映画『明け方の若者たち』プレミア上映会 舞台挨拶
カツセマサヒコ絶賛の自然体演技に注目!
北村匠海は“ロックな?”青春秘話を披露!?
Twitterでの“妄想ツイート”が話題となり、10〜20代から圧倒的な支持を獲得したWebライター・カツセマサヒコの話題の青春恋愛小説「明け方の若者たち」(幻冬舎)が映画化!
主人公の<僕>役を務めるのは、ダンスロックバンド「DISH//」のリーダーで、『君の膵臓をたべたい』(2017年)で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、『東京リベンジャーズ』(2021年)、『とんび』(2022年)など数々の作品で主演を務める北村匠海。明大前の飲み会で<僕>が一目ぼれする<彼女>を演じるのは、映画『カツベン!』(2019年)で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、2022年放送開始予定のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロインを務める注目の女優、黒島結菜。新入社員の<僕>の同期で後に親友となる<尚人>役には、「ウルトラマンタイガ」(2019年/テレビ東京)で主演を務めて以降、数々のドラマや映画で活躍の場を広げ、実力をつけている人気急上昇中の俳優、井上祐貴を抜擢。近くて遠い2010年代のリアリティ溢れる青春劇の映像化に挑戦したのは、映画、TV、MV、広告、写真と幅広いジャンルで活動し、今年公開された映画、実写版『ホリミヤ』(2021年)でも監督を務めた23歳新進気鋭の松本花奈監督。脚本は、『デイアンドナイト』(2017年)、Netflixオリジナルドラマ「全裸監督2」(2021年)などで知られる脚本家・小寺和久が担当した。そして、主題歌は若い世代に刺さるリアルなワードセンスや軽快なメロディで大人気を博しているロックバンド・マカロニえんぴつが務める。
11月14日(日)、一般の観客を迎えた最速上映となるプレミア上映会が行われ、上映前の舞台挨拶に主演の北村匠海をはじめ、井上祐貴、原作者のカツセマサヒコ、監督の松本花奈が登壇!映画の見どころや撮影時を振り返るだけでなく、登壇者の“沼のような”青春秘話も飛び出すなど、盛り沢山のトークセッションが繰り広げられた。
北村は「カツセマサヒコに人生を覗かれていたかのよう」と仰天!
井上が努力家な一面を見せる!!
原作を読んで“映画化をしたい”と思ったという松本監督は「原作を読んだときに、<僕>が思っていることや発していることがすごく刺さって、映画化したいと思いました。原作に書かれている言葉は、必ずしも全部セリフとして書かれているわけではなくて。だからその部分を映像化する時にどうすべきか悩んだ部分はあります。小説と映画どっちも楽しんでいただけると嬉しいです」と原作への思いを語った。
続いて、その原作はカツセマサヒコのデビュー作。カツセは「初めて書いた小説が映画化するということで本当に驚きましたし、それ以上にうれしかったです。まだ実感が湧かないまま今日を迎えています。ドッキリなんじゃないかという怖さがありますね(笑)」と初めての経験にドキドキしている様子だった。
原作について北村は「びっくりしたのですが、カツセさんに自分の人生を覗かれていたのではないかというほど、作中に出てくる場所や音楽が自分の過去の思い出にすごく寄り添っていて。また、主題歌を担当してくれたマカロニえんぴつの皆さんをはじめとして、個人的につながりのある若者がたくさん携わってこの映画はできているのだと感じて、痺れましたね。当時聴いていた音楽だったり、“なんとか毎日をキラキラ生きてやろう”と模索していたあの時代のことを思い出します」と以前の自分と重ね合わせて語った。さらに、<僕>という役柄について北村は「自分と近しい感じがしました。観ている方に(思いを)届かせるためには、“芝居”という枠ではなく、ドキュメンタリーに近いリアリティや生なましさをそのまま言葉にしてみようとしました」と自然体な演技に気を配ったことを明かした。
<僕>を支える友人<尚人>を演じる上での工夫について井上は「とにかくカッコよくいようとすることを意識しました。上手くいかないことがあっても、“弱いところは見られたくない”という気持ちが特に強い人間なのかなと思って。強がってしまうようなクサさを意識しましたとね」とコメント。
松本監督はキャストの印象について、まず北村を「自然体でいようということで。僕なのか北村なのかわからない場面もありましたね」と評価。さらに井上について、「直前まで別のドラマでご一緒していたのですが、細かいところを含めてたくさん努力される方です。劇中の歌うシーンも練習していました」と井上のストイックな面を暴露!すると北村が「井上くんの努力はバッティングセンターのシーンにも表れていて。1カ月くらい練習していました」と続けて報告。井上は「尚人にはなんでもできる人であって欲しかったので」と努力を重ねた理由を説明した。
北村がロックな学生時代について語る!
カツセマサヒコはキャストの演技を絶賛!!
