第46回日本アカデミー賞授賞式優秀助演女優賞

最優秀助演女優賞は安藤サクラ🏆
「やっぱり現場が好きだとハッキリ思えた」

3月10日（金）、「第46回日本アカデミー賞授賞式」が、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミール「崑崙」で開催。昨年『花束みたいな恋をした』で第45回最優秀主演女優賞受賞した有村架純と、第43回～第45回授賞式に続き4回目となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が司会を務め、各部門の最優秀賞受賞者および最優秀作品などが発表された。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式司会者 (羽鳥慎一、有村架純)

最優秀助演女優賞は『ある男』の安藤サクラ
子育てとの両立に悩むも「やっぱり現場が好き」

優秀助演女優賞を受賞したのは、有村架純（『月の満ち欠け』）、安藤サクラ（『ある男』）、尾野真千子（『ハケンアニメ！』）、清野菜名（『ある男』『キングダム2 遥かなる大地へ』）、永野芽郁（『母性』）、松本穂香（『“それ”がいる森』）。受賞者は各自撮影時の思い出を披露した。

有村架純

安藤サクラ

尾野真千子

清野菜名

永野芽郁

松本穂香

まずは司会を務める有村架純が受賞者としてコメント。今作では年下の目黒と恋人役を演じるにあたり、「お姉さんに見えてほしい」という課題を抱えながら撮影に入ったという。そんな目黒との撮影については、「身長と足の長さが全然違うので、２人で走るシーンがあったけど、どうしても追いつけない。後日リテイクをした時に今度こそは走らないと、ここで負けたら（撮影中も）目黒君に引きずられると思って全力で走りました」と明かした。意外なライバル心を燃やされていた目黒が、「撮影時は役に入っていて気づかなかったけど、後日聞いて申し訳なかったです」と笑いながら返す一幕も。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (有村架純、安藤サクラ、尾野真千子、清野菜名、永野芽郁、松本穂香)

愛した相手の死後、それが全くの別人だったことを知るという難役に挑んだ安藤は、「今だにすごく難しい役。悲しいことがすごくたくさん起こるし、断片的に描かれる。原作を参考書のように持ち歩き考えました。監督がすごく粘ってたくさん撮ってくださり、共演者とも向き合って（役を）探っていきました」と何度も「難しかった」と呟きながら振り返った。

さらに、撮影中は“女優としての危機”にも瀕していたことを、共演の妻夫木聡が暴露。「撮影中に安藤さんから『私やっぱり女優に向いてないと思う。この作品で引退しようと思う』と言われて、これが引退作になるのかと思って頑張った。後日、（夫の）柄本佑に会って様子を聞いたら『映画の撮影していますよ』と言われ、何だったの？と」と明かされ、「クヨクヨがピークに達して。私、子育てと映画の撮影がうまく両立できないって感じていて。でも途中からクヨクヨよりも現場が好きってことに気づいて、そこで頑張ってみようと思えた」と自身と向き合った様子を明かした。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (安藤サクラ)

尾野は演じたプロデューサー役の意外な点に喜びを感じていたという。「最近、芝居はほぼ『母』の役だった。今回久しぶりにシングル（独身）で、最後に（共演した）中村倫也さんともちょっとラブがありまして、精神状態は爆上がりでした」と話し、会場の笑いを誘った。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (尾野真千子)

2作品で受賞した清野は、まず『ある男』について、衝撃の事実を告白。「新幹線の中で大変なシーン…丸一日妻夫木さんと長い掛け合いをしていたのですが、後日完成作を見たら全カットされていて」とその衝撃を伝えた。相手役を務めた妻夫木はコメントを求められると、石川慶監督が最優秀編集賞を受賞したことにふれ、「LEDなどを使って凝ったこともしたのですが、一カットもなかったですね。ただ、最優秀編集賞をもらっていたので、あまりいろいろ言えない」と苦笑い。『キングダム2 遥かなる大地へ』では、人間離れした動きのアクションを求められ、３カ月以上前から練習したと明かし、「練習と言うよりは修行の日々。それを積み重ねたからこそこの場に立てたので嬉しいです」と締めくくった。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (尾野真千子、清野菜名)

永野は、同作で共演した戸田恵梨香がいつか共演したい女優の一人だったといい、寒い日のロケが続く中、手作りのスープを差し入れ、母のように接してくれたと嬉しそうに語った。また、休みの日に何も示しあわせることなくお互い同じ店で同じメニューを食べたことを知ったエピソードも披露し、「親子になっていたんですね」という羽鳥の呼びかけに「そうですね」と笑顔を見せた。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (有村架純、安藤サクラ、尾野真千子、清野菜名、永野芽郁、松本穂香)

松本は、同作で主演の相葉雅紀との共演について聞かれると、「母親が嵐の大ファンで、コンサート行ったこともある。そんな話をしながら。現場でも優しくフラットに引っ張ってくれました」とにこやかに語った。優秀主演男優賞を授賞した二宮和也が「僕ら毎日会ってるんで、楽しくやっていますよ」と応えると会場からは歓声が沸いた。また、司会の有村に向けて「同じ事務所でお世話になっています。こういう晴れやかな場所で一緒に立てるのが信じられないし幸せです」と笑顔を交わし合った。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式助演女優賞 (松本穂香)

最優秀助演女優賞は安藤サクラが受賞。これまでに２度の最優秀主演女優賞を受賞している安藤だが、壇上では思わず涙が。スピーチでは、妻夫木が披露したエピソードにふれ、「辞めようと思っていたことがこんな形でばらされるとは思わなくて、自分が情けなくて泣いちゃう。でも、この現場の最中に『やっぱり現場がすごく好き。（自分が）できるか・できないかを超えて、撮影をするの皆さんの中にいることが何よりも好き』とハッキリ思えました。できなくて押しつぶされそうになっても、クヨクヨしても死ぬわけじゃない。何より現場にいるのが好きな気持ちは、他に見つけられないと思えたので、今また現場に向かえています。子育てと仕事の両立は今のところまだうまくできないけど、悩みつつ家族で協力しあって戻れたらいいなと思っています」と自身の気持ちを確認するようにゆっくりと率直な想いを吐露した。

【写真】第46回日本アカデミー賞授賞式最優秀助演女優賞 (安藤サクラ)