映画『太陽を掴め』浅香航大×岸井ゆきの インタビュー
【写真】映画『太陽を掴め』岸井ゆきの 浅香航大 インタビュー

映画『太陽を掴め』
浅香航大 × 岸井ゆきの インタビュー

この映画の“熱”を観てほしい!

元子役で人気急上昇中のミュージシャンとして活動するヤット(吉村界人)と、彼を撮るフォトグラファーのタクマ(浅香航大)、タクマの元恋人であるユミカ(岸井ゆきの)。高校時代からの同級生である3人を中心に、それぞれに吐き出せない気持ちを抱きながらも日々を生きる都会の若者たちを89分間の青春群像劇として描いた映画『太陽を掴め』。

【画像】映画『太陽を掴め』メインカット

12月24日(土)の映画公開に先立ち、タクマ役を演じた浅香航大さんとユミカ役を演じた岸井ゆきのさんの2人にCinema Art Onlineのティーンズメンバーがインタビュー!役作りや撮影秘話など話を聞いた。

―― 映画『太陽を掴め』に出演が決まった時の感想を教えてください。

浅香: 俺は、映画のスタイリストさんと友達でそこから話が来たんですけど、台本読んだ時、正直作品としては何を伝えたいのかが全く分からなかったけれど、なんかっこよくてなんか胸が痛くなったから、やってみたいなと感じました。

岸井: 台本を読ませて頂いて、ユミカの役になかなか感情移入できなかったんです。そのようなことが初めてだったので、自分の中でとても新鮮だったんです。ただ、自分ではなかなか入っていくのが難しかったので、客観的にみて、監督にも相談しながら演じました。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (岸井ゆきの)

―― 演じた役と自分の共通点はありましたか?

岸井: うーん、あまりないかもしれないです。ユミカって一体どういう人なのか、ずーっと考えて続けていたような気がします。

浅香: ヤットとタクマの関係性において、この映画の中で一個のテーマというか、真っ直ぐな男に対して素直になれないっていう対局な部分や真っ直ぐに生きれることに対しての嫉妬とかですね。それを誤魔化して生きていくところとか、誰もが大人になると持つと思うんですよ。だから大人になるというのはどういうことなのか、それはただ死に近づいているだけなのか、腐っているだけなのか、本当の意味の成長なのか、俺はただ死ぬの待っているだけの大人にはなりたくないなとは思います。

純粋に真っ直ぐな心を持って何も気にせずってことをみんな忘れているのか、大なり小なり度合いはあるにしても素直であることに対する社会との差とかジレンマを持っていると思うんですよ。大人になって既に忘れちゃってる人もいると思うのでそういう人がこの映画を観て「目を覚ませよ!」っていうことだと思います。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人&岸井ゆきの)

―― 浅香さんが演じたタクマはフォトグラファーですが、カメラ撮影の練習はされたのでしょうか?

浅香: いや、全然練習してないです(笑)。元々カメラは普通に趣味としても好きなので特に準備してということはなかったです。撮影中にポラロイドとかで実際に撮った時もありました。

岸井: あ、撮ってたよね。

浅香: 使えるような写真は全然ないですけど(笑)。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (浅香航大)

―― 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

岸井: 仲良し!っていう感じではなかったかもしれないです。いろんなキャラクターの人たちがたくさん集まっていて、作品にもその空気感は出ているかなと思うのですが、混沌としている感じで。

浅香: 警察とかも来たよね!1回くらい髭野さん(プロデューサー)捕まってるんじゃないですか?・・・冗談です(笑)。

―― 2人の掛け合いのシーンが多かったのですが、撮影はいかがでしたか?

岸井: すごい量の擬音語を使う監督に(笑)。一生懸命ついていきました。

浅香: 2人の掛け合いのところは界人(吉村界人)とお芝居するのと違って、安心してお芝居ができました(笑)。あいつは、すごく突発的な芝居するし、役柄的にもそうなんでそれがすごく楽しいんですけど、ゆきのちゃんとやる時はすごく安心しましたね。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (浅香航大&岸井ゆきの)

―― 撮影で難しかったところや苦労したシーンはありましたか?

岸井: 宇宙のシーンは、前日までずっと監督と会議みたいに話し合いを重ねていました。撮影当日まで、自分の中で悶々と考え続けていたのですが、「もうとにかくやるしかない!」と。最終的にとても印象に残るシーンになったと思います。

―― 直前にセリフが変わったり、監督から無茶振りなどもあったのでしょうか?