親友という役柄を演じた北村と井上。現場の雰囲気について井上は「楽しかったですね。ずっと、思い出のある場所でのロケだったのでそれぞれの思い出を語り合っていました。僕は高円寺くらいしか思い出は無かったのですが、2人で思い出を共有していくにつれて僕も懐かしい気持ちになって、高円寺(でイメージを膨らませていた気持ち)と同じような感覚で明大前や他の場所での撮影に臨めました」と語った。
劇中よく登場する飲みながら語り合うシーンにちなみ、思い入れのある場所やお店があるか尋ねると、北村は「僕は下北沢、高円寺、明大前、そしてバッティングセンターは大塚だったんですが……。全部思い入れがありますね。学生時代や19〜21歳くらいの、悶々として生きていた頃に自分を許してくれた場所でした。特に下北沢は、学校のみんなが渋谷に遊びに行くのに対して背中を向けて、僕は下北沢に行っていました」とエピソードを披露すると、井上が「当時からロックだったんですね!」と反応。
これに北村は「サブカルに生きてやると思っていました。当時は前髪パッツンのテクノカットだったのですが、それも学校とかに対するちょっとしたアンチテーゼで」と驚きの学生時代について語った。さらに「大人になってからも、先輩たち一緒にと次の日のことも忘れて、飲んで飲んで、カラオケで歌って、もう朝やん!って絶望して。絶望するけどなんか清々しかったりして。先輩のバンドの曲を歌うこともありましたね。それをすごく思い出しました」当時を振り返った。
カツセマサヒコは自身が書いたキャラクターを演じるキャストの演技について「僕にしかわからない“魔法”みたいなもので、書いた言葉がそのまま現実になっていく感覚が色々なシーンで起きていました。一分の狂いなく映像になっているので、原作を読んだ方は本当に驚くと思います。もちろん、原作とは違うシーンもいくつかあるのですが、そこもまたすごく良くて!“なんで俺それを書かなかったんだろう”という悔しさが湧いてきましたね」と絶賛していた。
登壇者の“沼”だった経験、“マジックアワー”な経験とは?
北村と井上は“ゲーム沼”にどっぷり!?
<僕>が<彼女>に恋をした5年間について後に“マジックアワーだった”と振り返るシーンにちなみ、沼だった経験、マジックアワーだった経験を登壇者が語った。
松本監督は「高校時代のダンス部の先輩が恐くて嫌だったので、そのストレスを放課後に一人カラオケで発散していました」と“カラオケ沼”について話した。
続いてカツセは「中学時代に、PHSで今でいう出会い系サイトを利用していました。当時はカタカナ半角20文字程度しか送れないのですが、それを駆使して出会いを必死に探していた時期がありましたね。男子校だったので女性とは接点が本当になくて。相手から届いたメッセージに全部返信してひたすら“沼”にはまって、携帯料金が高くて親に怒られた思い出があります」とませた中学生だったことを明かした。
井上は「中高時代にゲームアプリの課金をしてました。“沼”でしたね。1回課金したら、欲しいアイテムが手に入るまでやっちゃうんですよ。それ以降ゲームは好きだけど課金は抑えています」と苦い思い出についてコメント。
さらに北村も「“沼”という意味ではゲーム。あとは漫画アプリは7、8個入っています。課金しちゃいますね」と井上に同意。さらに「“マジックアワー”は、役者友達と傷をなめ合いながらお酒を飲んだ時間ですね。涙を流しながら語ったり、失恋ソングをみんなで歌ったりした後に外に出てると朝になってて。その後牛丼食べて。それが美味しかったですね。現場でも明け方のシーンが出てくるんですが、その時も牛丼食べてます。僕は必ずネギ玉牛丼を食べるんですが。あの時青春だったなと思い出します」と懐かしんだ。
登壇者からのメッセージ
公開を楽しみにしている方に向けて、北村と松本監督からメッセージが送られた。
まず北村は「監督や黒島さんをはじめとする、若者でこの映画を作れたことが大きいと感じます。僕たちより上の世代の人は“あの頃はこんなことを思っていたな”と振り返ることができ、社会に対して鬱々としたものを感じている今を生きる人にとっては何かの助けになるのかな。今の世の中を変えられるのは我々若者だというエネルギーが感じられると思います。“若者みんなが仲間になって、苦しい思いを共有して、明日を迎えようじゃないか”、そんな思いを込めました。生々しくリアリティのあるシーンもいっぱいあるので、自分と重ね合わせて楽しんで欲しいです」と若者に呼び掛けた。
最後に松本監督は「今しか撮れないものがたくさんスクリーンに写されるので感じて欲しいです。今日観ていただいて、何十年か後にまたふとこの映画のことを思い出して、改めて観ていただけると嬉しいです。その時の年齢や置かれている関係などによって映画に対する感じ方も変わっていくと思うので、いろんな側面から楽しんで観てください」と語り、初の舞台挨拶は幕を閉じた。
[スチール撮影・取材: Cinema Art Online UK / 記者: 來住 果林]
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イベント情報
映画『明け方の若者たち』プレミア上映会 舞台挨拶
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映画『明け方の若者たち』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」 その16文字から始まった、沼のような5年間。 明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。 下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり・・・。 世界が<彼女>で満たされる一方で、社会人になった<僕>は、””こんなハズじゃなかった人生””に打ちのめされていく。 息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現在。夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。 でも、僕はわかっていた。 いつか、この時間に終わりが来ることを・・・。 |