
㊗公開初日舞台挨拶
岡本崇監督が仕掛けたクライマックスシーン
ミニシアターのスクリーンで追体験してほしい
音楽や映画の作者の意図には関係なく救われた自分の経験を元に、“勝手に救われよう”をテーマに、カリスマ的なヴォーカリストとミニシアターの支配人に救われた主人公の熱い想いを描いた映画『ボールド アズ、君。』が3月29日(土)に新宿K’s cinemaで劇場公開された。
映画の撮影地でもある新宿K’s cinemaでの初日舞台挨拶には、W主演の伊集院香織(みるきーうぇい)と後藤まりこ、共演の刄田綴色(東京事変)及び、ぽてさらちゃん。、下京慶子、そして監督・脚本・音楽・編集・出演の岡本崇が登壇。MCは本作に出演のアールが担当した。
ミニシアターは僕にとっての居場所
みんなが約束なしに集まれる場所
冒頭、MCのアールが、「岡本崇監督の前作『ディスコーズハイ』(2022年)にも出させていただきまして、その時は本業のe-sportsキャスター役で出演させていただいたのですが、本作では楽屋での演技シーンなどもさせていただきまして、新しいチャレンジをさせていただいた、非常に思い入れのある作品となりました」と自己紹介。
キャストと監督が登壇すると、南條珠役の伊集院は、「音楽と映画への愛が詰まった作品になっているので、楽しみにしていただけると光栄です」、瓶子結衣子役の後藤は、「初日楽しみましょう!」と挨拶した。
満席の観客が集まった公開初日。岡本監督は、「ミニシアターは、僕にとっては居場所や逃げ場所だったり、みんなが約束なしに集まる場所なので、大切な場所なんです。ミニシアターは今苦境に立たされていて、岡本監督としては映画を作ることしかできないので、願わくばヒットさせて、色んなところ出かけて、これをダシにみんなでミニシアターで集まれたらと思います」と本作に込めた熱い想いを語った。
翳ラズのギタリストを自ら演じた岡本監督
後藤まりこと刄田綴色は❝概念❞みたいな存在
岡本監督は後藤まりこと刄田綴色と共に劇中バンド“翳ラズ”のメンバーを演じ、自分が作った曲を瓶子結衣子役の後藤に歌ってもらい、木田次郎役の刄田にドラムを演奏してもらった。
岡本監督は、「まだ夢で、醒めていないのかなと思っています。二人とも(自分にとって)“概念”みたいな存在で、一緒にできるような人ではないんですけれど、映画を上手いこと使って、夢を叶えるということをさせていただきました」と感無量の様子。
後藤まりこは❝神様❞
“勝手”に救わていた伊集院香織
本作は、岡本監督が音楽や映画の作者の意図には関係なく救われたご自身の経験を元に、“勝手に救われよう”をテーマにした映画。伊集院は「学生時代にガラケーが壊れるまでずっと後藤(まりこ)さんを待ち受けにさせていただいたくらいの神様なんで、岡本監督と同じように、ここに一緒に立っているのがまだ実感がないような憧れの存在でございます」と敬語で告白。
伊集院は、昔後藤に救われた出来事を振り返り、「まさかアーティストが満員の会場で一人一人にハグをしてくれるとは思わず、観に行って、その時に『生きててよかったな』と。ハグ自体よりライブに救われたところがあります」と回想した。
後藤は、「(劇中で言及されるように)僕も一個人を救おうと思ってやっていないんですけど、当時の僕が当時の香織ちゃんを救っていたとしたら、とても嬉しいし、香織ちゃんは音楽やろうと思って同じ土俵に立ってきてくれて、今一緒に並んでいるんで、すごく嬉しい」と、劇中の珠と瓶子結衣子の関係性を彷彿とさせるエピソードを話した。
伊集院はライブシーンの撮影を振り返り、「後藤まりこ様は、ライブが、パフォーマンスにしろ、音楽にしろ、歌声にしろ、ギターにしろ、本当に全てが素晴らしく、演奏のシーンでのパフォーマンスも、音楽を操っているような神様に見える瞬間がたくさんありました。かっこよさ、神々しさがあって、神様だなと思う瞬間はたくさんありました」と、後藤の魅力を熱弁した。
後藤まりこ「かなり好きなタイプ」
東京事変の刄田綴色を称賛
後藤は、東京事変のドラマーの刄田と劇中でバンドメンバーとして共演したことについて、「かなり好きなタイプのドラマーでした。音がでかい!当て振りやって言っているのに、思いっきり叩くムードメーカーなんですよね」と称賛。刄田も、「商売柄、やってもらう方のパート(ドラム)なので、演技として背中を押そうかなと考えたんですけれど、そんなことしなくてももうすごいパワーがあるので、むしろ僕も乗せられました」と互いを褒め合った。
刄田は、「(岡本監督が最初は)セリフは一言二言とおっしゃっていたのに、気がついたら結構ありましたね」と苦笑いしつつ、「三浦透子ちゃんにもLINE(相談)したら、当日の朝、朝に読むだけの時間がないというくらいすごい長文でアドバイスをいただいたけれど、全然活かせなかったなとちょっと反省をしています」と裏話を話した。
「すごい女優さんだな」「本作でもすごくいいです」
津田寛治がぽてさらちゃん。を大絶賛!!
