映画『関ヶ原』
総勢20万人!400年前に起こった史上最大の戦いにして天下分け目の大会戦!
戦国時代の将星、全身全霊の智・勇・義が今スクリーンで激突する!!
《ストーリー》
時は慶長三年(西暦1598年)八月。天下人・豊臣秀吉(滝藤賢一)は、幼い我が子秀頼の行く末を案じながら静かにこの世を去った。そして豊臣家に愚直なまでの忠義を尽くそうとする石田三成(岡田准一)の戦いはこの日から始まる。相手は豊臣政権の筆頭大老にして、関東250万石の大大名徳川家康(役所広司)。かつて、自ら身を屈して秀吉の傘下に入った家康は、この時を待っていたとばかりに、次第にその野望をむき出しにしていく。お家のため、一奉行の身でありながら家老の島左近(平岳大)らとともに家康へ対抗していく三成。智略・謀略・外交…双方ありとあらゆる手を使ってのせめぎ合い。やがてそれは、日本全国の大名を巻き込んでの未曾有の大戦へとつながっていくのであった・・・
《みどころ》
戦国時代の終焉を告げる、日本史上類を見ない大会戦が「関ヶ原の戦い」だ。日本を二分した天下分け目の決戦。家康はこの勝利をきっかけに江戸幕府を開府し、以降260年あまり続く長寿政権を築き上げたのだから、単なる大戦に留まらず歴史的事件としての意義も大きい。原田眞人監督は、これまであさま山荘事件や日航機墜落事故、そして終戦の日など歴史に残る大事件をテーマに数々の映画を撮り上げてきたから、本作はその極みともいうべき映画だろう。
といっても、単に“戦さ”を描いただけではない。関ヶ原の戦い自体はわずか6時間で決着したが、そこに至るまで実に様々な駆け引きやプロセスがあった。秀吉が亡くなってからの2年間、いやそれ以前からの諸大名の思惑や葛藤もとらえた壮大な人間模様の大河物語だ。
原作は日本を代表する作家・司馬遼太郎氏。数ある司馬作品の中でも、飛びっきり高い支持を集めてきた人気小説だ。繊細かつ丁寧に登場人物の心情や当時の風景が描かれた、読み応えたっぷりの歴史物語となっており、映画の原作としてはこの上ないものだろう。
こうした豪華なバック・オフィスに対し、キャスト陣も負けていない。西軍の大将・石田三成(表向きの総大将は毛利輝元だが)には、すっかり日本アカデミー賞の常連となった岡田准一。過剰なまでの正義感や潔癖性など独特の個性をとらえ好演しつつ、冷徹なイメージの強い三成像を覆して、まっすぐな熱血漢を全面に押し出し、我々のもつ石田三成像に新たな一面を加えてくれている。東軍の総大将・家康役をつとめた役所広司もさすがの貫禄。日本一の弓取りと言われた名将そのものの存在感だ。
他にも東軍勝利の転機をつくった小早川秀秋(東出昌大)や上杉軍団の名参謀・直江兼続(松山ケンイチ)など、当時の名だたる大名が軒並み登場し、歴史好きの人や戦国時代マニアにはたまらない。また司馬さんが小説上で登場させた数々の女性も大きな魅力のひとつで、まさに百花繚乱―映画に華を添える。特に三成の想い女(びと)・初芽役を演じた有村架純は、時代劇初挑戦。原田版・初芽は原作とは異なる設定となっているため、こちらも見どころの一つになっている。
関ケ原の戦いは、戦術的に優位な布陣をひいた石田方・西軍の圧勝であったはずと言われている。しかし実際に軍配が上がったのは家康率いる東軍だ。映画「関ケ原」はその名を語るのに相応しい大作で、戦いの終わりまで余すことなく物語っている。なぜ石田三成は破れたのか。その必然を是非スクリーンの中で見出してほしい。
[ライター: 藤田 哲朗]
映画『関ヶ原』予告篇
映画作品情報
誰もが知る「関ヶ原」の誰も知らない真実―
史上最大のスペクタクル・アクション、遂に登場!!
原作: 司馬遼太郎「関ケ原」(新潮文庫刊)
製作:「関ヶ原」製作委員会
配給: 東宝=アスミック・エース
©2017「関ヶ原」製作委員会
2017年8月26日(土) 全国ロードショー!
公式Facebook: @sekigahara.movie