岸井: 急に手相占いや星座占いなどのセリフの追加や、唐突にピザを取ることになったり(笑)。分からないことがたくさん。

浅香: 俺は分かってたよ!(笑)。

映画 「太陽を掴め」 インタビュー 岸井ゆきの 浅香航大

―― 最後に、この作品を通して10代の皆さんへのメッセージをお願いします。

岸井: すごい情報化社会で情報第一になりがちだけれど、自分で行動を起こせる力と熱量を大切にしてほしいです。いろいろなことを知ることができるようになったからこそ、達観してしまって臆病になってしまっているように感じるので、この映画の“熱”を観てみんな飛び出していけるようになるといいなと思います。

浅香: 10代の感覚忘れんなよみたいな。もうそれだけですね。

[インタビュー: 瑞慶山 日向 / スチール撮影: Cinema Art Online UK]

プロフィール

浅香 航大 (Koudai Asaka)

1992年8月24日生まれ。神奈川県出身。
「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」(2011年/CX)で連続ドラマデビュー。映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、映画『悪の教典』(2012年)やNHK連続テレビ小説「マッサン」(2014年~2015年)、舞台「AZUMI 幕末編」(2015年)、映画『俳優 亀岡拓次』(2016年)、映画『桜ノ雨』(2016年)など話題作に多数出演。ドラマ「僕のヤバイ妻」(2016年/CX系)と、ドラマ「奇跡の人」(2016年/NHK BSプレミアム)に出演。高い演技力で注目を集める若手実力派俳優。

映画 「太陽を掴め」 インタビュー 浅香航大

岸井 ゆきの (Yukino Kishii)

1992年2月11日、神奈川県出身。
岩井秀人、福原充則、山内ケンジをはじめ注目の演出家による演劇作品で経験を重ね、舞台、映像と活躍の場を広げる若手演技派女優。最近の主な出演作に、映画『友だちのパパが好き』(2015年)、『ピンクとグレー』(2016年)、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(2016年)、『森山中教習所』(2016年)など。主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって』が2017年公開予定。TVでは、日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」(2016年/TBS)、大河ドラマ「真田丸」(2016年/NHK)などに出演。ドラマ「レンタルの恋」(TBS)が2017年1月18日からスタート。

映画 「太陽を掴め」 インタビュー 岸井ゆきの

映画『太陽を掴め』作品情報

【画像】映画『太陽を掴め』ポスタービジュアル

《ストーリー》

渋谷のライブハウス。場内は熱気に溢れ、楽屋ではヤット(吉村界人)がステージに向かう準備をしている。ユミカ(岸井ゆきの)とタクマ(浅香航大)はその上の階、ひと気のないフロアで親密そうに話をしている。バンドの音色が漏れ聞こえてくる。もうすぐライブが始まろうとしている。ヤットがステージに立つ。叫ぶような歌声が鳴り響く。元子役で現在はミュージシャンとして活動しているヤット、フォトグラファーのタクマ、タクマの元恋人であるユミカは幼馴染み。タクマが撮る写真は評判よくヤットの人気に繋がっている。一方で、ヤットはユミカに好意を持ち、タクマに対して複雑な感情を抱いているのだった。ユミカもまたヤットのことを気に掛けつつも、タクマとあやふやな関係を続けていた。

タクマがサラ(三浦萌)と家に戻ると、プル(森優作)が上がりこんでいた。タクマは、ハッパのブローカーという裏の仕事に手を出しており、ハッパに依存しているサラとプルはしばしばタクマの部屋で狂乱の夜を過ごしていた。ある日、そこにユミカも訪れて…。

 
第29回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 公式出品作品
 
出演: 吉村界人、浅香航大、岸井ゆきの、三浦萌、森優作、内田淳子、松浦祐也、古舘寛治、柳楽優弥(友情出演)
 
監督・脚本: 中村祐太郎
プロデューサー: 髭野純
脚本: 木村 暉
撮影: 鈴木一博
照明: 陸浦康公
録音: 山本タカアキ
整音: 小川武
美術: 成尾美奈
編集: 谷口恒平
ヘアメイク: 寺沢ルミ
衣裳: 松田稜平
楽曲プロデュース: 若月ルーク
音楽: 池永正二
制作・配給: UNDERDOG FILMS
 
2016年 / 日本 / 日本語 / 89 分 / カラー / シネマスコープ
 
© 2016 UNDERDOG FILMS
 

2016年12月24日(土)より、
テアトル新宿他、全国順次公開!

映画公式サイト
 
公式Twitter: @taiyouwotsukame
公式Facebook: @taiyouwotsukame
 

この記事の著者

瑞慶山 日向シネマレポーター/ライター

1997年10月5日生まれの10代ライター
映画に出ている俳優やタレント、幅広い分野で活躍する人を10代ならではの質問で取材し、主にティーンに向けた情報を発信している。

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