映画『サラバ静寂』
音楽が禁じられた世界に生きる若者たちのストーリー!
本気のエネルギーが炸裂した静かなるノイズミュージック映画!
世の中には、禁止されてもやろうとする輩がいる。その力に大きな魅力を感じるという『黒い暴動❤️』(2016年)の宇賀那健一監督が企画、脚本、監督を務めた静かなるノイズミュージック映画『サラバ静寂』が2018年1月27日(土)より、東京・渋谷のユーロスペースほか順次全国公開される。
音楽などの娯楽が一切禁止されるという想像もつかない世界に生きる若者を吉村界人と若葉竜也がリアルに演じている。彼らが生まれてはじめて音楽という存在を知り、音楽を耳にして魅了されていくその瞬間が活きいきと描かれている。主人公のミズトを演じる吉村は、本当に映画が好きで、映画業をやりたい、表現したいという一心でこの役に挑んだという。本当の廃墟を使っての撮影にアレルギーも出たというトキオ役の若葉の一挙手一投足からは、何か夢中になれることへの大切さを思い出させてくれる。映画が初出演のヒカリ役を演じたSUMIREも、ガッツが詰まった大切なものを気付かされる作品だと語っている。
その一方で、「遊楽法」を犯す人間をゴミ屑のように排除する警察役を斎藤工がビターに演じている。吉村や若葉たちも芝居なのか本気なのか分からないほど怖かったと言う斎藤の狂気の姿の背景には、役者の気持ちや意見を汲みとる宇賀那監督と見せる芝居ではなく今後の日本映画を担っていくような、そこに存在した共演者たちとの共犯関係があったという。鍵を握る警官の三島役を演じる森本のぶのノイズのような存在感も見逃せない。
本作は、スクリーンで観ることを前提に作られており、音の魅力や振動が映画館でじっくりと体感して味わうことができる。また、劇中の過去のシーンには、80年代を代表する反骨精神にあふれたミュージシャンたちも登場している。役者と監督、スタッフたちによって現場で生み出されるシーンにはアドリブも多く、宇賀那ワールドならではの見応えある作品となっている。
『サラバ静寂』は、前作の『黒い暴動❤️』のようにロングランが期待できるパワフルな作品である。本作を観て何かを受けとった人は、ぜひSNSや口コミ拡散によって、宇賀那健一監督たちと共犯関係になることをお勧めする。
《ストーリー》音楽や映画、小説といった娯楽の一切が禁止された「遊楽法」が施行される日本では、若者たちは音楽を知らずに育つ。ある日、ネジ工場に勤務するミズト(吉村界人)とトキオ(若葉竜也)は、ひょんなことから音楽が保存された廃墟に侵入する。そこで音楽を耳にして大きな衝撃を受けるミズトとトキオ。音楽を所持している罪で警察の杉村(斎藤工)と三島(森本のぶ)に父親を殺されたヒカリ(SUMIRE)。彼らは、自由を求めて「サノバノイズ」という闇ライブを探し求めるのだった。 |
[ライター: おくの ゆか]
©『サラバ静寂』製作委員会
映画『サラバ静寂』予告篇 & メイキング特報
映画作品情報
カトウシンスケ、内木英二、川連廣明、泊帝、影山祐子、杉山拓也、髙木直子、田山由起、美館智範、ミヤザキタケル、ヒス、ソニー
プロデューサー: 小林和仁、小野川浩幸
撮影監督: 八重樫肇春
劇中衣装協力: CYDERHOUSE
衣装デザイン・スタイリスト: 松田稜平
美術・装飾・持道具: 横張聡
音楽: 小野川浩幸
企画: 宇賀那健一、小林和仁
助監督: 平波亘
制作担当: 飯塚香
VFXスーパーバイザー: 小林敬裕(UNDERGRAPH inc.)
編集: 上本聡
ヘアメイク: 寺沢ルミ
スチール: 伊藤華織
録音: Keefar、岸川達也 整音: 紫藤裕弥
©『サラバ静寂』製作委員会
公式Facebook: @saraba.seijaku/