ワールドキャンサーデー LIGHT UP THE WORLD 点灯式
吉永小百合「いのちの大切さを、映画を通して伝えたい」
坂本龍一からのビデオメッセージに「どうか早く元気になって欲しい」とエールを!
都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「サイレント・ブレス」(2016年刊行)や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)を世に送り出した南杏子による「いのちの停車場」(幻冬舎)。今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれたその感涙の物語を、『八日目の蝉』(2012年)や『ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判』(2015年)など多数の名作を生みだした映画界を代表する監督のひとり成島出がメガホンをとり、映画化!豪華キャスト&スタッフが紡ぐ感動のヒューマン医療ドラマ『いのちの停車場』が5月21日(金)より全国公開となる。
2月4日(木)、UICC(国際対がん連合)日本委員会が主催する「ワールドキャンサーデー LIGHT UP THE WORLD 点灯式」が開催され、122本目の出演作となる映画『いのちの停車場』で、初めて医師役を演じた主演の吉永小百合が登壇した。
ワールドキャンサーデーは、世界各国でがんに対する意識と教育を高め、この病気に対して行動を起こさせることを目的として様々な取り組みが行われる日。世界各地をライトアップするUICCのイベントである「Light Up the world」と連携して、UICC日本委員会では、全国16カ所のライトアップ会場にて、点灯合図にあわせてUICCのテーマカラーである「ブルー」「オレンジ」へと夜空をライトアップする。なお、この模様はYouTubeにてオンライン配信もされた。
点灯式は、UICC日本委員会委員長の野田哲生氏、UICC日本委員会幹事/国立がん研究センター理事長の中釜斉氏の挨拶から始まり、代表して野田氏が「今年は例年までとは異なり、全国16カ所で行われるライトアップの模様をを中継するというイベントとなりました。コロナに関係なく、年間100万人もの方ががんと診断されています。がん克服に向け、皆さんの思いを一つにできればと思います」とコメント。
また、点灯式が行われる全国の会場のうち、大阪(万博記念公園 太陽の塔)、富山(世界遺産相倉合掌造り集落)、北海道(さっぽろテレビ塔)、京都会場(京都タワー)の担当者からのメッセージ動画が披露され、「誰一人取り残されないがん医療」を目指して作り上げた 12のテーマのワールドキャンサーデーセッションのうち、いくつかのテーマの座長からのコメントも紹介。中釜氏は「がんは早期発見で治療ができる病気でもあります。医療スタッフは患者さんが安心して治療を受けられるように準備をしておりますので、まずは国民のみなさまが安心して受診できるような環境を作っていければ」とまとめた。
そして、映画『いのちの停車場』で命と向き合う在宅医師・白石咲和子を演じた吉永小百合が登壇。がん患者の方々などの一人ひとりの人生に寄り添う医療の在り方を描くこの映画が、 UICCの「誰一人取り残されないがん医療」という理念に沿うとして、オファーを受けての出演となった。吉永は、”I AM AND I WIL”(私はいま そしてこれから私は)というUICCで3年間続いてきたキャンペーンのスローガンにちなみ、「いのちの大切さを、映画を通して伝えていきたいと思っています」と挨拶した。
ここで、いよいよ全国各地でのライトアップまでのカウントダウンが吉永、中釜氏、野田氏の合図で開始。18時になると同時に、各ライトアップ会場のイルミネーションが点灯した様子がスクリーンに映し出されると、吉永は「美しいライトアップで感動しております。乳がんのピンクリボンについては知っていましたが、2000年から行われているワールドキャンサーデーという日も忘れないようにできればと思います。私の家族や友人にもがんに苦しむ方々がいますので、良いサポーターになりたいと思っております」と感想を述べた。
続いて、もう1人のゲストである音楽家の坂本龍一からのビデオメッセージが紹介された。がんサバイバーとしても知られる坂本は、映像内で「世界的なパンデミックの中、通常の医療を受けられず、不安な気持ちを抱えるキャンサーペイシェンツ(がん患者)の方々も多いと思います。キャンサーデーはそういった方々への気づきになればと願っています。がんとともに生きる人たちは、僕自身を含めたくさんいらっしゃるかと思いますが、特にがんを抱えている子供とその家族に対してのサポートへが広がることを祈っています。皆さん、応援宜しくお願いします」と語る。
坂本とは沖縄県での慈善コンサートなど、様々な活動を共に行って来た吉永。坂本からのメッセージ動画を受け「2014年に坂本さんががんと闘っていると知りましたが、それから1年経ったあとは元気に一緒にお仕事をさせていただいて。そこから1年間お会いできていなかったところでご病気と知り、心配しております。しっかりと治療なさって、また元気で私たちの前に登場していただけたらと思います。みんな(坂本さんに)エールを送っておりますので、どうか早く元気になって欲しいと、切に思っております」とコメント。
また、122本目の出演作となる『いのちの停車場』で、初めて医師役を演じたことに対して質問されると、「今回は志願してドクターの役を演じさせていただきました。小さい頃から体が弱くて、病院の先生にはずいぶんお世話になりました。演じてみると、今までの役の中で一番難しかったかもしれないなと思います。作品の中では、小児がんの方とのシーンもあり、寄り添う大切さ、というのをこの作品で改めて知りました」と撮影当時を振り返る。
続けて、「それぞれの方がそれぞれの思いの中で生きていこうとしていると思います。ドクターの役を演じることで、(患者の方々に)どのように向き合うか、そして暖かいサポートが大事だと改めて思いました」と、本作で医師を演じたとこによって「病」や「いのち」に対して心境の変化があったことを述べた。
さらに、「コロナでなくても、病院に行けずに苦しんでいる方もいらっしゃると思います。また、専門が違ってもコロナに尽くす(医師の)先生や、看護師さんもお休みなく働かれていると聞きます。私たち一人ひとりが気をつけて日常を送ることが(コロナに関わる)皆さんをサポートすることになるのではと思います」と、世界的なコロナ禍の中、がんだけでなく様々な病気と闘っている方やそのご家族、そして医療従事者の方へのエールを送った。
最後に、本イベントの感想として、吉永は「今回、初めてこのイベントを知りましたが、坂本さんの映像も拝見させていただいて、みんなでしっかり手を携えて生きていきましょう、という気持ちになりました。いつまでもこの会を続けていただきたいと思います」とコメント。続けて、「コロナを受け入れながらがんを治療している施設の方も、吉永さんのコメントで元気付けられたかと思います。がん検診に行くことが、日本のがんの克服に繋がると思いますので、みなさまがん検診へのご参加をお願いします。皆んな元気で、来年もお会いしましょう」と野田氏もコメントし、暖かい雰囲気のなかイベントは締めくくられた。
イベント情報
映画『いのちの停車場』
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映画『いのちの停車場』特報🎞
映画作品情報
《ストーリー》東京の救命救急センターで働いていた咲和子は、ある事件をきっかけに、故郷の金沢で「まほろば診療所」の在宅医師として再出発をする。様々な事情から在宅医療を選んだ患者と出会い、戸惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの一瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の父が倒れてしまい…。 |