公開初日舞台挨拶開催!
三島有紀子監督「人の想いが届く奇跡を思い出してもらえたら」
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂。その店主である篠川栞子(しのかわ しおりこ)が古書にまつわる数々の謎と秘密を解き明かしていく国民的大ベストセラー、三上延・著「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの実写映画が遂に11月1日(木)公開された。
公開を記念して初日舞台挨拶がTOHOシネマズ 日比谷で行われ、極度の人見知りだが驚くべき本の知識と優れた洞察力で古書にまつわる謎を解き明かす、若く美しいビブリア古書堂店主・篠川栞子役の黒木華、彼女に魅せられて店を手伝うことになる五浦大輔役の野村周平、さらに、漫画専門のネット販売を行う同業者で、栞子たちに関わっていくことになる稲垣役の成田凌、大輔の祖母・五浦絹子の若き日を演じた夏帆、絹子に惹かれる小説家志望の田中嘉雄役の東出昌大、そして本作のメガホンを取った三島有紀子監督が初日を祝うべく一堂に集結した。
4年越しの本作遂に公開へ
上映終了後、割れんばかりの拍手の中、会場に姿を現した登壇者たち。三島監督は「4年かけてやっと産み落とすことが出来ました。その記念すべき日をたくさんの方に見届けていただけて幸せです」と感謝を述べた。
多種多様の役作り
自身が演じた役について黒木は「栞子さんの本の知識だったり作品の内容、作者の背景を語るシーンは難しかったです」と栞子の本への情熱をどう表現するかを監督と話しあったそう。
本が読めない少年・五浦大輔を演じた野村は「大輔は自分に近い役なので、演じやすかったです」と黒木と対照的。「監督に、大輔は太陽みたいな人だから野村くんも太陽みたいにいてくださいって言われたので、太陽みたいにしてたら五月蠅いって怒られました。理不尽ですよね」と現場での様子を明かすと、監督は「太陽みたいにみんなの心をほぐして明るくする人でいてほしいと言ったつもりだったんですけど“灼熱の太陽”になってました」とコメントすると、会場に温かな笑い声が響いた。
稲垣を演じた成田は「僕は割とファッション含め形から入りました。たまたま衣装合わせの時にYOHJI YAMAMOTO(ヨウジヤマモト)を着ていったら監督が、あっほら!って仰って。なので今日もそれ(YOHJI YAMAMOTO)で来ました」と舞台挨拶の衣装を稲垣に寄せたことを明かすと野村が「サウナのスーツみたいってさっき言ってたんですよ。岩盤浴で着るやつでしょ?」と感想を言うと成田も「岩盤浴帰りです」と話に乗って会場の笑いを誘った。
夏帆は「過去から現代へ本を通して想いが伝わるっていうのがこの映画のひとつのテーマだと思うので、ちゃんと現代にバトンを渡すことを大事にして演じました」と五浦絹子が大切にしていた想いを意識して演じたことを振り返った。
東出演じる田中義雄の役作りについて「今回は太宰ファンということで劇中で人にお勧めするシーンもあり、三島監督から太宰と夏目漱石を読んできてくださいと言われたので、役得というか、“これは役のために絶対必要なんだ”と思いながら文学作品を読んでいる時間は良かったです」と元々読書が好きだったからこそ出来た役作りについてコメントした。
見どころを聞かれた三島監督は「いっぱいありすぎるんですけど、このキャストのお芝居を本当に繊細に撮りました。美術もそうですし、ロケ場所、天気、光の加減などの繊細な部分も含めて観ていただきたいです。
父親の勝手な行動が今に繋がっている……!
本や人との関わり、出会いから登場人物が変っていく本編にちなみ、登壇者の“今までの人生を変えた人・もの”についてMCが質問すると、「僕は親父にオーディションに応募されてこの世界に入っているので、勝手に人生決められた感はありますね」と野村が回答。「150万円の賞金が出る所属オーディションがあって、合格したんですよね。そのお金全部親父に渡したらお店作ったんですけど、すぐ無くなりましたね。お金溶かされましたけど、そのお陰でここに立てているので何とも……(笑)。お父さんとアミューズには感謝しています」と芸能界に入った経緯を語った。
また“10年後の自分へ向けたメッセージ”を披露したりと、大いに盛り上がった。
特大アンカット本が登場!
劇中では栞子が祖父から受け継いだ宝物として太宰治の「晩年」の初版本のまだページが切り落とされていない貴重なアンカット版が登場したことに因んだ「アンカット本カット」が行われた。野村の「せーのっ、オープン」という掛け声に合わせて登壇者がリボンを引いた。
それを見た黒木は「感動しています」野村も「素晴らしいアンカット本を用意していただきありがとうございます」と喜んでいた。
最後に野村は「この作品は読書が好きな方は勿論ですが、普段本を読まない人も本の世界にどっぷり入っていけるので是非たくさんの方に観ていただきたいです」、黒木は「過去と今の人と人とを繋げていく古書に感動しました。是非色んな方にお勧めしてください」、三島監督は「人の想いが届くことってすごく奇跡的なことだと思っているので、映画を観たみなさんの想いが届いた瞬間を思い出して帰ってくれたら嬉しいです」と挨拶しイベントは終了した。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』は本日より全国公開中。
公開前に行われた三島有紀子監督と原作者・三上延氏によるトークショーでは、三島監督の本作に込めた想いやこだわり、三上も絶賛の映画オリジナルパートの話など、ファンにはたまらない濃い内容のトークが交わされた。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 梅田 奈央]
イベント情報<映画『ビブリア古書堂の事件手帖』公開初日舞台挨拶>■開催日: 2018年11月1日(木) |
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》すべては一冊の本をめぐる祖母の遺言から始まった―。 |
原作: 三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
監督: 三島有紀子
脚本: 渡部亮平、松井香奈
© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
2018年11月1日(木) 全国ロードショー!
公式Instagram: @biblia_movie