- 2024-11-4
- イベントレポート, ティーチイン, 日本映画, 第37回 東京国際映画祭, 舞台挨拶
第37回 東京国際映画祭(TIFF)
ガラ・セレクション部門
『劇映画 孤独のグルメ』ジャパンプレミア 舞台挨拶
松重豊が語る!!
“おじさんが腹減って食べるだけの話”はこうやって映画化した。
11月4日(月・祝)、第37回東京国際映画祭(TIFF)ガラ・セレクション部門にて、『劇映画 孤独のグルメ』のジャパンプレミア上映がTOHOシネマズ 日比谷で行われ、上映後の舞台挨拶に監督・脚本・主演の松重豊が登壇。MCをプログラミング・ディレクターの市山尚三が務め、観客とのティーチインも行われた。
監督・脚本も務めた松重豊
松重監督誕生の経緯を明かす!!
「お腹空いてる時にすいません!この映画観たら一目散にラーメン屋に駆け込みたいですよね」
登場するやいなや、松重が観客に放った言葉だ。
映画を観て胃袋をつかまれた観客は、この言葉で松重に心も掴まれたに違いない。早速、会場が温かい空気に包まれた。
さらに松重は、「12年前にテレビ東京の深夜ドラマとして始まった番組が、こうやって東京国際映画祭のハレの舞台にて皆さんに観ていただけるのは、とにかく感無量です。先ほどちょっと客席にも忍び込みましたけど、笑っていただけたのが何よりです。もうちょっとお腹空いたの我慢してくださいね」と続けた。
そして、どのような経緯で監督・脚本も手がけるようになったのかを問われると、松重は「2年前ぐらいにレギュラードラマの『孤高のグルメ』がSeason10という節目になる時に、これからさらに続けるか止めるかという話が出たことがあります。若いスタッフも、この番組で育っていってくれればいいのに、他所へ行ったりと思い通りには行かなくて、一回仕切り直そうかなという気になっていました。仕切り直すためには、一回映画を作ろうみたいな話が出て。でも、おじさんが腹減って食べるだけの話をどうやって映画化するんだと。力技は必要だなと思って、いっそ日本の監督じゃなくて海外の監督がいいんじゃないかなと。ありがたいことに、『孤独のグルメ』は韓国でも人気のある作品だったので、一回だけ作品に参加したことがあるポン・ジュノさんに手紙を書いて、監督してくれないかって頼んだら、忙しいから無理だって言われちゃいました。『完成楽しみにしてるよ!』っていう無責任な手紙は来ましたけど。まいったなと思って、日本の監督にするかと思ったけど、その日の夜にふと自分が監督やってみるかと周りに漏らしたら、いいんじゃないかということになって、こうなりました。そして、その翌々日ぐらいに簡単なあらすじを書いて、ロケ中にスタッフ達に見せたら、みんなやりたいって言ってくれたので、じゃあ頑張って映画化しようって」と語った。
40年前に一緒にラーメン屋でバイトしていた甲本ヒロトが主題歌を担当
また、会場からは質問も飛び交い、「映画ではドラマと音楽がだいぶ違うように感じたが、どんな違いがあるのでしょうか?」と聞かれると、松重は「レギュラーシーズンでは原作者である久住昌之さんが率いるThe Screen Tonesが音楽を制作しているんですが、映画では物語の色々なところで流れる音楽は、昔から親交のあるKan Sanoさんにお願いしました。ピアノが単音でずっと流れていく中で、淡々と物語が進んでいくところなどは、色々な人の感情を呼び覚ます効果があると思って。(思い描いた)エンディングにはピアノがふさわしい楽器なんじゃないかと感じていました。あと、40年来の友人で、僕が8ミリで映画を撮り始めた時の主演俳優である甲本ヒロト、彼が率いるザ・クロマニヨンズに主題歌をお願いしたいと思いました。40年前、腹空かしてラーメン屋で一緒にバイトしていた2人のことを思って書いてくれたあの曲が、映画の冒頭でかかると、僕の心はとても震えました。ものすごくカッコいい。これぞ腹減ったと。The Screen Tones、Kan Sano、ザ・クロマニヨンズという、3つの力強い味方を得まして、この映画の音楽とした次第です」と、長い役者人生を振り返りながら回答した。
他にもたくさんの質問が松重に向けられたが、物語の核心をつくネタバレが多かったので割愛する。
実際に劇場に足を運んで、隠し味にはどんなスパイスが使われているのか、自身で確認してみてほしい。
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イベント情報
第37回 東京国際映画祭(TIFF)
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『劇映画 孤独のグルメ』予告篇🎞
映画作品情報
脚本: 松重 豊、田口佳宏(「孤独のグルメ」シリーズ)
エグゼクティブ・プロデューサー: 吉見健士
チーフプロデューサー: 祖父江里奈
プロデューサー: 小松幸敏
プロデューサー: 佃 敏史
プロデューサー: 古郡真也
音楽: Kan Sano