ティーチイン上映会
原恵一監督&原作者の辻村深月が登壇!
大ヒットへの感謝&今だから語れる制作秘話を披露!!
第46回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞の受賞も発表され、さらなる注目を集めている映画『かがみの孤城』が公開6週目を迎え、SNSなどでも多くの反響を呼んでいる。
1月27日(金)、新宿ピカデリーでティーチイン上映会が行われ、上映後の会場に原恵一監督と原作者の辻村深月が登壇。公開後の今だからこそ語れる映画の制作秘話などトークを繰り広げ、観客からの質問にも答えた。
映画の余韻が冷めやらぬ中、会場の温かな拍手に包まれながら、原恵一監督と辻村深月が登壇。公開から1カ月以上が原監督は「遅い時間の上映に来ていただき嬉しいです。観た人の熱気でしょうか、会場がとても暖かいです」と少しお茶目に挨拶をし会場を沸かせ、辻村は「たくさんの方々に観て頂けて胸がいっぱいです。そして第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の受賞おめでとうございます」と原作者として感無量の気持ちを明かすと、会場からも温かい拍手が贈られた。
『かがみの孤城』大ヒットの反響を受けて、原監督は「鑑賞者からの感想も嬉しいが、原作を担当した辻村から『私が思い描いていたものがそこにありました』と言って頂けたことが嬉しかった」と語り、辻村が「子供の頃、原さんのアニメを観て育ったので、今回一緒にお仕事ができて嬉しかったです。また、話題になっているエンドロールなど、様々なアイディアで原作を超えたものを作っていただけて、お客様を喜ばせるために最後の最後まで粘る演出など仕事ぶりを間近で観ることが出来て幸せでした」と明かした。
そして、今回のイベントでは特別に原監督が実際に使用したアフレコ台本を公開!脚本にはなかったセリフを原監督が直筆で追加しているシーンなど、なかなか観ることのできないものをスクリーンに投影し、客席からは感動の声が洩れた。
そして、複数のお客様から直接質問いただき、原監督と辻村が回答。「共感するシーンがたくさんありましたが、学校に行けないと心情は、なぜあんなに明確に描くことができたのでしょうか」という質問に辻村は「自分自身、学校生活がすごく充実して楽しく過ごした学生時代ではなく、きっと順風満帆な学生生活を送っていたら学校を舞台にした作品を書かないと思います。私の小説で学校を舞台にした作品が多いのは、きっと何か忘れ物があるから、何度も書いてしまうのかなと思います」と明かし、原監督は「学校に行けない子たちに『学校に行きなさい』という言うわけではなく、『今は何もしない時なんだね』という言葉をかけられる大人や周りの友達がいることが大事で、傍観者が話を聞いてあげて欲しいというメッセージが原作や映画に込められている」と今悩んでいる人やその周りにいる人へ、本作に込めた想いを明かした。
また「『バカみたい』というセリフが、複数のシーンで使われていて、それぞれ異なる意味合いで使われていた点が印象に残っています」という感想に、辻村は「終盤の『バカみたいだよね、たかが学校のことなのにね』という東条さんのセリフは、同じ中学生なのに、外側からの視点を持っている子のことを書けて良かったなと思いましたし、私自身本を書きながら驚かされました。この言葉が心に残ったと言っていただけて嬉しいです」答えた。
これまで行原監督は「こころと東条さんのシーンは作りながら僕も気に入っていて、東条さんの『たかが学校のこと』というセリフは学生に届いて欲しいセリフです。学校生活より社会に出てからの時間の方がよっぽど長く、今学校に行けてなく悩んでいる人に、『辛い時間は永遠には続かないよ』と言ってあげたい」と語った。
また「たくさんの伏線が張り巡らされた作品ですが、気を配られた点はありますか」という質問について、SNS上で話題になっている高山みなみさん演じるマサムネが言った某名探偵の決め台詞に関して、「単なる悪ふざけではなく、あれもちゃんとした伏線です。後付けですけど(笑)」と明かし、伏線の理由を説明。また、前半と後半のこころの靴の描き方に変化をつけることで、こころの心情を表現している点も注目してほしいと明かした。
最後に、辻村は「映画になって、多くの人に届いて嬉しいです。こころたちを原さんにお願いして良かったです。2回目を観ると気づくことがたくさんあり、自分で書いたのに色んなポイントで涙が出ます。何度観ても驚きがあって、何年先にも残るアニメーションになりました」と語り、原監督は「この原作はすごく共感をしてくれる物語で、たくさんの人に観て頂けてとしても嬉しかったです。こういうトークショーは楽しいです」と語り、時間いっぱいに語りつくし、惜しまれつつイベントは幕を閉じた。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『かがみの孤城』ティーチイン上映会■開催日: 2023年1月27日(金) |
映画『かがみの孤城』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》そこは、私の世界を変える入口でしたーー 学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。 ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこには不思議なお城と見ず知らずの中学生6人が。 さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。 期限は約1年間。 戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。 互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。 そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う―― 果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集めれたのか? それぞれ胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは? すべての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける─── |
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