暮土真琴役のぽてさらちゃん。はシンガーソングライターでありながら、本作ではミュージシャン役ではなく、珠のバイト仲間役。ミニシアターの支配人役の津田寛治がインタビューで、ぽてさらちゃん。のことを『すごい女優さんだなと思っています。本作でもすごくいいです』と絶賛していた。
ぽてさらちゃん。は、「嬉しいの一言しかないです。その津田さんのインターネットのインタビュー記事を、スクショして何人かに送りつけ、(Xの)ポストに貼り、毎朝上がるようにリポストを繰り返して、ダサい感じで喜びを表しています」と自分で暴露。
俳優、津田寛治さんのインタビューでえげつなく嬉しいこと言われてるみんなみて、死ぬかもしれん
シネマNAVIの『ボールド アズ、君。』
津田寛治オフィシャルインタビュー▷ https://t.co/SyjydODv9z#ボールドアズ君 pic.twitter.com/fSlk1HvaxB
— ぽてさらちゃん。サブスク配信中 (@potesarachannn) March 9, 2025
さらに「津田さんとは、岡本監督の別作品(2022年の『君の僕の詩』)で福井駅前短編映画祭に出させてもらった時にお話ししていて、その時に賞をいただいて、厚かましいことに、岡本監督にも津田さんにも『津田さんと一緒にやりたいです!』と言っていました。対面でお話しするシーンで叶えてもらったので、ありがたかったです。これから活かしたい経験になりました」と共演に至るまでの経緯を話した。
岡本監督作2作連続でバンドマネージャー役の下京慶子
『ディスコーズハイ』と『ボールドアズ、君。』はパラレルワールド!?
草薙凪子役の下京慶子は、岡本監督の前作『ディスコーズハイ』で演じた別久花もバンドのマネージャー役で、本作で演じた草薙凪子もバンドのマネージャー役。「前作と衣装も髪型もヘアメイクもほぼ同じで、『どういうつもりでやったらいいでしょう?』と聞いたら、『自由に、いつもの感じで』と言われたので、自分の中ではパラレルワールド的なつもりでやりました。マネージャーは実際に担当のバンドが変わったりすると思うので」と話した。
下京は、「岡本崇組と、この作品のファン」とコメントを寄せていた。本作の魅力を聞かれ、「前作からなんでこんなに情熱を持ち続けて創作ができるのか不思議なぐらい岡本監督が持っているパワーが、企画から編集から(公開初日の)この日までずーっと落ちずに駆け抜けるんです。それがスクリーンを通して観客の皆さんに伝わるのではないかと、いちファンとして信じている部分があるので、それぞれの思いが届いて、どんどんどんどん広がったら嬉しいなと思っています」と話した。
嘘のない本物が収められているライブシーン
岡本監督「登場人物の一人になったような気持ちで観てほしい」
最後に岡本監督がキャストとスタッフを代表し、「音楽映画として銘打っているので、演奏シーンはしっかりやっています。バンドシーンを演じているのが一人残らずミュージシャンなんです。いつも通りバンドマンが魂を削ってライブをやっているのが収められているので、嘘のない本物が収められています。また、ミニシアターの話も進行していくんですけれど、皆さんが観ているスクリーンでクライマックスで“起こる”シーンを追体験していただけるような仕掛けを作らせていただいているので、登場人物の一人になったような気持ちで観ていただいたら嬉しいです。本作は今日産声を上げてオギャーと生まれたところなので、SNS投稿という名のミルクや離乳食をガンガン与えて育てていただけたらと思います」とメッセージを送った。
映画『ボールド アズ、君。』は、新宿K’s cinemaでの上映に続いて、大阪の第七藝術劇場、名古屋のシネマスコーレ、山形の鶴岡まちなかキネマ、そしてアメリカのオレゴン州ポートランドに1915年からある老舗映画館クリントン・ストリート・シアター(Clinton Street Theater)での上映も決定している。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『ボールド アズ、君。』公開初日舞台挨拶■開催日: 2025年3月29日(土) |
映画『ボールド アズ、君。』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》人付き合いが苦手な南條 珠(伊集院香織)は、小学生の頃からシネコンとは一線を画すこだわりのラインアップのミニシアターを自分の居場所としていて、支配人の井澤雄一郎(津田寛治)を神様と呼んで慕っている。 そんな珠にとって、ロックバンド“翳ラズ”のヴォーカル・瓶子結衣子(後藤まりこ)はもう一人の自分を救ってくれた神様。中古ギターを入手して、スーパーギターバトルで優勝するほどの実力になるも、さらに上を目指して練習する日々。翳ラズの記事を読み、次の翳ラズのライブチケットは必ず入手すると決意を新たにする。 そんなある日、珠がバイトをする居酒屋に、たまたま瓶子結衣子がやってきて、珠がアップした“弾いてみた動画”を見ていたことが発覚。珠は「翳ラズと同じステージに立って直接お礼を言うこと」を目標に、さらに動画制作に精を出すが、行きつけのミニシアターが翳ラズのライブのタイミングで閉館するということを知り… |
ロケーション協力: 八尾フィルムコミッション、第七藝術劇場、BIGCAT HOOK UP RECORDS 、funk ojisan、D×Q神戸、Bar DUDE、新宿 K’s cinema
新宿K’s cinemaほか全国順次公開!