映画『レミングスの夏』公開初日舞台挨拶レポート
前田旺志郎、みんなの仲の良さと現場の楽しさに助けられた。
「襲名犯」で第59回江戸川乱歩賞受賞した茨城県取手市出身(在住)の作家・竹吉優輔が描く、青春ミステリー小説『レミングスの夏』を五藤利弘監督が映画化!原作者の出身地である茨城県取手市を舞台の中心に、牛久市、つくば市、つくばみらい市、稲敷市で撮影、地域の協力により製作された。
10月1日(日)、東京渋谷のユーロライブで公開され、初日舞台挨拶に『レミングスの夏』で映画単独初主演となったお笑いコンビ「まえだまえだ」の前田旺志郎をはじめ、平塚麗奈、瑚々、桃果、遠藤史人ら“レミングス”を演じたメンバー、彼らの中学校の教師役の椋田涼、音楽・出演のスネオヘアー、監督・脚本の五藤利弘が登壇した。
《イベントレポート》
舞台挨拶が始まると、五藤監督が「江戸川乱歩賞作家の竹吉優輔さんの小説が原作なのですが、竹吉さんが純粋な想いで書いた小説で、その想いを映画に投影したいと思って撮りました。まっすぐな子供達の気持ちをそのまま映画にしたつもりです」と挨拶。
主演・ナギ役の前田旺志郎は、「脚本を読んでみて、学生が集まって一つの目標に向かって突き進むというのは、すごい青春でうらやましいなと思いました。僕も仲間で集まって、何か一つのことを成し遂げたりしたいなと感じました。ナギという役は、6年間もずっと執念深く復讐心を持っていて、常に闇を抱えている部分があったのでそこを意識して演じました」と話し、映画初出演でレミングスのメンバーに誘拐される白石宏美役を演じた平塚麗奈は、「宏美は責任感が強くて、自分の決めたことは絶対に突き通すような強い女の子です。すべてのシーンを全力で演じました。宏美役で緊迫感が作れていたら嬉しいです」と挨拶した。
続いて、前田旺志郎演じるナギに率いられる“レミングス”のメンバーを演じた3人が挨拶。
ヨーコ役の瑚々は、撮影当時小学6年生で最年少ながら、「演じたヨーコは頑固なところがあって、自分も頑固なところがあるので、役がすんなり入ってきて演じやすかったです。女の子の中では、お姉さん気質があるので、みんなをうまくまとめられる役割ができたと思います。『レミングスの夏』は、青春もあり、サスペンスチックなところも多くて、私自身、台本を読んですごく気に入って、すごくいい作品にしたいと全力で頑張りました」と話した。
ミト役の桃果は、「ミトは、みんなと比べて前に積極的に出る子じゃなくて、影で支える芯のある強い子です。『レミングスの夏』は、昔でいう『スタンド・バイ・ミー』(1986年)のように、とても温かい青春を描いた映画です。本作を観て、“あんなことあったな”とか、いろいろ昔のことを思い出していただけたらいいなと思います」と語った。
モトオ役の遠藤史人は、「モトオは、芯が強い少年だと思ったので、そこを意識して頑張りました」と挨拶した。
勝田先生役の椋田涼は、「自分の場合、人を殺したり女性を襲うという役が多くて(笑)、先生役は非常に新鮮でやり甲斐がありました」と話し、「役だけですよね?」という五藤監督のツッコミで会場に笑いが起こった。
1シーン出演し、映画音楽を担当したスネオヘアーは、「五藤監督には以前2作でご一緒させて頂いていて今回もお声掛けいただき嬉しいなと思っていました。(五藤監督は)ちょっと強面のなんかヤバそうな人だなと、こんな皮のジャケットも着ていて、ちょっと怖そうに見えますが(笑)、とても繊細な監督で、十代の頃のあの時にしかない時間を描かれているのがとても好きで、(十代の)フレッシュなみなさんと現場でご一緒してドキドキしました」と監督の外見と内面のギャップを引き合いに作品の魅力を語った。
また、本作の音楽について聞かれると、「音楽であまり邪魔したくないなというか、説明的にならなければいいなと思いました」と映画音楽へのこだわりを話した。
是枝裕和監督の『奇跡』(2011年)で実のお兄さんの航基さんとW主演を果たし、本作で単独主演デビューとなった前田旺志郎は、映画初出演のキャストが多い中、どうだったかと聞かれると、「ナギという役もそうですし、主演ということもあって、周りのみんなをまとめないといけないなと意識していたので、最初は僕にまとめられるかなと思っていたのですが、現場に入ってみると、みんな好き勝手やっているわけではないですし、たまにわちゃわちゃしすぎて注意されている時もありましたが、現場はみんな仲よく楽しくて、重いシーンが多かったので、自分がどんどんネガティブになっている時にみんながわいわい楽しそうにしているのを見て心が落ち着き、逆に助けられました」と語った。
本作ヒロイン役で映画デビューとなった平塚麗奈は、「(髪型が)オールバックになったナギ役の旺志郎君に腕をひっぱられて走るシーンがあったんですけど、私は学校でも選抜リレーの選手に選ばれるほど足に自信があったので、つい瞬発的についていってしまって、二人で思いっきりダッシュで走っていたら、そのシーンは“もう少し遅く走って”と言われました。そのシーンがすごく楽しかったので、観ていただけると嬉しいです」と撮影の裏話を披露した。
最後に登壇者を代表して、主演の前田旺志郎が「初主演を務めた『レミングスの夏』は思い入れのある作品です。どんどん広がっていって、いろんな人に観てもらえたらと思います。」と挨拶で締めくくると、スネオヘアーが「前田くんは、今日運動会をキャンセルして来てくれているので、よろしくお願いします」と裏話を披露し、笑いも交えた舞台挨拶となった。
[編集: Cinema Art Online UK]
イベント情報<映画『レミングスの夏』公開初日舞台挨拶>日時: 2017年10月1日(日) |
映画作品情報
《ストーリー》レミングとは、ねずみのこと。 アキラこと千葉旭、ナギこと南木秀平、それからモトオ、ミト、ヨーコら「レミングス」の仲間達は、中学2年の夏に大きな戦争をする。 その年、茨城県取手の街には、ハサミで小学生に切りつける「ハサミさん」が現れるという都市伝説が広がっていた。 6年前の小学2年生の夏の出来事を機に、二度と戻ることのない楽しかったあの日を取り戻すため、ナギは、人生を賭けて計画を練り上げ、仲間達を誘い、遂に計画を遂行する。 |
椋田涼、たくみ稜、大桃美代子、田中雅美、モロ師岡、城之内正明、中村ゆり、田中要次、渡辺裕之、スネオヘアー
監督・脚本: 五藤利弘
ゼネラルプロデューサー: 城之内景子
プロデューサー: 西田宣善
協力プロデューサー: 狩野善則、小林良二
録音: 宋晋瑞 美術: 中谷暢宏 助監督: 富澤昭文
編集: 曽根剛、五藤利弘 制作担当: 谷口昭仁
ヘアメイク・スタイリスト: 岩橋奈都子
制作・配給: オムロ 制作: OneScene
宣伝・配給: 渋谷プロダクション
後援: 取手市・取手市教育員会・牛久市・牛久市教育委員会
2017年 / DCP / stereo / 98分
公式Twitter: @lemmingsnonatsu