で暮らす学生役として黒川想矢星乃あんな萩原護秋谷郁甫ら、フレッシュなキャストが顔を揃える。

5月28日(水)、映画『この夏の星を見る』の完成報告を兼ねて、メイン上映劇場となる新宿バルト9の屋上ヘリポートにて、星空観測会イベントが開催された。主演の桜田ひよりをはじめ、水沢林太郎中野有紗、そして山元環監督が登壇。劇中で登場人物たちが望遠鏡で星を探すように、実際に東京の星空を観測した。

ヘリポートでのイベントに登壇者も興奮!!

主人公・溪本亜紗を演じた桜田は「今日は、まさかこんなヘリポートとかで公開することになるとは夢にも思ったことがなくて、東京の空を見るということを皆さんとこうやって実現できて本当に嬉しいです」と挨拶。改めて会場を見渡し、「ヘリポートに立つなんて人生で初めてです。雨も降らずに、本当にひと安心しました」と笑顔を見せた。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより)

撮影地の星空と思い出、そしてコロナ禍の記憶

本作の撮影は、茨城、長崎五島、東京で行われた。主人公の亜紗と同じ茨城県立砂浦第三高校に通う生徒・陸を演じた水沢は、「実際にこんな高いところから夜空を見ることも、ビルを見ることもなかったので、感動しています。茨城では、そこまで星を見てきたというわけではないのですが、山の中で撮影があった際に、夜、ホテルで空を見上げるとたくさんの星座が見えました。その時の感動は今でも覚えてます」と撮影当時を振り返った。

長崎・五島の泉水高校吹奏楽部に所属する笹野円華を演じた中野も「五島での撮影はナイトロケが多く、夜の山の上は本当に真っ暗でした。その中で星を見たときに、星ってこんなに近いんだと感じました。本当に手を伸ばせば届きそうなくらいに近く感じたのを覚えています」と、美しい星空の記憶を語った。

コロナ禍で部活動を制限された中高生たちが、リモート会議を駆使して、同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」に挑む学生たちの姿を描いた本作。山元監督は、星空の撮影の難しさについて触れ、「これは技術的な話になるのですが、なかなか星空を撮るのは難しいんです。動画としては、少し映りづらいところもあるため、今回は“Day for Night”や“疑似ナイター”と呼ばれるような、太陽を月明かりに見立てて撮影していく、要は日中に夜のシーンを撮るという撮影手法を採用しました。日本映画の中では、その撮影手法を全編通して行うという作品は少ないそうなので、そういった点でも見どころが多い映画なのかなと思っています」と撮影の裏側を明かした。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (山元環監督)

本作のキャッチコピーは「2020年、あの時を生きた君たちへ」。登壇者たちの 2020年について質問が及ぶと、桜田は「当時、私は高校生でしたけど、文化祭や体育祭、そして部活で目指していた大会が中止になってしまった方たちが多くいました。私も、学校の行事や作品づくりをしている途中でコロナ禍になって。その後、自粛が明けてからは、フェイスシールド越しやマスク越しで皆さんと一緒にお芝居を交わすという時間がありましたね。それがなんとも不思議な感覚になったのを覚えています」と当時を振り返った。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより)

水沢も「僕は16歳でデビューしたのですが、いざ頑張ろうというタイミングでコロナ禍になってしまったので、目の前の仕事がなくなってしまい、すごく取り残されたような感覚が常にありました。その気持ちも今みたいにしゃべれなかったので、誰にも伝えることもできず、抱え込む一方でした。ただあれから5年も経ち、マスクをしたり、消毒をしたりという日常をどんどん忘れてきている自分に、この作品を通して気付いたので、なんだか不思議な気持ちもありました」と複雑な心境を語った。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (水沢林太郎)

中野は、「2020年はまだ中学生でした。卒業旅行や運動会もなくなって、中学最後の思い出がすべてなくなってしまったので、悲しさだったり悔しさがあります。でも、コロナ禍は自宅で家族と一緒に昔の映画をたくさん観たりもしていたので。今思い返せば、悲しい思い出ばかりではなく、自分の興味を育てる時間でもあったなと思います」と、困難な状況の中での前向きな側面も語った。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (中野有紗)

