
映画『この夏の星を見る』
東京・茨城・長崎3都市同時完成披露試写会 舞台挨拶
桜田ひより、主演映画の完成披露に感無量!
東京・茨城・長崎を繋ぐオンライン中継で「最高の作品」と自信を語る!!
直木賞作家・辻村深月の青春小説を映画化した『この夏の星を見る』の東京・茨城・長崎3都市同時完成披露試写会が、6月22日(日)に開催された。
東京会場のT・ジョイ PRINCE 品川には、茨城の砂浦第三高校に通う主人公・溪本亜紗を演じた主演の桜田ひより、東京のひばり森中学校に通う安藤真宙役の黒川想矢と中井天音役の星乃あんな、そして本作で劇場長編映画監督デビューを飾った山元環監督が上映後の舞台挨拶に登壇。さらに、映画の舞台となった茨城、長崎ともオンラインで繋がり、茨城会場のシネマサンシャイン土浦からは亜紗と同じ砂浦第三高校天文部に所属する定野正志役の水沢林太郎と山崎晴菜役の河村花、長崎会場の福江総合福祉健康センターからは長崎の泉水高校に通う佐々野円華役の中野有紗と福田小春役の早瀬憩も中継で参加し、映画さながらの形でイベントを盛り上げた。
キャストが語るコロナ禍での撮影と作品への想い
待ちわびた観客の大きな拍手に迎えられ、主演の桜田ひより、黒川想矢、星乃あんな、山元環監督がステージに登壇。いよいよ来月7月4日(金)に全国公開を控える本作。主演の桜田は「本当に、ついにこの日が来たかというワクワクしている思いと、私たちが去年の夏、力を合わせて最高の作品を作り上げたので、ここからもっともっと盛り上げていけたらいいなという風に思います」と晴れやかな表情で挨拶した。
コロナ禍の学生たちの葛藤と希望を描いた本作。黒川は脚本を読んだ時のことを振り返り、「(コロナ禍当時を思い出し)すごく懐かしい気持ちになりました」とコメント。続けて完成した映画については、「望遠鏡を覗いて星を探すシーンが、僕には祈っているように見えて。先の見えない挑戦とか、そういうものにも挑戦した方がいいんだなっていう風に勇気をもらいました」と、作品から受け取った力強いメッセージを語った。
コロナ禍が始まった頃は小学6年生だったという星乃は「私も自粛期間だったり、修学旅行が中止になってしまったりとか、辛い思い出がたくさん蘇りました」と明かすも、「この映画を観た後、ああ、なんかこういう時期もあって良かったなって思える映画でした」と、作品を通じて自身の過去の捉え方も変化したことを笑顔で語った。
撮影前の意外な交流とユニークな練習秘話
劇中、東京と茨城のキャストはリモートでの共演のみで、直接顔を合わせるシーンはなかったという。黒川と桜田はこの日が久しぶりの再会かと思いきや、過去に日本アカデミー賞の授賞式や、本作のクランクイン前の勉強会で会っていたことが明らかに。桜田は「本読みの段階でリモートの練習をしたのですが、あの時の熱量をみんなが基準にしているという感覚はすごくありましたね」と、事前の交流が芝居に与えた良い影響を振り返った。
また、撮影前にはキャスト全員で望遠鏡の操作練習も行われた。山元監督は「スタジオで一人がレーザーポインターで壁を指して、皆で一斉にそこに望遠鏡を向ける練習をしました」とユニークな練習方法を明かした。星空にまつわる話題では、星乃が「小さい頃、車から月を見ているとずっと追いかけてくるのが怖かった」という可愛らしいエピソードを披露し、会場を和ませた。
リアルな空気感を追求したロケ撮影と、山元監督が明かす“星空”へのこだわり
本作の撮影は、原作者の辻村深月が取材した実在の高校で行われた。桜田は「作品のモデルとなった高校で撮影するっていうことが初めての経験でした。作られたものだけじゃない、そこに生きているものに囲まれてのお芝居は、より一層すごく気持ちが引き締まって役に挑むことができました」と、リアルなロケーションでの撮影を振り返った。
山元監督は、本作の大きな見どころである星空のシーンについて、「“Day for Night”という撮影方法を使っています。日中の太陽光を月の光に見立てて撮影し、最終的にグレーディングで夜空を作っていく」と、その特殊な撮影手法を解説。さらに、「この星空っていうのが、CGじゃなくて本当に本物の星空をVFXで構成しているので、そういったところはすごく自分のこだわりを貫いてできたかなと思っております」と胸を張った。
映画さながらのオンライン中継!
茨城・長崎会場の熱気と感動が東京へ
舞台挨拶の中盤には、本作のテーマである“オンラインでの繋がり”を再現すべく、茨城と長崎の会場とのオンライン中継を実施。スクリーンに各会場の様子が映し出されると、桜田は「映ってきた!すごい!」と声を弾ませ、東京会場からも大きな歓声が上がった。
茨城会場の水沢は「思いのほか静かに始まりました」とジョークを飛ばし会場の笑いを誘いつつ、「高校生の方々がすごく真っ直ぐな感想を述べてくださって、感動しましたという声をいただきました」と現地の熱気を伝えた。会場には、作中の天文部顧問のモデルとなった岡村先生の姿もあり、「映画、最高じゃないですか!」という熱い呼びかけに、会場は一層の盛り上がりを見せた。
一方、長崎会場の中野は「会場に入った瞬間、すごく嬉しい気持ちでいっぱいでした」、早瀬は「すごく温かいです。地元に帰ってきた気分になっています」と、地元・五島での開催に喜びを滲ませた。五島の撮影は猛暑だったといい、桜田は「監督含めみんな真っ黒になって帰ってきましたからね」と当時の過酷ながらも充実した撮影を懐かしんだ。
「皆さんの背中を押す映画」
主演・桜田ひよりが作品に込めたメッセージ
最後に、山元監督は「この作品は距離の物語。希望を持ってその壁を越えていく、その距離を越えていくっていうことに対して邁進していけば、きっと何か辿り着けるものがあるんじゃないかなっていう、そういう願いも込めてこの映画を作ったので、皆さんの心にこの映画が届いていたら僕はすごく幸せだなと思います」と作品に込めた思いを語った。
そして主演の桜田は、「この映画は、たった一言のアイデアだったり、たった一つの行動でこんなにも運命は変わって、軌道を変えて目的地までたどり着くことができるっていうのを証明してくれた映画でもあると思うので、皆さんの背中をたくさんたくさん押してくれる映画になっています」と力強くアピール。温かい拍手に包まれながら、イベントは幕を閉じた。
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イベント情報
映画『この夏の星を見る』
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映画『この夏の星を見る』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》2020年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。茨城・砂浦の亜紗や凛久は、失われた夏を取り戻すため〈スターキャッチコンテスト〉開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙が、同級生の天音に巻き込まれその大会に関わることに。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。 手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする――。 |