映画『ザ・サークル』(The Circle)
ジェームズ・ポンソルト監督来日記念イベント
SNS全盛時代だからこそ感じられるリアリティ
その存在意義を問う、サスペンス・エンターティメント
エマ・ワトソンの『美女と野獣』に続く主演最新作にして、トム・ハンクス他豪華共演で贈る話題作『ザ・サークル』が11月10日(金)より全国公開となる。
『ザ・サークル』は、全米で2013年に発行され瞬く間に大ベストセラーとなった、ピューリッツァー賞、全米図書賞ノミネート作家デイヴ・エガーズの同名小説を映画化した作品である。
物語の舞台は、世界的にトップシェアを誇る超巨大SNS企業<サークル>。誰もが憧れるこの最先端企業に採用された新入社員のメイ(エマ・ワトソン)はカリスマ経営者ベイリー(トム・ハンクス)の目に留まり、新サービスのモデルに大抜擢され、超小型最新カメラを通して24時間の自身をネット上に公開することに。瞬く間に一千万人を超えるフォロワーを獲得し、アイドル的存在になっていくが・・・。
監督・脚本は、ジェームズ・ポンソルト。2年連続で監督作がサンダンス映画祭の審査員特別賞に輝き、前作『人生はローリング・ストーン』ではインディペンデント・スピリット賞の2部門にノミネートされるなど、米インディーズ映画界でその名を知らない者はいない逸材。さらにディズニー映画『Wild City』の監督としてもアナウンスされるなど、今後ますますの活躍が期待される新進気鋭の監督である。
映画の公開に先立って、ジェームズ・ポンソルト監督が来日し、10月4日(水)東京・汐留にて、プレミアイベントを開催!現在、インスタへの「いいね!」の数を現金に換算し、それを元に旅する番組で話題を呼んでいるお笑い芸人・バイきんぐの西村と、何かとSNSをザワつかせる相方・小峠がゲストで登壇。「いいね!」のために生きる女性を描いた本作の監督に、現実社会でSNSを活用して芸能界を勝ち抜いているバイきんぐの二人がその“秘密”を伝授した・・・!?
《イベントレポート》
今回が日本初来日というジェームズ・ポンソルト監督。イベント前日早朝に東京に到着し、早速浅草へ行き、お寿司を堪能したり、小さなお子さん達の為にトトロのぬいぐるみを購入したりするなどして今回の来日観光を楽しんだそうだ。他に行ってみたいところとしては、尊敬する宮崎駿監督が作った「三鷹の森ジブリ美術館」を希望しており、次回はしっかり予約して行くと宣言していた。
今回のイベント前半では、MCを務めた荘口彰久氏とのトークが行われた。
―― 本作映画化のきっかけについてお聞かせください。
まず元々原作者であるデイヴ・エガーズの大ファンだったんです。本作の原作もすぐに読みまして、すごく響くものがありました。特にエマ・ワトソン演じる主人公メイにすごく感情移入したのです。彼女は理想主義者的なところがあり、世界をより良い場所にしたいと考えているキャラクターです。そこにも共感できるところがありましたし、同時にサイバーなデジタルオンラインの世界で、自分のことを知ってもらいたいとか、自分は本当に認知されているのかといった不安であったりといった部分にも感情移入するものがありましたね。ユーモア満載の風刺もあり、恐怖も感じたのですが自分の子供達が大人になる中で、プライバシーというものがどんどん無くなっていくのかなと感じました。自分たちのやっている一挙手一投足すべてが記録されてしまう世界へとなっていってしまうのかと、ちょっと憂える気持ちにもなります。
―― 世界でもトップクラスの人気を誇るエマ・ワトソンさんとトム・ハンクスさんの初共演作となった本作のキャスティングについて聞かせてください。
この二人をキャスティングできたのは大変ラッキーだったと思っています。
トムハンクスさんは僕が小さい時からずっと大好きな俳優さんでしたし、一人の人間としても、役者としても彼は観ている人に信頼感を抱かせる俳優さんだと思います。今回企業の経営者の役を演じているわけですがとてもひねりの効いた役で、トムさん自身、この物語でも扱っているプライバシーそして監視社会に対して非常に強い想いをお持ちでした。
エマ・ワトソンさんもとても素敵な女優さんで、ハリーポッターシリーズを通じて昔から我々は彼女を知っています。ある意味、彼女は若者の声を代弁する役目を果たしていて、ソーシャルメディアを駆使して政治的な発言やジェンダーについての意見をはじめ、本作のテーマのように彼女はSNSにおけるプライバシーについての意見なども発信していますね。10歳の時から彼女は公の姿というものを全て記録されて育ってきているわけですよね。そういった点もまた本作のテーマと関わりあうもの、重なるものを感じたのです。
―― 現代のSNSの意義とはどういうものだと思いますか?
SNSはポジティブな側面とネガティブな側面を両方持ちあわせていますね。ある意味、我々人間の一つの延長線上にあるものとして、その人本来が持っている最高の姿と最悪の姿を引き出してしまう。そういうものではないでしょうか?
この映画の大きなテーマは、“プライバシー”、そして“監視社会”というものと、また本作は「自由な意志とはどういうものなのか?」という問いかけにもなっています。全てのことが記録されているのだとしたら、我々はそれを「真の意味で自由だと言えるのか?」というものなのです。
その後、「ジェームズ監督に会いたい!」というお笑い芸人・バイきんぐの小峠と西村の二人が登場し、先に作品を鑑賞した彼らの感想を監督に告げた。
小峠: 今ある映画で最も新しいサスペンス映画だと感じました。2、3年前だったらピンと来なかったテーマだと思いますし、だからこそ展開が読めない内容でとても面白かったです。
西村: 飲食店に行って、本当はAが食べたいのにインスタ映えツイッター映えする為に大して食べたくないBを選ぶみたいなね。そういうのは本末転倒なんじゃないかなと思いましたね。
などなど、現代のSNS全盛ならではの現象について実例を挙げながらトークは進んだ。
バイきんぐの二人それぞれのツイッターが披露され、アイコンやフォロワー数、発信内容についてコンビ同士で弄り合い、会場は監督含めて爆笑に包まれた。
「いいね!」したくなる写真とはどういうものなのか?というテーマのもと、小峠・西村それぞれが撮った写真が6点披露され、その中から監督が「いいね!」したいと感じる写真と、「いいね!」したくないと感じる写真を選んだ。
小峠: とにかく多分皆さんが見たことのない映像、そして内容、展開だと思います。最初から最後まで楽しめると思います。
西村: とにかくリアリティのある作品です。
監督: 本当に本日は皆さんお集まりいただきありがとうございます。こうして作った作品を初めて来日出来た場で皆さんと分かち合えること、心より嬉しく思います。本日は楽しんでいってください。
これから鑑賞する方々へのメッセージで締めくくり、監督による観客席をバックにしてのセルフィー撮影が行われた後、3人は笑顔で舞台を後にしてトークイベントは大盛況の内に幕を下ろした。
[スチール撮影: Cinema Art Online / 記者:蒼山 隆之]
イベント情報
映画『ザ・サークル』ジェームズ・ポンソルト監督来日記念イベント■開催日: 2017年10月4日(水) |
映画作品情報
《ストーリー》嘘も隠し事もなくなれば、世界は良くなる。それが超巨大SNS〈サークル〉の掲げる理想。 |
邦題: ザ・サークル
配給: ギャガ
© 2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.
2017年11月10日(金) 全国ロードショー!
公式Twitter: @circlemoviejp