岡村先生と観測!東京の夜空に輝くアークトゥルス🌟

イベント後半では、実際に星空を観測することに。ここで、原作に登場する天文部顧問のモデルにもなった土浦第三高等学校の岡村典夫先生がゲストとして登場。同校は実際の撮影場所としても協力しており、桜田は「実際にモデルになった高校を使わせていただくということもなかなかないですし、本当に多くの方に協力していただいて実現することができました。部室などに置いてあるものも小道具ではなく、生徒の皆さんが実際につくった望遠鏡や材料が置いてある状態で撮影をさせていただきました。撮影に掛ける思いは人一倍違いましたし、実際に高校に通われている方がエキストラとして参加してくださっていたことにも感謝しかないです」と撮影時のエピソードを語った。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (望遠鏡)

会場に設置された天体望遠鏡で星空を観測。「今日は一つだけ、アークトゥルス(うしかい座の一等星)という星が見えています。映画の中でも出てきましたよね」という岡村先生のアドバイスのもと、登壇者たちが次々と望遠鏡を覗いた。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント@新宿バルト9 屋上ヘリポート (桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督、岡村典夫先生)

最初に観測した桜田は「あ!ど真ん中に入ってます!」「輝いてる!」と感動の声をあげた。水沢も「あ、こんな感じなんですね!」、中野も「あ、見えました!とっても綺麗だ」と、東京の夜空に輝く星に目を輝かせた。山元監督も「あ、あったあった!ありました!」と興奮した様子で観測を楽しんだ。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント@新宿バルト9 屋上ヘリポート (桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督)

岡村先生によると、5月から6月にかけて東京で見ることのできる星について、「東京ですと、明るい一等星はもちろん見えますし、意外と3等星くらいまでは見えるんです。今日は新月なので、月が見えなくて。月があれば、もうちょっとよく見えたかもしれないですね」と解説。登壇者たちは熱心に耳を傾け、星を見ながら「見えました!」「輝いています!」などと大いに盛り上がった。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督、岡村典夫先生)

若き才能が描く、希望の物語への期待 

イベントも終盤に差し掛かり、最後に山元監督と桜田ひよりからメッセージが送られた。

山元監督は「この目の前にある望遠鏡も、肉眼では見えない星を捉えようとする装置なんですが、コロナ禍の先が見えない不安の中でも、なんとか自分自身を見つめ直して、先を歩いていこうとする学生たちの物語となります。どうかそういうキャラクター込みで、この映画を皆さんに愛していただけたら嬉しいです」と作品に込めた思いを語った。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (山元環監督)

桜田は「作品を観終わった後に、本当にきれいで美しいなと思いました。映像の美しさだけでなく、人と人とのつながりの美しさだったり、リモートを通して全国の学校とつながる一瞬一瞬の輝きというものが、とても繊細に、きれいに、そして迫力のあるシーンに完成されています。コロナの時に学生だった皆さんや子どもたちを見守ってきた大人の方々にも刺さる、そんなすてきな作品だと思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と力強く呼びかけた。

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより)

[スチール撮影&取材: Cinema Art Online 編集部]

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イベント情報

映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント 

■開催日: 2025年5月28日(水)
■会場: 新宿バルト9(新宿三丁目イーストビル)屋上 ヘリポート
■登壇者: 桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督、岡村典夫(土浦第三高等学校教諭)
■MC: 三原知之(宣伝プロデューサー)

【写真】映画『この夏の星を見る』星空観測会イベント (桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督)

映画『この夏の星を見る』予告篇🎞

映画作品情報

【画像】映画『この夏の星を見る』ポスタービジュアル

《ストーリー》

2020年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。茨城・砂浦の亜紗や凛久は、失われた夏を取り戻すため〈スターキャッチコンテスト〉開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙が、同級生の天音に巻き込まれその大会に関わることに。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。

手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする――。

 
原作: 辻村深月「この夏の星を見る」(角川文庫/KADOKAWA 刊)
 
出演 : 桜田ひより、水沢林太郎、黒川想矢、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな、河村花、和田庵、萩原護、秋谷郁甫、増井湖々、安達木乃、蒼井旬、中原果南、工藤遥、小林涼子、上川周作、朝倉あき、堀田茜、近藤芳正、岡部たかし
 
監督: 山元 環
脚本: 森野マッシュ
音楽: haruka nakamura
企画: FLARE CREATORS
総合プロデューサー : 松井俊之(FLARE CREATORS)
プロデューサー: 島田 薫(東映)
配給: 東映
 
© 2025「この夏の星を見る」製作委員会
 
2025年7月4日(金) 全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式X:@Rewrite_movie
公式Instagram:@konohoshi_movie
公式TikTok:@konohoshi_movie
 
 

この記事の著者

Cinema Art Online編集部

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