第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶レポート
【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (花澤香菜、木崎文智監督、冲方丁)

第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶

「今、関わる事が出来て嬉しい」花澤香菜 喜び語る!

11月2日(土)、第32回東京国際映画祭(TIFF)にて、特別招待作品である劇場アニメーション『HUMAN LOST 人間失格』の舞台挨拶がEX THEATER ROPPONGIで行われ、柊美子役の声優である花澤香菜、木埼文智監督、そしてストーリー原案・脚本を務めた冲方丁が登壇した。

白いワンピース姿の花澤が「本日はお越しいただきありがとうございます」と笑顔で挨拶。続いて木崎監督と冲方も来場した観客に感謝を述べた。

【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (花澤香菜)

花澤は、「私、大学は日本語日本文学科という学科に通っていまして、周りは太宰治好きばかりでした。一緒に文学散歩で、太宰治が入水自殺した玉川上水を巡ったり「人間失格」も、もちろん読んで、私個人的には好きな作品だったので、もともと好きだった作品に、なんと“今”関わることができてすごく嬉しかったです。どういう風になるのか全く想像つかなかったので、どう描いていくのかワクワクしていました」と作品への想いを明かした。

【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (花澤香菜)

また木埼監督は、「古典文学とSFを融合させることに、興味を惹かれて面白そうだなと思いました」と振り返りつつ、「ただ一筋縄ではいかないなとは思いましたが、冲方さんが参加されると聞いて、何とかなるだろうと思いました」とコメント。

【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (木崎文智監督)

一方の冲方は脚本作りについて「大変すぎて覚えてないです」と苦笑い。「ブレイクスルーが2ヶ所あって、まず『人間失格』というタイトルの解釈を“人間”という規範から外れてしまうのではなく、人間全体が失格した世界を描こうと。これがSFになったきっかけです。次に、『人間失格』を描く際に重要なのが“死”をどう描くかなんですが、むしろ“死”が無い世界を描くことで、逆に“死”が浮かび上がるようにストーリーテリングしようと。それがもうひとつのブレイクスルーです」と、脚本におけるポイントを説明した。

【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (冲方丁)

さらに、映画のタイトルからは想像がつかないような“ここがヤバい”という箇所を聞かれると、花澤は「老人たちの怖さ」、木崎監督は「世界観において、外国人から見た日本の“おかしさ”をあえて描いたところ」、冲方は「『AKIRA』のオマージュであるバイクシーン」とそれぞれが答え、舞台挨拶は終了した。

[記者: 梅田 奈央 / スチール写真:© 2019 TIFF]

イベント情報

第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶

■開催日: 2019年11月2日(土)
■会場: EX THEATER ROPPONGI
■登壇者: 花澤香菜(声優)、木崎文智(監督)、冲方丁(脚本)
■MC: 笠井信輔(フジテレビアナウンサー)

【写真】第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶 (花澤香菜、木崎文智監督、冲方丁)

第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶

映画『HUMAN LOST 人間失格』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『HUMAN LOST 人間失格』キービジュアル

《ストーリー

昭和111年――医療革命により死を克服し、環境に配慮しない経済活動と19時間労働政策の末、GDP世界1位、年金支給額1億円を実現した無病長寿大国・日本、東京。

大気汚染と貧困の広がる環状16号線外“アウトサイド”で薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる“大庭葉藏”は、ある日、暴走集団とともに特権階級が住まう環状17号線内“インサイド”へ突貫し、激しい闘争に巻き込まれる。そこで“ロスト体”と呼ばれる異形体に遭遇した葉藏は、不思議な力をもった女性“柊美子”に命を救われ、自分もまた人とは違う力をもつことを知る。

 

暴走集団に薬をばらまき、ロスト体を生み出していたのは、葉藏や美子と同じ力をもつ男“堀木正雄”。正雄はいう。進み過ぎた社会システムにすべての人間は「失格」した、と。文明崩壊にむけ自らのために行動する堀木正雄、文明再生にむけ誰かのために行動する柊美子。平均寿命120歳を祝う人類初のイベント“人間合格式”を100日後にひかえ、死への逃避を奪われ、人ならざる者となった大庭葉藏が、その果てに選択するものとは——。

【画像】映画『HUMAN LOST 人間失格』場面カット

 
第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
 
原題・邦題: HUMAN LOST 人間失格
英題: Human Lost

《スタッフ》

監督: 木﨑文智
スーパーバイザー: 本広克行
ストーリー原案・脚本: 冲方 丁
キャラクターデザイン: コザキユースケ
コンセプトアート: 富安健一郎(INEI)
グラフィックデザイン: 桑原竜也
CGスーパーバイザー: 石橋拓馬
アニメーションディレクター: 大竹広志
美術監督: 池田繁美 / 丸山由紀子
色彩設計: 野地弘納
撮影監督: 平林 章
音響監督: 岩浪美和
音楽: 菅野祐悟
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース: MAGNET/スロウカーブ
配給: 東宝映像事業部
主題歌: m-flo「HUMAN LOST feat. J. Balvin」(rhythm zone/LDH MUSIC)

《キャスト》

大庭葉藏: 宮野真守
柊美子: 花澤香菜
堀木正雄: 櫻井孝宏
竹一: 福山 潤 
澁田: 松田健一
厚木: 小山力也
マダム: 沢城みゆき
恒子: 千菅春香
© 2019 HUMAN LOST Project
 

2019年11月29日(金) 全国公開!

映画公式サイト
 
公式Twitter: @HUMANLOST_PR

この記事の著者

梅田 奈央シネマレポーター/ライター

様々な人々の想いによって創られる映画。限られた時間の中に綿密に練られた構想。伝えたいメッセージ。無限大の可能性と創り手の熱量に魅了され、作品やそこに込められた想いをたくさんの人に知って貰いたいと活動を開始。インタビューや舞台挨拶などのイベントに至るまで、様々な角度から作品の魅力を発信している。

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